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VRMMOの世界で怖いお兄さんをしています〜本当はVRでお茶会エンジョイしたかっただけなのに〜  作者: 春咲 イブキ
第2章

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第28話 お花のお洋服


「……今更ですが、リタくんのお洋服はシャツで良いんですよね?」

「そうだね! まぁ、僕だからワンピースも似合っちゃうと思うけど……、シャツが良いかな!」

「分かりました。……リタくんのお洋服から刺繍していきます」


 作業するために自分の前にある紅茶やお菓子をどかそうとして……躊躇う。いつもは2人だからヨツバくん側に寄せさせて貰えば作業はできたけど、流石に4人分あるとスペースが狭い。

 よし、簡素なテーブルを取り出して、そっちで作業をしよう。


 少し離したところにテーブルを設置して、椅子も移動する。みんなの視線が突き刺さるようで恥ずかしくて、みんなの方を見ないようにしながら急いで準備していく。


 ……みんなは無言で見てないで何か喋っててほしい……!


「何か……喋っててください……」

「え〜? そう言われると、喋ることないなぁ」

「分かる〜」


 クスクス笑うリタくんとプラムさんの声を聞きながら、既製服のシャツを取り出してボタンを外していく。チャコペンも用意して……と。

 ハンカチと似たデザインで……、と言ったけど、あのデザインをシャツの胸元に刺繍するのはバランスが悪い気がしてきたよ。どうしようかな。バラも花束にする、とか?

 あ、いいかも。


「リタくん、似たようなデザインって言いましたが、デザイン変えてもいいですか?」

「いいよー! 好きにやっちゃって!」

「ありがとうございます」

「むっふふ〜たのしみ〜」


 よし、許可も取れたのでバラの花束にしよう。白詰草は素のまま花束にしたけど、これは包装紙でラッピングしてある花束でデザインしようと思う。


 流石に一発描きは怖いからメモ機能で描いてからにしよう。色も決めて置かないと大変だしね……。刺繍じゃない生花での花束だったら同じ色の花束にしているけど、刺繍だと大変だから全部色を変えようと思う。

 

 何本の花束がいいかな……?


 ハンカチと同じ5本にしようかな。……今更だけど、バラって本数でも花言葉あったよね?

 5本はなんだろう……調べてみちゃおう。えぇっと、5本の花言葉は『あなたに出会えて本当によかった』『あなたに出会えた事の心からの喜び』だって。友達でも大丈夫な花言葉で良かった……、けど改めて考えると恥ずかしい。リタくん……みおちゃんに出会えて良かった、とは思ってるけどさ……。


 まぁいいや。大丈夫なことも分かったし5本でいこう!


 ……と、本数の花言葉は調べておいて、色の花言葉は無視する。だって……色は見た目のバランスが大事だからさ、仕方ないよね…。


 メモ機能に5つのバラを描いて、すぐ下にラッピングを描く。バラは、上から一段目がバラ2つで、二段目がバラ3つの合計5つだ。

 色は……、赤、ピンク、オレンジ、黄色、黄緑、の5色にしようかな。色の配置が悩む。


 赤と黄緑が隣合わせだと色が喧嘩してるように感じるから、赤色と黄緑は二段目の端と端にする。その真ん中は……オレンジかな! それで、上の段の左が黄色で、右はピンク。うん、可愛い!

 ラッピングの色は……薄いピンクにしよう。リボンは赤色です。可愛く描けました。


 よし、それでは布にチャコペンで下描きを…………、と思って手を止める。この場に渡す人がいるなら、デザインが気に入るか聞いて見たほうがいいと思う。


「リタくん、こんな感じのデザインどうですか?」


 メモ機能のウィンドウをリタくんが見えやすい位置に移動させて聞く。


「おぉ! かわいいー! ネイビーってば天才!」

「ありがとうございます」


 良かった!


「それじゃあ、この刺繍していきますね」

「楽しみにしてる!」


 チャコペンでシャツの胸元に下描きをして、描き終わったら刺繍枠をはめていく。それじゃあちくちくしていきましょうー!

 

 始めるのは真ん中のオレンジからかな?

 

 ちくちく。

 うーん、ステータスって偉大。あと、隠しステータス? スキル? 的なのありそう。一度作った物は得意になる、みたいなやつ。

 

 あんなに難しかったバラの刺繍がサクサク進む。


 もう4つ終えて、あとは1つだけです。最後の1つは黄色。ちくちく。無心で進めること数分、できた!

 あとは、ラッピングの部分だけ。糸の向きを縦で刺し進めていくか、横で刺し進めていくか悩んだんだけど、横の方が巻いてる感が出る気がして横で刺していくことにした。

 これは特に難しいことはないので、ひたすら刺していくだけ。細かい調整もなくひたすら刺せるのは楽しい。どんどん布が色付いていくから、もっと色付かせたいと手が速くなっていく。

 ラッピングも終えて、最後にリボンを刺繍していく。赤色の可愛いリボンだ。ちくちく。


 うーんかわいい!


「できたー!」

「おめでとうございます!」

「お疲れ〜!」

「ネイビーくん凄かったね、見えないほど手が速かった!」


 ぱちぱち、と拍手をしてくれたヨツバくんを真似て、他のみんなも拍手をしてくれる。うぅ、恥ずかしい。


「……ありがとうございます」


 照れくさいや。でもお礼はちゃんと言わなきゃ、ね。

 よし、早速リタくんにシャツを譲渡しよう。


「リタくん、お納めください」

「ははーありがとうございます。……なんちゃって! ……早速着てみるね!」


 送った瞬間、すぐに着替えてくれるリタくん。綺麗系な可愛い美少年にバラの花束ってよく似合うなぁ。


「どう? どう!?」

「リタくんちょうかわいいー!」

「やったぁー!」


 キャッキャッとプラムさんとしていて、可愛い。癒やし空間。


「ネイビーありがとうね!」

「こちらこそ、喜んでもらえて嬉しいです」


 ──それじゃあ、次はヨツバくんのワンピースです。


「ヨツバくん、ワンピースを預かってもいいですか?」

「はい! えぇっと、旅人のシャツと旅人のズボンに装備を付け直して、と……。出来ました!」


 差し出された水のゆらめきのワンピースを受け取る。ここの胸元に白詰草の花束を刺繍する……。うん、絶対可愛い。

 白詰草の花束のデザインは、一度作ったから図案登録されているから、転写するだけでいい。それで、一緒に転写されたクローバーなどの余分な物は消して……と。そうして白詰草の花束だけにする。


「…………ま、待って、待って! ネイビー、僕のシャツの効果は気にならないの!? それに、僕、お金払ってないよ!」

「あ」

「あはは……ネイビーさん通常運転ですね」


 ヨツバくんに笑われてしまった。

 

「もうっ。お待ちかねの効果発表タイムだよ〜。ネイビーは待ってなかっただろうけど!

 それで〜『防御+6』と『魅力アップ』でした! なんと、お洋服にまで魅力アップ付いちゃいました〜!」

「おめでとうございます」

「おめでとう〜! ……というか、ネイビーくん特殊効果めっちゃ付くね。『串刺し』持ちの生産職も同じくらいの頻度で付いていて秘匿しているのか、ネイビーくんが特殊なのか……」

「…………皆さん秘匿してるのでは?」


 私だけ特別、ってこともなくない? たまたま運が良かったとか、あとは──。


「このモチーフを刺繍したら必ず付く、とかどうですか?」

「あーなるほど」

「確かに……。『串刺し』持ちにバラ刺繍してもらって確かめてもらいたい……。あ、でも『魅力アップ』も秘匿する?」

「どっちでもいいです」

「僕もどっちでもいいよ!」

「じゃあ、ワーチャで言ってみるね〜。文面はどうしようかな? うーんと……、バラの刺繍をしたら魅力アップが付いたって情報をフレンドさんから貰ったんだけど誰でも再現できるのかどうか刺繍出来る方は試してみてほしい、で良いかな?」

「良いと思います」

「何人が試してくれるか楽しみだね〜」

「ね! ログアウトしたら掲示板にも書き込んでおくね」

「ありがとうございます」


 

 それじゃあ今度こそヨツバくんのワンピースに刺繍です。刺繍枠をはめたら、黄緑がかった白色の刺繍糸を糸通し機能で針に通して、構える。


 いざ……!


 2回目……いや、ハンカチの2つの角に同じデザインを刺繍したから、3回目になるね。3回目にもなると、刺すのが難しいというよりも刺すのを楽しむ余裕がでてくる。前回こうやったら可愛くできたよね、とか思い出しながら、ちくちくとしていく。


 楽しい。ハンカチとは違って、水色だけど、白詰草の白色って水色にも映えてめちゃくちゃ可愛いし、白詰草のことしか考えられない。ワンピースにお花って可愛いなぁ。


 私は、楽しくてあっという間に刺繍し終えた。


  

 〈裁縫レベルが16に上がりました〉

 

「できたー!」

「おめでとうございます!」

「……お疲れ様ー」

「……私、ネイビーくんが特殊説高い気がしてきたよ」

「わかるぅ」

「えっ」


 何故…………?

 ヨツバくんも明言はしてないけど、「あはは……」と誤魔化すように笑っている。えっ、ど、どうしたの……?


「あのねネイビー、困惑してるみたいだけどね、こっちもびっくりしたんだよ? ネイビーってば…………刺繍始めたら、こっちの話ガン無視でさ! 僕、お金払ってないんだってば! 流石にお金払ってない物を着てるのは気不味くって着替えちゃった」

「あ、あー…………」


 ほ、ほんとだ! リタくん旅人のシャツに戻ってる!


「ごめんなさい」

「いいんだよー、早くお金払わせてね。僕も受け取っちゃったけど一度返すね。露店で値段確認してきてほしい」

「分かりました」

「あの、僕のワンピースもいくらか確認お願いします!」

「分かりまし…………、いえ、このワンピース、お礼で渡したものですよね?!」


 これ、トゥエに連れて行ってもらったお礼で渡したやつなのに。刺繍したくらいでお金はもらえないよ。


「いえ、僕も6倍で払います」

「でも……」

「ネイビー、ヨツバくんもお金には困ってないだろうし、もらっちゃえば? それか、前との差額分だけもらうとか?」

「…………確認してないので分かりません」

「あちゃー、駄目だよネイビー。ちゃんと値段はメモっておかないと」

「……すみません」

「ネイビーくん、私ももらえるものはもらうべきだと思うな!」


 リタくんだけじゃなくプラムさんにまでそう言われてしまって、悩む。悩みながらヨツバくんの顔を見たら、満足げに勝ち誇った顔をしていた。うぅ……かわいい。


「じゃあ、ヨツバくんからもいただきます」


 負けちゃったけど、可愛い顔をしたヨツバくんが見れて幸せです。


 では、露店でお値段確認してこようー!


 


 

いつもお読みくださりありがとうございます。

ブクマ、評価、いいね、感想、誤字報告ありがとうございます!

祝☆5000ポイント超え!しました!皆様のおかげです。めちゃくちゃ嬉しくめちゃくちゃ励みになります。

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