表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
血都A ―仮面の英雄を止めろと命じられた俺は、この街の嘘を暴く―  作者: 灰庭 透


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/6

【第五話】燃え残り

この街は、かつて血で栄えた。

そして今も、誰かが自分の血を燃やしている。

彼は爆発犯だ、罪人だ。

それでも一部の人間は、彼をこう呼ぶ。

――仮面の英雄、と。

俺の仕事は、その男を止めることだ。

廃棄区画の奥。

崩れた建物の影で、青い炎が小さく揺れている。

白い仮面の下で、呼吸が浅い。

指先が震える。

血が足りない。

だが、止めるわけにはいかない。

ゆっくりと仮面を押さえる。

焼けた鉄の匂い。

焦げたコンクリート。

そして、あの夜の地下の匂い。

血と、焦げた肉。

「……遅い。」

呟きは、夜に溶ける。

まだ残っている。

根は、完全には焼けていない。

炎を消せば、また始まる。

だから燃やす。

終わらせるために。

救うために。

殺す。

青い炎が、わずかに強まる。

肺が軋む。

視界が霞む。

限界は、近い。

だが――。

あの若い声が、耳に残っている。

まっすぐな目。

燃やすことを拒んだ目。

あれは、かつて自分が持っていたものだ。

炎が揺らぐ。

迷いはない。

ただ、選び続けるだけだ。

自分の血で。

夜空に、青が溶ける。

【登場人物】

仮面の男:???

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ