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VRMMOの世界で怖いお兄さんをしています〜本当はVRでお茶会エンジョイしたかっただけなのに〜  作者: 春咲 イブキ
第2章

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第29話 お値段


 私は今非常に怯えている。

 何故って、お洋服のお値段がおかしかったからだ。


 ……あ、バラのシャツの方は、プラムさんに作ったワンピースよりも安かったんだけどね!

 でもね、水のゆらめきワンピースがね、やばかった!

 値段を見間違えたんじゃないかと、何度も確認したくらいだ。だけど見間違えじゃなかったから、体の震えが止まらない。


 そのお値段なんと──1万G!


 えっ、それの6倍!? やばいよ、もらいたくないよ、怖いよ……!


 えぇ……怖いよ……。どうしよう……でももらうって言っちゃったからにはもらうしかない。それに、値段の確認だけなのに、中々帰ってこないのも心配させるだろうし早く帰らなきゃ。

 因みに他のみんなは私のマイルームで待機中だ。4人で来るには露店って狭いからね。私は今回初めて知ったんだけど、マイルームの主がいなくてもそのままマイルームにいられるんだって。びっくりした。……流石に、私がいないときに新しくマイルームに飛んでくることはできないみたいだけどね。

 

 よし、帰るか。……と思いながらも、私は見間違えという気持ちを捨てきれずに露店から帰る前にもう一度だけ値段を確認した。──やっぱり1万Gであることに頭を抱えた。



 ◇ ◇ ◇



「おっかえり〜」

「……おかえりなさい!」

「ふふ、ネイビーくんおかえり」


 軽快なリタくんのおかえりと、ハッとして慌てたようなヨツバくんのおかえりなさい。そしてにこにこしながら手を振りながら言ってくれるプラムさん。


「ただいま戻りました」


 そんな3人にネイビーくんらしく返す!


「それで、いくらだった?」

「……リタくんのは、5200Gでした」

「じゃあ、ええっと、……3万Gと1200Gだね! 送りました〜」

「ありがとうございます」


 すぐに届いたお金と引き換えにバラの刺繍をしたシャツを送る。


「今度こそ僕のものだぁ」


 そう言いながらリタくんは早速着てくれる。嬉しい。

 


「──それで僕はどうでした!?」

「……ヨツバくん…………」


 ヨツバくんの言葉に顔を引き攣らせながらゆっくり振り向いた。言わなきゃ、言わなきゃなのか……。

 

「……ど、どうしました?」

「その、ヨツバくんのは……」

「はい」

「1万Gでした」

「1万G……じゃあ6万Gですね!」


 そう言ったヨツバくんからぽんっと6万G届く。


「お、どろかないんですか!?」

「予想の範囲内です」

「えっ」


 私は予想の範囲外だったよ!?

 

「僕は驚いたよ〜」

「わかる〜私も驚いた!」


 だよね、そうだよね!? 驚くよね!? リタくんとプラムさんは驚いてくれたようで良かった。


「でも、ネイビーの驚きとは違うと思う。僕は…………、そんなに高くなるなんてどんな効果が付いたんだろう! って驚いちゃった!」

「わかる〜! 特殊効果2つとかついてそうだよね」


 ハッとしてヨツバくんの顔を見たら、露骨に顔を逸している。だって、これ……元々『魔法習得速度上昇』ついてるもんね!? 新しく刺繍したことによって他に何か付いたかどうか確認……しようとして、怖くて手が震えたので、確認せずヨツバくんに送り付けた。


「わっ!? ね、ネイビーさん!」

「……もうお金ももらいましたしヨツバくんの物ですので。ヨツバくんが確認してください」


 ……ワンチャン、『魔法習得速度上昇』のせいでお値段が高くなった、って可能性もあった? 特殊効果が2つなんて……そんな……。


「う、わぁ……やっぱり特殊効果2つついてます。付くんですね」

「すっごおい」

「おめでとう」

「………………」


 つい、てた…………。

 

「そりゃあ高くもなるよねぇ。それにワンピースじゃん? ワンピースって体の上下装備だけど、僕が下装備もシャツと同じ値段で作ってもらったら合計はヨツバくんのワンピースより高くなるわけよ。そしたら、そのワンピースそこまで高い訳じゃない気がする。安い部類、かも!」


 なるほど……。


「それに? 特殊効果が? 2つ、らしいし!?」


 うぅ……。


「何が付いてたのか気になる〜。というか、絶対元から何か特殊効果付いてたでしょ。秘匿してたなら無理しては聞かないよ〜」

「秘匿はしてましたけど……どうしましょうネイビーさん」

「えっ。ヨツバくんが隠したいなら隠してください」

「……うーん、これからもワーチャと掲示板には秘匿しますけど、このメンバーなら話しても良いかなって思えてきました」

「え〜? ヨツバくん、そんな簡単に信用しちゃっていいの? 私なんて、今日初めてあったんだよ〜っ!」

「プラムさん……。なんというか、僕だけじゃびっくり箱みたいなネイビーさんを受け止めきれません」

「びっくり箱は草。ヨツバくん辛辣だね」

「ヨツバくんおもしろ〜い!」


 ヨツバくんも酷いけど、リタくんとプラムさんも面白がってるよね!? 私だって、こんなに驚いているのに……それにわざとじゃないのに……。


「取り敢えず、新しく付いた特殊効果を言いますね。これも不思議な効果で説明も少ないですし、僕だけじゃ分からなくて……皆さんの意見を聞きたいです」


 ハンカチと同じく『幸運アップ』かな、と思っていたけど、違うの……?


「新しく付いたのは『約束』です。説明は『約束とは大事なものである』です」

「約束、かぁ……中々効果のイメージがしにくい名前だし説明が雑すぎる」

「ね。……私、白詰草の花言葉にあったね、って思い出すくらいだよー」

「わかるぅ。付いた理由はそこからなんだろうけど、効果を推測するのは難しいなぁ。でも、『復讐』とか怖いの付かなくて良かったね」

「確かにそうですね」


 うーん、約束……約束かぁ…………、どんな効果なんだろう……。しかも説明……『約束とは大事なものである』ってそりゃあそうだよね、としか。


「幸運アップじゃなかったのは、四葉の刺繍がないからかなぁ? ネイビーくんが今回刺繍したの白詰草の花束だけだもんねぇ」

「確かに〜! ……でも、ヨツバくんのリボンタイ、四葉のクローバー既にあるのになぁ。それは影響がない、と……?」

「そうだよね。しかもこれ、新しく刺繍したら追加された、ってことはさ…………他の生産でも効果の追加が可能ってこと!? ってなっちゃうよね。効果が付かなかった装備も、もう一度何かしら加えたら効果が付くかもしれないし……」

「大発見すぎるぅ。凝って作る、より完成したものに後で付け足す、って生産方法が流行っちゃうかも!? やっぱりヨツバくんの言う通り、ネイビーはびっくり箱だよぉ……」

「わかる〜! ふふ、私達が作ってもらった装備品に刺繍を更に足してもらったら効果が増えるかも……なんて、夢いっぱいすぎるね」


 早口でリタくんとプラムさんの議論が進む。そんなぽんぽんとよく可能性を見つけられるなぁ。……って、またびっくり箱って言われている。



 ◇ ◇ ◇



 みんなでしばらく話し合ったけど、これだ! っていう効果は誰も思い付かなかった。取り敢えず、ヨツバくんは気軽に約束はせず、約束してしまったら破らないように気を付けたほうが良いのでは、という結論に至った。

 ごめんね、変な効果付けて……。


 それにしても、一体、『幸運アップ』と『約束』だったら、どちらの方がレアな効果だったのだろう。ハンカチよりレアだったのか、下だったのか……。下の効果……寧ろ悪い効果だったら申し訳ないなぁ。


 

「皆さん親身になってくださりありがとうございました。やっぱりお二人のことは信用できそうなので、もう一つの効果も言いますね。──もう一つは『魔法習得速度上昇』です」

「魔法! それは秘匿もするわ」

「えぇ~いいなぁ。しかも取得、じゃなく習得でしょ? レベル上げも捗りそう。一生役に立ちそうな効果だね。……そんな効果がついているワンピースなら、お花の刺繍もそのワンピースにしてもらいたくなるね!」

「そうなんです。……イベント期間中も着続けられるだけでもいいかな、って思ってたんですけど、あわよくば効果追加されないかなと思ってたら追加されちゃいました」

「強運だね! お名前から運良さそうだもんねぇ」

「ありがとうございます」


 あわよくば、とか考えてたんだ……。私は白詰草の刺繍するの楽しいな! しか考えてなかった。効果が追加、なんて意識もしてなかったよ……。寧ろ、意識してないことが大事だったりする?


「ネイビーはまだまだお裁縫するの?」

「その予定です」

「そっかぁ。……お裁縫見てるの楽しかったんだけど、ずっと座ってるの飽きちゃったから僕は戦闘に行ってこようかなぁ……」


 そう言いながらもだらーんとお菓子を食べ続けているリタくん。ずっと座っていたから動きたくはなったけど、このままお菓子も食べ続けたいジレンマの中にいる、とみた。

 そんなリタくんを放置して雑談を続けていると、突然勢いよくリタくんが立ち上がった。


「あ! みんなでやりたいことあった!」


 そう言ったリタくんにみんなの視線が集まる。


「あのさ、みんなって教会チャレンジした!?」


 教会……チャレンジ…………? って、なに???



 

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