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VRMMOの世界で怖いお兄さんをしています〜本当はVRでお茶会エンジョイしたかっただけなのに〜  作者: 春咲 イブキ
第2章

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第26話 フレンド全員集合

 

「……あ! ね、ネイビーだけじゃなかったんだっ、ごめんなさい、他に人がいると思わなくって……」


 リタくんは、パッと両手を合わせて頭を下げる。

 

「リタくん……。えぇっと、プラムさんすみません」

「大丈夫だよ! ちょっとだけ、びっくりしたけどねー!」


 そう言ってプラムさんはお茶目に片目を閉じてウインクをしてくれる。


「それで、エルフショタがリタさん……で、後ろの美少女エルフがヨツバさん……かな?」

「合ってます」

「おっけい。私はプラムだよーよろしくね!」


 状況把握が早い。パッと手を差し出して握手を求めてるのまで凄いコミュニケーション能力だ。

 

「おぉ〜、プラムさん! ……ってワーチャで何度も見掛けたことあるー! 何度も見掛けすぎて勝手に知り合い気分になってるよ。……あ、僕はリタだよ、気軽に呼び捨てでもなんでもしてほしいなっ」

「じゃあリタくんねー。私はくんちゃん付けって決めてるだけだから呼び捨て大丈夫だよ! あと、ネイビーくんのフレンドなら私もフレンドになりたいなー! ……えへ、もう申請送っちゃったけどね」

「はや。……承認したよ。これからよろしくねプラム!」


 可愛いもふもふふわふわ猫ちゃんと、美少年エルフがキャッキャッと自己紹介をして、手を取り合っている。ほのぼの癒やし空間…………に入れない者が二人。


「……あの、ネイビーさん…………」


 助けて、って顔に書いてあるヨツバくんが傍にきて服の裾を引く。分かる、分かるよ……。二人のテンポ感についていけないよね。


「リタさんもプラムさんもコミュ力高くないですか……」

「そう、ですね……」


 でも、初対面の人にヘアセットを頼んだヨツバくんもコミュニケーション能力高いと私は思うな……。そんなことをコソコソ話していたら、リタくんとプラムさんが同時にこちらを向く。


「それで、ヨツバさん」

「ヒッ、……な、んですか?」

「私、ヨツバさんともフレンドになりたいな。申請送ってもいい?」

「あ、僕も僕も! こないだはヨツバさんとフレになる前に離脱したの後悔してたんだよねー」

「……大丈夫、です。僕もフレンドになりたいです」


 私の服の裾を掴んだままフレンド申請の承認をしているヨツバくんは、まるでどこかから借りてきた猫のようだ。

 

「それでさ、──ヨツバさんはヨツバちゃんなの? ヨツバくん、なの?」

「ぇあ……」


 プラムさんの無邪気な質問がヨツバくんを襲う。ヨツバくんは唸りながら、視線を左に向けたり右に向けたりと落ち着かない。

 

「うぇ、ぇ…………。ど、うしよう……。ぅんん、……よ、ヨツバくんで、お願いしますっ! ……ネイビーさんのフレンドさんに対しては諦めました」


 ……なんか、ごめん。


「分かった、ヨツバくんだね! ヨツバくんはとってもかわいいね」


 そう言ってにっこりと笑うプラムさんと、真っ赤に顔を染めるヨツバくん。……プラムさんの言葉に私も同意です。ヨツバくんはとってもかわいい。


「え、じゃあ、僕もヨツバくんって呼んでいい?」

「……良いです」


 納得いきません、って顔してるよヨツバくん。私の呼び方のせいでごめんね……。でも、この先もずっとヨツバくんって呼び続けると思うけど許してね……。


「えぇっと、取り敢えずお茶でも淹れますね。……あ、リタくんは椅子持ってますか? ……というか、長時間大丈夫ですか?」

「だいじょーぶ! 今日は23時まで自由時間! なので僕もお茶ください」

「分かりました」


 リタくんが持ち物から椅子を取り出して座るのを見て良かった、と思いながらキッチンに向かう。……だけど辿り着いてから、23時まで遊ぶ予定のリタくんの睡眠時間を心配した。私よりも家から会社までの距離も遠かったはずなのに大丈夫なのかな……でも、大人だし自己責任だよね。


 そう思いながら、お茶──アップルティーの準備をしていく。そろそろ茶葉が無くなりそうだし、種類も増やしたいなぁ。

 それにしても、突然の4人でのお茶会である。ドキドキワクワク嬉しいな。

 

 ……少しだけ置いてきちゃったヨツバくんのことが心配になったけど、二人の声だけじゃなくヨツバくんの明るい声も聞こえるから心配はないだろう。あぁ……良かった。

 このままキッチンで蒸らしまで終わらせてしまおう。


 蒸らしも終わったしティーカップに注ごう。……テーブルで淹れるべきなのか、淹れてから持っていくべきなのか分からない私です。……まぁ運ぶときに溢しそうなので、テーブルで淹れるんだけどね……。


 〈料理レベルが2に上がりました〉


 お、ぉ? そう言えば、一切使っていないけど、料理スキル取ってたね。紅茶淹れるだけで経験値が蓄積されてレベルが上がったんだ。……紅茶だけ淹れ続けるのは詰まらない、と思ったのに、紅茶しか淹れてないよ私。

 もうすぐイベント──花祭りだし、バラジャム作りたい。バラを育てよう。……だけど、どの位置で育てたらオシャレな庭になるものか…………うぅ、考えすぎて、何も出来ない状態になってしまう……。

 何も考えずにジャングルみたいになっても良いから育てまくりたくなる……。


「ネイビーさん、どうしました……?」

「あ、すみません。料理スキルが上がったので気を取られてました。……紅茶どうぞです。お菓子も出しますね」

「ありがとうございます!」

「ありがとう〜。ネイビーくんって料理スキルも取ってるんだ」

「ありがと! 料理スキル取ってるのびっくり。……でもネイビーのことだから生産系しか取ってなかったりして」

「…………」


 私は目を逸らした。

 

「え、図星!?」


 スキル……スキルね……。『洗浄魔法』は抜くとして──。


「──『裁縫』『料理』『夜目』しか取ってません」

「エッ!?」


 私が告げた言葉に一番驚いたのはヨツバくんだった。


「スキルポイント余ってませんか!?」

「余ってますね」

「と、らないんですか……!?」

「これから栽培とか取ろうと思ってますよ」

「……結局生産ですね!?」

「そう、ですね……」


 確かに、生産である。……戦闘がほぼヨツバくんとのパワーレベリングで、武器スキルの必要性がなかったのもある。武器スキルを取れば、武器スキル特有の技を覚えたり、その武器種装備で攻撃力アップだとかするらしいんだけどね。

 

「ネイビーくんは、戦闘には興味ないの?」

「ありますよ。戦うのは下手ですが嫌いじゃないです」

「そうなんだぁ……でも、武器スキルは持っていない、と」

「はい……」

「……でもプラム、こう言っておいてネイビーってば戦闘になると物騒なんだよ〜。片手剣ぶっ刺して杖でぶっ叩いたり、とかね! まぁ『串刺し』初取得者が物騒じゃないわけないもんね〜」

「──『串刺し』初取得者……? えっ、え、それはヨツバくんじゃ……!? えっネイビーくんだったの!?」

「………………。そうです」

「……そっかぁ…………。うむむ、ヨツバくんとネイビーくんがお友達な時点で予測しておくべきだったのかな? しかも、確かにヨツバくんはワーチャで『裁縫』にも効くって言ってたし……、さっきネイビーくんが『串刺し』の報告をしてた子といった時点で予測できてたものなのかも…………」

「ふ、普通、予測できないと思います」


 たぶん。


「はぁ〜……あの再現が難しい取得方法がネイビーくんとヨツバくんによるものだったなんて、びっくり……」


 プラムさんはため息を付いて、アップルティーをゆっくりこくりこくりと飲んでいる。

 ……結局、『串刺し』初取得者なのも、あの取得エピソードが私だってのも、全部バレちゃった……。


「……うーん、武器スキル一つは持っておいたほうが良いんじゃない? ……って思うけど、それと同時に武器スキル一つもなし、って余りいないと思うから面白い職業出そうだしそのまま突き進んで欲しいなぁって気持ちもある……」

「わかるぅ。ここまで来たならネイビーには武器スキルなしでいて欲しい!」

「……僕も武器スキルなしが良いんじゃないかなって思いますね。悪魔認定されてる場合、武器スキルなどの戦闘系スキルが多いほど悪意に晒されるそうなので……ない方が住民と仲良くできると思いますし……」

 

「なるほど……」


 みんなにそう言われるとこのまま武器スキルなくてもいいかな、って思っちゃう。今でも困ってないし……。もし、武器スキルを取ったせいで、果物屋さんやティーポットなどを買った『ティー』、それにトゥエの布屋さんとかで冷たくされるようになったら泣いちゃうかもしれない……。

 うん、決めた。


「詰むまでは、武器スキルなしで遊んでいこうと思います」


 そう宣言したら、みんな賛成してくれた。

 

 ……最初は『ネイビーくん』に大剣持たせてあげたかったんだけど、スキル取っても持たせてあげるだけで、使いこなせるとは思わないから困らないしなぁ……。自分で言ってて悲しくなる。



「──あ!」

「リタくん?」

「ネイビー、僕に渡したいものってなに? つい忘れちゃってたけど、僕そのために来たんだった」


 ……忘れてた。リタくんの言葉に、ハンカチを渡したかったことを思い出した。


 


 

 

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