表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東亜の曙  作者: circlebridge
26/53

1956年 韓国による日本資本国有化―「朝鮮経済の民族化」と呼ばれた独断的措置―

背景:独立後も続いた日本経済依存

▪ 戦後の朝鮮経済

• 1948年、国民投票によって日本から独立した大韓民国は、

名目上の主権国家であったが、実質的には日本経済圏の一部として機能していた。

• 銀行、電力、鉄道、通信、鉱山など主要産業は旧日本企業の子会社や支社によって運

営。

• 通貨「朝鮮圓」は日本円にペッグされ、中央銀行の準備金の大半は東京発行の円建て

債。

• 貿易の7割が日本、2割が満州・台湾向けで、事実上の「経済従属」状態だった。

▪ 政治と社会

• 李承晩政権は、反共を国是としながらも日本との関係を利用して体制を維持。

• だが1950年代半ばには、

• インフレ

• 賃金停滞

• 大地主層の特権維持

• 都市貧困層の拡大

など社会的矛盾が表面化。

• 野党・知識人層・学生運動が「真の独立」「経済の民族化」をスローガンに掲げる。

---

国有化決定の経緯

▪ 1955年末:政権の危機

• 与党自由党の支持率は20%を割り込み、全国でデモや労働争議が拡大。

• 李承晩は政権浮揚のため、反日感情を刺激し「経済独立」を訴え始める。

• 同時期、ソ連・中共が「日本資本の排除」を宣伝戦に利用しており、

国内左派も国有化を要求していた。

▪ 1956年4月15日:「経済自主化基本法」公布

• 日本系企業を「外資による国家主権侵害」と定義。

• 銀行・電力・鉱業・運輸・通信など「基幹五産業」を国家管理下に置く。

• 表向きは「段階的国有化」とされたが、実際は即時接収命令が下る。

▪ 主要接収対象

企業名 前身・所有者 備考

朝鮮電力公社 旧日本電力朝鮮支社 発電・配電網を国家接収

朝鮮産業銀行 三井・三菱系列 外資金融の中枢

朝鮮製鉄株式会社 旧・日本製鐵釜山工場 稼働停止に

南浦造船所 旧・三菱重工 技術者が大量退去

朝鮮放送・通信株式会社 日本通信公社系列 監視下に置かれる

京城商事・大阪商船朝鮮支社 海運関係 港湾封鎖状態に

• 補償金は支払われず、接収命令書のみが政府公告として貼り出された。

• 日本人経営者・技術者には「60日以内の国外退去命令」が出される。

---

国際的反響と日本の対応

▪ 日本政府の反応

• 東京はこれを「国際法上の財産侵奪」と非難。

• 外務省は即座に韓国との外交・通商関係を凍結。

• 国防省は対馬海峡の警戒を強化し、在韓日本人の引き揚げを護衛。

• 同時に満州・台湾経由の朝鮮向け貿易も全面停止。

▪ 英米・国際社会の立場

• 英米政府は「合法的独立国家の経済政策」として一応は容認姿勢を取ったが、

補償の欠如を問題視。

• IMF・世界銀行は韓国の融資申請を凍結。

• 国連では日本・米国主導の決議が提出され、

「接収の不当性」について審議(賛成多数で可決)。

▪ 満州・台湾の動向

• 満州政府は「韓国政府の一方的行動に深い遺憾の意」。

• 台湾総督府は韓国との航路閉鎖を発表し、

「日本資本に依存せずに経済自立した台湾こそ模範」と声明。

---

韓国国内の崩壊

▪ 経済的打撃

• 接収企業は経営層・技術者の退去で稼働率30%以下に低下。

• 電力供給が不安定化し、製鉄・化学・造船業が事実上停止。

• 通貨暴落(朝鮮圓が半年で1/5価値)、輸入品不足、失業者急増。

• 「民族経済独立」のはずが、食糧や石油は逆に米国援助頼みとなる。

▪ 政治的動揺

• 国有化を支持した学生層が生活苦から反政府化。

• 労働争議・暴動が多発し、釜山・大邱・京城では戒厳令。

• 李承晩政権は反共粛清を拡大するが、軍内部に動揺が広がる。

▪ 1957年9月:「九一九政変」

• 朴正煕ら若手将校グループがクーデターを敢行。

• 李承晩は亡命(去米説・去台説あり)。

• 軍政下に「国家再建最高会議」が設置され、朴正煕が議長に就任。

---

結末と長期的影響

▪ 経済再建と日本との関係改善

• 朴政権は「日本資本の国有化見直し」「技術者の再招聘」を方針化。

• 米国の仲介で1958年「日韓経済正常化暫定協定」締結。

• 日本は技術支援と限定的な資金援助を再開。

• 韓国は国有化企業のうち半数を再民営化。

• しかし信頼関係は修復されず、韓国は日本経済圏から事実上孤立。

▪ 東アジア経済圏の再編

• 朝鮮市場を失った日本資本は、満州・台湾・南洋へ転移。

• 台湾南部(高雄・台南)は重化学工業地帯に発展。

• 満州はソ連圏貿易の窓口となり急成長。

• こうして1950年代末には、「日・満・台」三極体制が東亜経済の中核を形成する。

▪ 歴史的評価

観点 内容

事件名 韓国による日本資本国有化(1956)

主導者 李承晩政権

国際評価 「東亜のスエズ危機」

結果 経済崩壊 → クーデター → 朴正煕政権誕生

長期影響 韓国の孤立化、日本経済圏の結束強化

---

この事件は、

「政治的には民族自立、経済的には自壊」

という皮肉な結果をもたらしました。

結果的に日本・満州・台湾の経済統合を加速させる転機となり、

韓国のみが東アジアの発展圏から取り残される形となります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ