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第十話

手っ取り早くギルドランクを上げるにはどうすればいいか。いや、ランクで無くとも有名というか格的な何かでもいいんだが。


大量にコボルトを狩っても、十匹でたった5ポイントだった。ならば、ドラゴンならどうだろうか。きっと一匹でもがっぽりポイント稼ぎができるはずだ。報酬的に考えれば一匹あたりコボルトの二十万倍にもなるはず、つまり十万ポイントくらいか。


図書館の情報通りならドラゴンは世界中央の山に行けば見つかるらしい。そうと決まれば早速出発の準備だ。とはいえ、食料は王都に来る際の物が残っているし水は魔法で何とかなる。道もこっからでも見えるでかい山に向かって走るだけなんだから、聞き込みなんかも必要ない。


なら、後は出発するだけだ。前回は結局早く歩く程度の速度だったから心細くなっただけで、現在の体のスペックを図る意味も兼ねて全力で行けば、時間もかからないしそんな暇もないはずだ。


スペックといえば、未だに全力で踏み出したりジャンプしたりせず、精々が小走り程度までしかしていない。腕なんかは振り回すが、それ以前に周りがスローモーションになっているのでどの程度の速度かはわからない。


まあ、ファンタジーの世界なんだからきっとなんやかんやでうまく行ってるに違いない。気にせずにドラゴン狩りに行こう。



********************



おおよそ三,四分程走っただろうか、山の麓に辿り着いた。道中オークとかトロルとかミノタウロスとか、そんな名前で呼ばれてそうな魔物とも遭遇したが、片っ端から大☆虐☆殺!するのもなんというか気がひけるので直進コースの魔物だけ轢き殺してきた。というか実験中にぶつかったみたいだった。人じゃなくてよかった。……人じゃないよね?


走っている間に分かったことは、周りがスローモーションに感じている間、以降は加速状態とでも呼ぶか、は全力疾走しても疲れを感じなかったのだが、加速状態に入らずに体の全力を出して走ると、周りの風景はやたら流れ去っていく、というよりも何がなんだか分からないし、二十秒ほどで疲れてきた。ジャンプは……加速状態ならゆっくりと落ちるから良かったが、もう二度と普通にジャンプはしたくない。軽く飛んで雲が下にあるとか……


つまり、速くなっただけ疲れやすくなったけど、加速状態なら時間の流れも遅い分疲れにくい的な感じだろう。もっと頭のいいやつならもっと詳しくわかるんだろうが、こんだけわかれば十分だと思う。


ランニングより早め位のペースでこのくらいの時間がかかったから、ドラゴン狩りでレベルが上がればもっと高速で行き来できると思う。問題は、加速状態だと体感的には疲れにくいとはいえ、感じる時間の流れは普通に移動するのと同じだけ時間がかかり、普通状態の全力だと万一人間が進行経路に居ると大惨事になること間違いない。まあ既に、全力で走り続けられれば十分程度で大陸の端から端まで行けるみたいだけどな。


一体どうするのが正解なんだろうか。普通に旅をすればいいのか、暇を持て余しつつ走ればいいのか、あるいは万一など考えずに快適に……それはないな。


まあこれから先にきっと仲間ができれば、普通に旅をするしかなくなるんだろうな。めんどくさいとか考えちゃダメだ。それはぼっちの思考回路に違いないから、染まったら大変だ。


とにかく休憩も終わったし、ドラゴンを探そう。どの辺にいるかは知らないが、取り敢えず山を登らなければ始まらないだろう。登山なんてしたこと無い気も、子供の頃に遠足かなんかでしたような気もするが、少なくとも布の服一枚でこのやたらでかい、塔みたいになってる部分除いてももしかしたらエベレストよりもデカイんじゃないかって山に登るのは狂ってる気がしてきた。


「やばいと思ったら帰る、無理だと思ったら帰る、暗くなる前に帰る。」


口に出して約束事を確認する。後ろ向きな気もするが、まあ安全第一って方が大切だ。誰も見てないところで意地なんか張ってもいいことはないだろう。


見栄とかプライドとかは他者がいるときにでもやってればいいのだ。まけおしみなんかじゃないやい。

若干幼児退行してる気味の昇ですが、実際一人で標高一万五千メートルくらいの山に超軽装備で突っ込むわけですから仕方ない気もします。


読者の方は、登山をする場合はしっかりと準備を整えた上で安全に気をつけて下さい。決してピクニック気分で整備されていない山に突っ込んではいけません。


現在の昇が全力疾走すれば、音速の数百倍は出ます。しかし本人は結構早い程度の認識しかしていない上、ソニックブームなんかも発生していません。理由?


もしかして:ファンタジー

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