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VRMMOの世界で怖いお兄さんをしています〜本当はVRでお茶会エンジョイしたかっただけなのに〜  作者: 春咲 イブキ
第2章

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第30話 教会チャレンジ

寝るまでが今日!なんとか滑り込みセーフ(アウト)

明日? 明日は……明日の風が吹く!

(投稿できなかったらすみません)


「教会チャレンジってなんですか?」


 首を傾げた私に、リタくんはチッチッチッと指を振る。そして、からかい混じりに「ネイビーってば知らないの〜?」と言う。私は素直に「知らないです」と答えた。

 

「教会チャレンジはね、……って、その前に転職者が出たのは知ってる?」

「それは知ってます」

「良かった! それで教会チャレンジっていうのは、転職者が現れたからもしかしたら自分も転職できるかも……って可能性にかけてギルドに突撃することだよ。教会を教えてもらえたら成功」

「なるほど……」


 そのチャレンジをみんなでしにいこう、ってことか。

 

「──因みにネイビーさん、成功者はいません」

「えっ。そうなんですか」

「もうヨツバくん〜わくわく感が薄れちゃうでしょ!」

「す、すみません」

「流行ってはいるんだけどね〜。でも私、秘匿者いそうだなって思ってるよ!」

「わかるぅ」


 うんうん、とリタくんが目を瞑りながら大きく頷いている。そして、ぱちりと開けたリタくんがプラムさんとヨツバくんの方へと身を近付ける。


「それで、プラムとヨツバくんは教会チャレンジした?」

「私はしてないよ。カンスト前に転職したらSP回収出来なくて勿体ないかな、と思ってカンストにしてからでいーかなと思ってる!」

「僕もです。転職は魅力的ですがSP回収したくてレベル上げ中です」

「えー! つまんないの」


 ぷくぅと頬を膨らませて拗ねる顔さえエルフの美少年だとよく似合っている。

 

「じゃあ僕が誘っても教会チャレンジ付いてきてくれない?」


 こてん、と首を傾げて上目遣いをしてるリタくんは控えめに言って可愛い。

 

「リタくんってば可愛い〜。もちろん良いよ!」

「僕も良いですよ」


 軽く請け負う二人に私も慌てて「俺も行きます」と言った。


「みんな優しいー! ……まぁ、ネイビーは強制連行しようと思ってたけどね!」

「えっ」

「それじゃあ、善は急げ! 今すぐ行こう!」


 そう言ったリタくんの視線が左右に素早く動く。そして、飛んでくるパーティ申請。行動が早い!

 驚いてリタくんを見ていたら目があってウインクをされる。うっ、顔がいい……。そう思いながら私も急いで承認を選択した。

 パーティに加入すると、既にプラムさんとヨツバくんもパーティ欄にいて、二人の方が承認が速かったことを知る。みんな行動が早いよ。

 そして──。


「……えっ」

 

 ──突然、パーティリーダーの権利をリタくんから譲渡されて困惑する。顔を上げたら目があったリタくんが呆れたようにため息を吐く。


「このマイルームはネイビーのお家だからね。僕はここからだと自分のマイルームに飛んでから、ファルシュトに向かわなきゃだけど、ネイビーなら直接ファルシュトに行けるじゃない? だからリーダーを譲渡しました!」

「なるほど」


 そっか、そういうことか……。


「それじゃあ、皆さんファルシュトに飛んでも大丈夫ですか?」

「うん!」

「大丈夫〜」

「大丈夫です」

「……では、飛びますね」


 ファルシュトを転移先に選んでワープを行う。


 すぐに視界が変わって、ファルシュトの中央にある噴水広場に転移していた。うん、ちゃんとファルシュトだね。

 ……急に大所帯のパーティリーダーになってドキドキしていたけど、ちゃんと飛べてよかった。ゲームシステムなんだから失敗する、なんてことはないだろうけども緊張しちゃったよ……。


「じゃあ、ギルドに向かおっか」

「ギルド……。あ、そう言えば転職者の方ってギルドで教えてもらったんでしたっけ?」

「そうだよ〜大当たり〜! なので、教会チャレンジはギルドで教会を教えてもらえるかどうかの遊びです」

「因みにネイビーくん、そこらへんの住民に教会を聞くと警戒されちゃうらしいよ。旅人が教会に何の用だ、……って感じにね!」

「旅人だからか信頼ないですよね」

「ねー。……私、仲の良い住民の場合はどうなるか気になっちゃって、聞いてみようかすっごく悩んだんだけどね、好感度マイナスは嫌だからなんとか耐えたよ〜」


 そんな風に雑談しているうちに冒険者ギルドに辿り着いた。ギルドはファルシュトの東側にある。リタくんが扉を開けてギルド内に入っていくのに着いていくと、ギルド内には受付にいる住民を除いて誰もいなかった。

 ……これには理由がある。ギルド内は混雑を避けるために個別エリアとなっているからだ。だから、パーティを組んでいない場合は、同時にギルド内に入ったとしても別の場所に振り分けられてしまう。ただし、手を繋いでいればパーティを組んでいなくても一緒に入れる。……らしい。


 全部、来るまでに教えてもらったことです!

 


「それで誰から聞く!?」

「リタくんからで良いんじゃない?」

「言い出しっぺの法則、って言いますもんね」

「えー? 仕方ないなぁ」


 そんなこんなで、リタくんから尋ねることに決まった。リタくんは、男性の受付の人か、女性の受付の人か、どっちに聞くか頭を悩ませている。

 

「よし、美少年に弱いのは女性だと思うから、女性にするね」

「……リタくん…………」


 呆れた声が出た。まぁ確かに私も美少年に弱いけど! もちろん、美少女にも猫ちゃんにも弱いけどね。


「お姉さんこんにちは。僕、転職したいんですけど教会教えてもらえたりしませんか……?」


 わ、ぁ……。あざとく媚びた声と上目遣いしてる……。リタくん本気だ。


「こんにちは。そうですね……、リタ様にはまだお教えできません。ですが、ご一緒の方には教えられますよ。パーティを組んで一緒に行くことは可能ですので。……リタ様の転職は出来ませんが」

「え、……えぇっ!?」


 バッとこちらを振り返るリタくん。3人で顔を見合わせる私達。


「えっ、え、誰が転職できるんですか!?」 

「後ろの方たち全員ですね」 

「えぇっ!?」

「えっ」

「エッ」

「わぁっ」

「……そんなことあるぅ……?」


 ほんとに、そんなことある……???

 というか、私も転職できるの!? 私が転職できるのが一番意味が分かんない。


 ……でもこれって、教会チャレンジ成功ってこと……?


「うぅ……、お姉さん教えてくれてありがとうございます……。……それじゃあ3人の誰か道教えてもらってよ……」


 しょんぼりと肩を落としたリタくんが戻ってくる。リタくんに何か声を掛けてあげたいけど、上手い言葉が出てこなくて二の脚を踏む。そうしていたら、ぽんっとプラムさんに肩を叩かれた。


「道教えてもらうのはリーダーのネイビーくんがいいと思うな!」


 そうプラムさんに言われて、プラムさんとリタくん、そして受付のお姉さんを見比べていたら、小さく「リタくんのことは任せて」と返される。……確かにプラムさんの方が気の利いたことを言って励ましてくれそうだと思って、私はプラムさんを信じて、教会への道を聞いてくることにした。

 ヨツバくんも両の拳を握って、任せてくださいと口パクしていた。頼れるフレンドがいて嬉しい。


 それじゃあ、教会の場所を聞きに行こう。


「すみません、……ええっと転職するために教会の場所を教えてもらえますか?」

「はい。ネイビー様は条件を満たしておりますのでお教えしますね」


 お姉さんがそう言うと、マップの1箇所が点滅しだした。何度経験しても、生きた人間のように感じる住民がNPCなのだと実感する機能だ。


「ありがとうございます」


 そう告げてみんなのもとに戻ったら既にリタくんは元気になっていた。良かったぁ……。

 元気になったリタくんは聞きたいことがあるのだと、お姉さんへの元へと向かう。


「お姉さん、質問してもいいですか?」

「はい。答えられることならお答えします」 

「ありがとうございます。……転職出来なくても教会に行きたいので教えてもらえませんか、って言ったら教えてもらえますか?」

「それは……お答えできません」

「…………なるほど。もし、僕が転職したい、って言わずに教会を聞いていた場合はどうなっていましたか?」

「それならばお答えできます。──その場合も、お教えできない、と言いました」

「分かりました、ありがとうございます」


 リタくんはその場でメモ機能を開いて何かを一生懸命メモっている。みんなで見守っていたらキリがついたのか、パッと振り返ったリタくんが「みんなは聞きたいことある?」と言う。

 全員で顔を見合わせて、全員で首を振った。


「じゃあ、教会に向かおっか。ネイビー、道案内よろしくね」

「分かりました」



 ◇ ◇ ◇



 教会は、冒険者ギルドからすぐで、北東に位置していた。教会内部は大きなステンドグラスが美しくて目が惹かれる。感嘆のため息を飲み込んでいると、リタくんが私達の顔をじっと見詰めていることに気付く。その目は嫉妬が揺らめいていた。


「誰から行くの?」


 ご、ごめんリタくん……。謝っても火に油だろうから口には出さないけど。

 そんな中、パッとプラムさんが手を挙げる。


「私、ネイビーくんの転職先が気になります!」

「僕もです!」


 ぱっと手を上げて答えたプラムさんの後を追うように、ヨツバくんも手を上げて意思表示する。


 わ、私かぁ……。


「じゃあネイビー行っておいで。スクショ撮っといてあげる」

「あ、りがとうございます……?」


 何故にスクショ……?

 

 私は、ニコニコ微笑んでいる牧師……神父……神官……様……、ええっとなんて呼ぶのが適切なのだろう。優しそうなお爺さんな神職者の方に声をかけた。


「すみません、転職したいのですが可能でしょうか?」

「えぇ。我らが神は道を示されることでしょう」


 そう言って、呪文のようなものを唱え始める神官様。……神官様って呼ぶことに決めました! いま決めた!

 そんなことを考えている間にも長い呪文は続く。


「道は示されました」


 その言葉を聞いた瞬間、目の前にウィンドウが表示された。新しく示された職業は────。

 

「『平和な旅人』……?」



 

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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます! 平和な旅人!たしかに生産系のスキルしか持ってないし、普段武器を身につけてる訳でも無いから平和だ… 面白かったです!続き楽しみにしてます!
戦闘技能ほぼ取ってないからか…?
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