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東亜の曙  作者: circlebridge
30/53

中東情勢:1960年代前半(1960〜1965年)

■ 概要

• スエズ運河国有化(1956年)で中東は事実上「西側主導からの離脱」を果たす。

• しかしその後、アラブ民族主義が過激化し、親ソ化と汎アラブ統一運動が進行。

• ソ連はこれを好機とみて支援を拡大。

• 日本・英・米は「アラブ世界の自立は認めるが、共産化は拒む」という姿勢を取る。

この結果、

「第三次大東亜圏(アジア+中東)」 vs 「ソ連=アラブ社会主義圏」

という緩やかな構図が形成されます。

---

エジプト:ナセル主義の最盛期

■ 政治

• 1952年の自由将校団革命で成立したナセル政権が、中東の盟主として台頭。

• 「アラブの独立と団結」を掲げ、シリア・イラク・イエメンとの統合を模索。

• ソ連の武器支援と技術顧問団を受け入れ、国土開発を進める。

■ 日本・西側との関係

• 日本は1958年から「ナイル工業化計画」に技術協力を提供。

→ ソ連式の五カ年計画に代わる**「アジア型経済開発モデル」**を提示。

• エジプトは次第に**中立派(非同盟路線)**に回帰し、

ソ連とは距離を置きつつも、英米との関係は冷淡。

→ 結果的に「日本・インド・エジプト」の非同盟技術連携が生まれる。

---

シリアとイラク:バアス党の時代

■ シリア

• 1958年、エジプトと「アラブ連合共和国(UAR)」を結成するも、

実際はナセルの影響力が強すぎて反発が起こる。

• 1961年に分離し、以後バアス党政権が成立。

• ソ連の支援を受け、反イスラエル・反西側の急先鋒に。

■ イラク

• 1958年のクーデターでハシム王政が倒れ、共和制へ

• バアス党が主導するが、内部抗争で不安定。

• ソ連が軍事支援を継続する一方、日本は農業・医療分野に協力。

→ イラクはこの時期、軍事はソ連・経済は日本という複合依存関係に陥る。

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イラン:対ソ最前線としての重要性

• 日本・英米・トルコが結成した**「中東防衛機構(MDO)」**の要として位置付けられ

る。

• パフラヴィー朝の下、近代化が加速。

• 日本の三菱・日産・新日本製鉄などが進出し、石油精製と重工業の拠点化が進む。

• 対ソ防波堤として、満州と並ぶ極東防衛ラインの西端を形成。

→ このため、イランは「日英米協調陣営の中東支柱」として強固な地位を持つ。

---

イスラエルとアラブの対立

• イスラエルは1948年に独立後、英米・日本からの承認を受ける。

• アラブ諸国との対立は続くが、全面戦争には至らず。

• 日本は中立的立場を取り、両陣営の仲介者を自認。

• 1962年、東京で「イスラエル=アラブ和平予備会談」開催。

→ 実質的には休戦延長合意で終わるが、日本外交の存在感が増す。

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資源と経済の政治化

• 1959年、アラブ産油国サウジ・イラク・クウェート・イランなど

**「中東石油機構(MPO)」**を設立(史実のOPECに相当)。

• 日本はこれを支援し、「資源の自主管理」を承認。

• その代わり、長期供給契約と技術供与を条件とし、

「対ソ・対欧依存からの自立」モデルを提示。

→ 1960年代初頭、中東は日英米・ソ連・非同盟の三極が均衡する地域となる。

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潜在的火種:シリア・イスラエル国境紛争(1964)

• ソ連がシリアを通じてゴラン高原に防衛線を構築。

• イスラエルが報復的空爆を実施。

• 日本・インド・エジプトの三国が仲介に入り、停戦成立。

• この時の外交を通じて、**日本は「アジア=中東非同盟圏の指導的存在」**として国際

的地位を確立する。

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総括:1960年代前半の中東秩序

陣営 主な国々 支援勢力 特徴

日英米防衛圏 トルコ・イラン・イスラエル・サウジ 日本・英米 資源・安保重視、穏健保

守的

ソ連支援圏 シリア・イラク・イエメン ソ連 反西欧・社会主義志向

非同盟中立圏 エジプト・インド 日本・一部ソ連 経済発展優先、技術協調

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