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生きる苦悩と向き合う日々

作者: 神坂 心

あなたは、日常生活の中で誰にも伝えられない孤独を感じたことがありますか?

私にとって感覚過敏は、日常の些細な出来事が心に嵐を巻き起こす特性です。この文章を通じて、同じような苦悩を抱える誰かの心が少しでも軽くなることを願っています。

私は、人一倍『感覚』に敏感だ。特に、音、匂い、空気、接触についてだ。


世間では、これを感覚過敏と言うらしい。


この特性がより顕著に現れたのは、社会に出始めてからだ。それまでもそれなりに違和感を感じていたが、社会でお金を稼ぐために仕事をし始めてから、日常生活で私を苦しめる『悪魔』を強く感じるようになった。

私は些細なことに気を取られる。それが苦しい。誰にも言えない孤独だ。


私の性質上、他の人には些細で気にならないような匂い、音、言葉、感触が私の内面の見えない何かを日に日に蝕んでくる。

そして、常人よりも神経を使い、日々何げなく生きていく事にすら意識をすり減らし、人一倍の疲労が心にのしかかってくる。


そんな時は、自室にこもって音を遮断するためにノイズキャンセリングのイヤホンやヘッドフォンを使い、外界の音を消して創作に打ち込む。

嗅覚や視覚も遮断し、長時間の休息を取る。それでも疲労が戻ってくる。

生きていく中で、この身体はコスパが悪い体だと日々痛感する毎日だ...


私は、外界を遮断する道具無しで生きていくのは大変だ。

執務室、会議室で、他人の声や物と物がぶつかる音が、私の頭の中で爆竹のように響き渡り常に暴れている。

他人の甘ったるい香水、ハンドクリーム、体臭の匂いが、喉を締め付けるように鼻腔を満たし、私の酸素を奪う。

攻撃的な言葉、室内の蛍光灯などの様々な要因が私の肉体を抉り取られるような痛みや感覚を覚えてしまう。

おそらく、ほとんどの人が些細なことと感じる要素に私は極度に反応し、それが心に負担をかけている。

日常のすべてが私を攻撃するように感じる、そんな感覚が頭から離れない。


日々の出来事のすべてに細かいことに気を使い、フォローや改善の行動を起こすが部下や上司から『気にしすぎ』や『そこまでは必要ない』と言われ、心が参ってしまう。


時々、私は無能なのだろうかと考えてしまう.....無意識に私のアイデンティティーを壊すかのように.....

ネガティブな感情が私の脳内を血液の様にめぐる。


ネガティブな気持ちに陥った時や休日は、都会の喧騒を離れるために早朝に静かな公園で葉が風に揺れる自然の音、小鳥の囀りが心を癒してくれる。敏感だからこそ感じられる、この世界の些細な美しさに感謝する瞬間だ。


だが、こんな美しさを感じられる日々が必ず訪れるとは限らない。

そんな時は、私は『蝕む悪魔』を否定するかのように「いや、違う!私はただ、人一倍繊細なだけなのだと」一日に何度も自分に言い聞かせている。


この世の中は、私のように繊細すぎる者には生きづらいように設計されていると、感じずにはいられない......




あなたは、誰にも言えない孤独を抱えたことがありますか?

私にとって、この文章はその孤独を誰かと共有したいという願いでした。もしこの物語が、あなた自身や周囲の誰かへの理解を深める一歩となれば幸いです。

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― 新着の感想 ―
毎日を必死に生きられているんですね。 文章から繊細な心根が伝わります。 『感覚過敏』というのかどうかは分かりませんが、私にも似たような部分があります。 机や椅子の足が床を滑る高い音が苦痛に思え、人…
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