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血都A ―仮面の英雄を止めろと命じられた俺は、この街の嘘を暴く―  作者: 灰庭 透


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【第十六話】最深部

この街は、かつて血で栄えた。

そして今も、誰かが自分の血を燃やしている。

彼は爆発犯だ、罪人だ。

それでも一部の人間は、彼をこう呼ぶ。

――仮面の英雄、と。

俺の仕事は、その男を止めることだ。

露出したシャフトは、闇に沈んでいた。

赤いランプが規則的に点滅している。

「深部構造に改修の痕跡がある。」

ヒマリが端末を操作しながら言う。

「……二十年前の図面と一致しない。」

トキヤが覗き込む。

「つまり?」

「上に見せてる構造はフェイクで、本体は下ってこと。」


俺はシャフトの縁に立つ。

冷たい空気が上がってくる。

鉄と、焦げた匂いと、わずかな血の匂い。

「……降ります。」

そう言うと、獅子さんの視線が背中に刺さる。

一瞬、止められると思った。

でも、

「……装備の確認を怠るな。」

それだけだった。

俺は振り返る。

「止めないんですか?」

獅子さんは、青い残滓を見ている。

「止めるのは、燃やされそうな時だ。お前がどうしたいのかは、お前自身で決めろ。」

ヒマリが目を見開き、トキヤが小さく笑う。

「行けってことっすね。」

俺は頷く。


ロープを固定し、シャフトに足をかける。

暗く深い。

どこまで続くのか分からない。

ヒマリの声が無線に乗る。

「因子反応、下層で急上昇!」

トキヤが言う。

「根っこ、見つけようぜ。」

俺は降りる。

一段。

また一段。

暗闇が近づく。

上を見上げると、獅子さんが立っている。

表情は読めない。

ただ、目は逸らさない。

「……二度目は、違う。」

誰に言ったのか分からない言葉が落ちる。

俺はさらに降りる。

二十年前。

同じ階段を、三人が降りた。

俺は────。

【登場人物】

主人公:朝凪アレン

同期1:坂津トキヤ

同期2:春日井ヒマリ

上司1:獅子レイジ

上司2:立花ミカ

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