表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空白の魔道書  作者: ばぐJELLY
エピソード0
5/9

ベルゼビュートの最後

早々に乙らせる

ゾクッ!


何だ!この殺気は…!小娘どもは気を失っているはずなのに。まさか!


私は小僧がいた場所へ振り返る。



「馬鹿な…あり得ない!」



…ドクン…ドクン



そこには心臓を喰らった筈の小僧がたっていた。私の耳には聞こえるはずのない小僧の鼓動が聞こえ始める。


「心臓が無ければつくればいい。」


「心臓を…作るだと…」


ボロボロのローブを纏った小僧は初めてみたときはただの浮浪者かと思っていた。今はフードに素顔を隠すその姿が得体の知れない化け物のように見える。


ザッ


気が付けば小僧は足元にいた。右腕で体格とは不釣り合いな二メートルを超す黒い大剣を持っていた。


「ガァァァァ!」


距離をとったが遅かった。左膝から下がもっていかれた。


「何故だ!この姿なら上級魔法すら無力化し、生半可な武器ですら傷ひとつ付かないはずなのに!何故小僧ごときに私の体を傷つけられる!」


待てよ…我は何故先程の災害級魔法でここまでダメージを受けた?いままでなら傷を受けることはあっても腕をもっていかれることはなかった。


「ベルゼビュート。チェックメイトです。」


またしても小僧に近寄られてしまった。だが甘い。


私の力。それは重力操作。認識している空間であれば自在に重力を操作することができる。小僧に対し通常時の十倍の重力を加える。


メキメキメキメキ!


小僧は地面に埋もれて行く。


「何故だ!何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ!」


徐々に重力をかけてゆく。


「何故こんなにも弱い貴様なぞに私の左足を切り落とされた!」


すでに傷は塞がり、再生が始まっている。しかし私が受けた衝撃は癒えない。


「答えろ。貴様は…お前たちは何なのだ!」


グシャ


小僧の右腕により強い重力を加え、二の腕あたりから潰し千切れた。


「…グッ」


わずかにうめき声をあげるだけだった。それがさらに私の怒りを買う。


「どれだけ私を愚弄すれば気が済むのだ!」




ザシュ



胸から生暖かいものが流れる。思わず胸を見る。我の胸から黒い杭が生えている。身体から力が抜ける。


「おしゃべりが過ぎます。」


小僧は立ち上がり我に対して言い返した。


ゆっくりと我に近付き、ローブの下から右腕が現れる。


「…何故だ…あそこにあるのは貴様の右腕ではないのか…ゴフッ」


先ほどまで小僧がいたところに右腕が転がっている。


「…なければ作ればいい」


「…な…だと」


私は恐怖する。得体のしれない小僧(バケモノ)に…


「冥土の土産に教えてあげます。」


右腕から2メートルを超す斬馬刀が生えてくる(・・・・・)


「あなたが地に伏せる原因はあなたが喰らった僕の心臓。」


…どうゆうことだ


「『心臓を喰らうもの(コア・イーター)』と呼ばれたあなたを」


私の正面には小僧(バケモノ)がいた


「僕の心臓が貫いた」


…馬鹿な


「最後にこれがあなたを倒した僕です」


小僧の魔力が拡散しローブが消え失せる。ほのかに燐光し小僧の姿は・・・・・。


「ま…か…み…めん…」


認められない!この私が!魔王と呼ばれたこの私がこんな小僧に!


ガンッ・・・・・ドサッ


最後に見たのは首のない魔王()の姿だった


「あの世があるのなら向こうであなたが殺めた人たちに詫びてくるといい」


そして、私が聞いたら最後の言葉だった。

1週間しないうちに100PV突破してました。ひとまずうれしいです。基本2、3日で一話あげられるようにがんばります。

次話さらに登場人物が増えます。・・・・まだまだ増える。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ