第20話 プラムさんとのお茶会2
「こちら、アップルティーです。…………って、あの、今更なんですが、アップルティー大丈夫ですか?」
「大丈夫! 大好きだよー!」
「良かったです」
本当に良かった……。苦手なものがないかとか、何が好きかとかちゃんと事前に確認しないといけなかったよね。次は気を付けないと。
「お好みで、お砂糖とミルクも使ってくださいね」
「ありがとう!」
あ、プラムさんって……ケーキ好きかな?
「ケーキもあるんですが、どうですか? ……イチゴのショートケーキ、キャラメルケーキ、ベイクドチーズケーキ、レアチーズケーキ、……あとシフォンケーキがあります」
「わぁ、素敵……! そしたらねー、……キャラメルケーキが食べたいなあっ」
「分かりました。……どうぞ」
「ありがとう〜!」
私はシフォンケーキにしよう。このケーキ、お皿とフォーク付きだから便利なんだよね。……まぁ食べ終わったら、お皿とフォークまで消えちゃうのは勿体ないなぁと思うけど。
プラムさんは、器用に猫ちゃんのおててでフォークを持ってケーキを口に運んでいる。美味しいと呟きながら、幸せそうに食べていて見てるこちらまで幸せを感じる。
そして、これまた器用にティーカップの持ち手を持って紅茶を飲んでいる。
「紅茶も良い香りだね。…………ん、美味しい! 少しだけりんごの味がするね」
「良かったです」
「…………よく見たらポットとカップもりんご柄で、紅茶とセットだー! オシャレ!」
「ありがとうございます」
自慢のティーポットとティーカップです。
「これも、プラムさんが夕顔通りに売ってるって教えてくれたおかげです」
「あー! そんなこともあったね! ……そう言えば、それのお礼でお茶会お願いしたんだっけ」
「そうですよ。一緒にお茶会できて嬉しいです」
「私もだよ!」
にこっと笑顔を浮かべてくれるから、私も笑顔を返す。
…………ねぇもしかして、プレゼントのハンカチ渡すの良いタイミングじゃない!?
「あの。……こちら日頃お世話になっているお礼です。アクセサリー枠のハンカチなんですが、もし良ければ使ってください。恐らく、イベント特効にもなると思うので、ぜひ」
「えっ! わ、『プラムのハンカチ』だって! わぁーー嬉しいっ、私専用って感じだねっ!」
「はい、お名前から作らせてもらいました」
「私、プラム大好きなのっ。すっごく嬉しい!!」
「良かったです。…………ただ、効果が『魔力+4』なんですよね」
「わぁ魔力!」
中々使いにくい効果で申し訳ない。
「う〜ん、……ネイビーくんだから話しちゃおうかな!」
「?」
「あのね、──実は私、魔法使えるの!」
「えっ」
えっっ!? 魔法を秘匿してたら、魔法秘匿してる人に出会っちゃったし、打ち明けられちゃった!?
「ふふ、秘密だよ?」
「……は、い……。秘密にします」
…………私も「プラムさんだから……」って『洗浄魔法』について話したくなっちゃうけど、これはヨツバくんとの秘密だからね。勝手には話せない。……話せないのに、人の秘密を詳しく聞いてもいいのかな? どんな魔法か気になっちゃうよ……。
「あの、どんな魔法か聞いても大丈夫ですか……?」
「いーよぉ!」
にやっと悪戯っ子な顔をしたプラムさんが教えてくれる。
「あのね、『天気予報魔法』っていうんだけど、その名前の通り天気予報が出来る魔法なんだ。……と、言っても、今のところ晴れ予報しかでてこないし実際晴れてるんだけどね。でも、面白くない?」
「面白いですね……」
「この魔法ね、猫ちゃんを……。あ、動物の方の猫ちゃんね! 木から降りられなくなって困ってる猫ちゃんがいて、助けてあげたら教えてくれたんだ!」
「猫ちゃんが……猫ちゃんを助ける……? 可愛いがすぎる…………」
なんて、尊い空間なのかな?
それにしても、猫なのに木から降りられなくなるなんて可愛過ぎる。かわいいなぁ〜。
「コホン……。どうやって助けたんですか?」
「それはもう木を登って! だよ!!
獣人だからなのか、ステータスのおかげなのか分からないけど大変じゃなかったよー! ……えへ木に登るなんて初めてしちゃった」
「凄いですね! 怪我がなくて良かったです」
……と、言うか、猫に教えてもらった……?
ど、どうやって……?
「その、猫に教えてもらったんですか……?」
「うん! 猫獣人は猫ちゃんと喋れるからね!」
「えっ。……そうなんですか?」
「ネイビーくん知らなかった?」
こてんと、プラムさんが首を傾げる。……とっても可愛い仕草に、写真が撮りたくなった。今は、そんなこと考えてる場合じゃないというのに。
首の角度を戻したプラムさんが言う。
「あのねー、犬獣人だったら犬と喋れるし、兎獣人なら兎と喋れる……って感じになってるみたいだよー! 素敵だよね!」
「素敵ですね……少し羨ましいです。俺も、動物と話したいです」
「ふっふっふっ……、いーでしょー! 自慢だよ! …………でも……、このゲーム自由度高いから探せば動物と話せるスキルとかもあると思うんだよね」
「! 確かに……。頑張って探します」
「見付けたら教えてね! 私も教えるからっ」
「分かりました」
動物と話せるスキル、なんてロマンしかない。欲しいなぁ……。あ、動物と話せるようになったらラビとも話せるのかな? ラビはモンスターだから、駄目なのかなぁ。話したいなぁ。
「因みに秘匿理由は、持っていたらイベントで有利になるかもっ、……しれないかもっ、しれないからです! 使い道があるとは思えないんだけど、一応ね。イベントに関係なかったら情報出しちゃおう〜って思ってる。
それで、魔力上げたら出てくる天気予報の情報が増えたり……とかないかなぁ? って想像してるから魔力上昇は助かります」
「なるほど……。なら良かったです」
「こちらこそありがとうね! ──それに、こんな素敵なハンカチだもの……。効果関係なく大事にするからねー!」
「ありがとうございます」
嬉しいなぁ。すっごく嬉しい。頑張って作ったもんなぁ……。嬉しくて、でも照れくさくって、私はそれを誤魔化すように、アップルティーを飲んだ。ほっと落ち着く美味しさだ。
……だけど、プラムさんがにこにこ私を見ていて、まるで見守られているようで更に気恥ずかしかった。
「あ! ネイビーくんに聞きたいことあったんだった」
「なんですか?」
「──お花育てるのって、興味ある??」
「……あり、ますね。お庭をオシャレにしてガーデンパーティとかしたいです」
「わぁっ素敵、いいねっいいね! そんな、ネイビーくんにはこちらをどうぞ」
「えっ」
えっと……なになに……?
いきなり譲渡されたのは、20種類の花の種がずらりと、『初めての園芸道具』という道具だった。
「そんな、もらえないですよ」
「いやいや、ネイビーくんにはもらってもらわないと! そうしないとゴミになっちゃうからね。
…………ちゃんと説明するとね、住民クエストクリアしてたら花の種がいっぱい手に入っちゃってね、困ってたら最終的には園芸道具までもらっちゃってさ……。
私、本格的な園芸はやる気がないからさー、これらを押し付けられる人を探してたんだ!」
押し付けられる人、かぁ……。買ったものってわけでもなさそうだし、ならもらってもいいかな?
「その、住民さんもプラムさんに園芸をして欲しくて渡したのでは?」
「う〜ん、そうかもしれないけど……、でも私、やりたくないことはやらないって決めてるの! ゲームでくらいは、ね。それに、現実でも植物の世話できたことないもん。だから無理だと思う!」
プラムさんはドヤ顔していた。そっか……。
「えぇっと。それじゃあありがたく頂きますね」
「うん! お礼はお花が咲いたら、ガーデンパーティに誘ってほしいな」
「分かりました。頑張って育てますね」
「──因みに、ワーチャと掲示板に出没する園芸勢、ほぼいないから情報は少ないよ」
「えっ」
ま、マジかぁ……。
活動報告に、ティーポットやティーカップなどのお茶会セットのイメージ画と、刺繍ハンカチ(プラムとクローバー)のイメージ画を載せましたので、気になる方は見て下さい。
自分のイメージを壊したくない方は、見ないようにお気を付けください。




