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VRMMOの世界で怖いお兄さんをしています〜本当はVRでお茶会エンジョイしたかっただけなのに〜  作者: 春咲 イブキ
第2章

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第19話 プラムさんとのお茶会開始

今日はギリ12時台に滑り込みセーフ。


「凄かった……」


 ほんと、凄かった。『製作』は、椿の刺繍を終えて、裁断と三つ折り縫いが終わるまで続いた。そうして、すっかり瓜二つな同じものが完成したところで、やっと私は体の自由を取り戻せた。


 …………えぇ、20レベルは『複数製作』らしいけど、一体どんなことが起こるんだろう。ちょっと怖いなぁ。


 なんて考えていたら、ピピッ、と5時を告げるアラームがなった。裁縫は終わりだ。じゃあ睡眠を6時まで……はぴったりすぎるね。5時45分までにしよう。

 セットをかけたら完了! おやすみなさい。


 ふふ、寝て起きたら、プラムさんとのお茶会だー!



 ◇ ◇ ◇



 ピピッ。

 音と共にぱっちり目を開ける。45分だけだけど少しは疲れが取れたかな? 仕事もしてきたし、お昼寝も……ってお昼寝の時間ではないから、お夕寝?も大事だよね。


 って、ヨツバくんからメッセージきてる。

 

『今なにしてますか?』


 わぁ……多分一緒に遊ぼうっていうお誘いだろうなぁ。いつもだったら遊ぼ遊ぼ、って思うしありがたいんだけど、今日は無理だから無理ですって送ろう。


『睡眠してました。これからフレンドと遊ぶので、今日は無理です。また次回お願いします』

『わかりました! 楽しんでください!』

『ありがとうございます』


 ヨツバくんも早い返信だよね。ログイン中はすぐに返ってくる。それに、楽しんでくださいって言ってくれるなんていい子だなぁ。

 


 よし、それじゃあお茶会の準備をしていこう。

 プラムさんとのお茶会では違うテーブルクロスにしようかな。今までは正方形で端にレースが縫い付けてあるものにしてたんだけど、これってヨツバくんとお茶会をしたときにセットしたままなんだよね。


 なので、もう1種類作ってある円形の方に変えようと思う。こちらの方が、可愛さ控えめで落ち着いた大人っぽさがあるから、プラムさんに似合う気がする。プラムさんってお姉さん感あるし、猫ちゃんな時点で可愛いから、家具は大人っぽいオシャレな物が似合うと思うんだよね。


 椅子は……ヨツバくんのに座ってもらえばいいか。ずっとここにおいてあるけど、ヨツバくん自分のマイルームで困らないのかな? 私は助かるけど……。


 次は、ケーキスタンドの準備を行う。お菓子を並べる前に一応『洗浄魔法』をかけた。もちろん自分の両手にも。これで綺麗になったはず。

 お菓子の正しい置き方分からないなぁ……、というか、お茶会用の正しい食べ物も用意してないから考えたところで無駄なんだけどね……。それにケーキスタンドと言いながら乗せるケーキないし……持ってるものはお皿付きだから、わざわざ乗せ換えるのもなぁ。

 うん……オシャレさ重視にしよう。

 

 一番上にイチゴを置いて、二段目にブドウとマスカット。ブドウとマスカットはちゃんと房から実を取り外して飾り付けた。そして、三段目にクッキー5種類セットを盛る。取り皿も置いておく。

 

 うん、いい感じ!


 ティーポットとティーカップを持ち物から取り出して、キッチンに置いておく。そして、『洗浄魔法』もかけておくよ。……最初はプラムさんが来てから、と思ったんだけど魔法がバレちゃうことに気が付いて、先にしておくことにした。数少ないフレンドだから教えたくなっちゃうけど、これはヨツバくんとの約束だからね。


 よし、これで準備は完了…………じゃないや。

 シュガーポットとミルクピッチャーの準備もしないと! シュガーポットにお砂糖をいれて──お砂糖は角砂糖だった──、ミルクピッチャーにもミルクを注いでおく。両方ともテーブルにセットして、と。

 シュガートングは、シュガーポットのフタ部分に付属されているから、出し忘れる心配もない。

 

 今度こそ準備完了。あとはプラムさんを待つだけ……って、もう5時59分になってた! 危ない危ない。どきどきしながら待つこと数十秒、6時になった瞬間にメッセージが届いた。


『やっほ〜ネイビーくん! マイルームに飛んでも大丈夫?』

『大丈夫です』

『ありがとう! 今行くね〜!』

『お待ちしています』


 すぐ来るだろうからと扉に向かえば、やっぱり向かってる途中でコンコンとノックの音がした。早足に向かう。

 ガチャリと開ければ、今日ももふもふふわふわで可愛い猫ちゃんがいた。プラムさんだ。


「おはようー!」

「おはようございます」

「……あ、現実だとこんばんはだったね。おはこんばんはかな?」


 ふふ。


「おはこんばんは、です。……お部屋にどうぞ」

「ネイビーくんもノリいいね! お邪魔しまぁす」


 そう言って、プラムさんが家の中に入ってくる。……家の中におっきな猫ちゃんがいる……。こんな幸せなことがあっていいの……?


「……あ、忘れてた! これどうぞ〜お招きのお礼です!」


 パッとこちらをみたプラムさんから譲渡で届いたのは──タルトだった。ホールじゃなくて、既に切られている物が6個。タルトも売ってるんだ……!


「ありがとうございます! 美味しそうですね」

「いえいえ〜味は保証するよっ!」


 タルト楽しみ。そんなことを話している内に、テーブルに辿り着いた。

  

「わぁっかわいいね! ケーキスタンドすっごく可愛いし、美味しそう……。それに、もしかしてだけど、テーブルクロスって手作り?」

「そうです」

「すごいね。とってもオシャレ!」

「ありがとうございます」


 早速褒められちゃった。えーっと、次は紅茶を淹れる……前に、椅子に座ってもらわないと。


「こちらにどうぞ」


 椅子を引いて、プラムさんに席を勧める。


「ありがとう! ネイビーくんの容姿も相まって、椅子を引いてもらうとドキドキしちゃう。お姫様にでもなった気分」

「猫ちゃんのお姫様なら大歓迎です」

「あは、ネイビーくんほんっと猫ちゃん大好きだね〜」

「はい。……えっと、俺は紅茶を淹れてきますね。待つ間、お菓子でも召し上がっててください」

「ありがと〜」


 キッチンに行って紅茶の準備をする。……初めての時よりは慣れたけど、お茶会をちゃんと開催したときに淹れる、っていうのは普段淹れるのより緊張する。手順を間違えないように、良く確認しながら淹れていく。

 あとは蒸らすだけ、ってところまでいったときには深いため息が漏れていた。……ほっとしてないで、3分タイマーつけないと。


 3分待つ間に、ティーポットとティーカップをテーブルに移しておこう。


「できたの?」

「3分蒸らし待ちです」

「なるほど! そんなに蒸らすんだ。…………恥ずかしいんだけど、私、紅茶はペットボトルの出来たものくらいしか飲んだことないんだよね」

「分かります。楽ですし美味しいですよね」

「ね! …………あ、クッキーもフルーツもいただいたんだけど、どれも美味しいね! 美味しくて、早速いっぱい食べちゃった」

「良かったです。追加もできますので、どんどん食べてくださいね」

「ありがとう〜!」


 私も、取り皿にクッキーとフルーツをのせていく。……そういえば、今日ログインしてから何も食べてなかったなぁ……と思って満腹度を確認したら、結構やばめだった。わぁ、危ない……。食べておこう。

 

「お茶会に招待なんて初めてだから嬉しいなぁ」

「他のゲームとかでもないんですか?」

「う〜ん……。食事アイテム持ちより会、みたいなお茶会もどき? ならあるかな。でも、こんな本格的なのは初めて! ……マナーとか分かんないけど大丈夫?」

「大丈夫です。その、恥ずかしいですが俺もわかりません。お菓子の盛り付け方もマナー通りじゃないですし、楽しく、を大事にやりたいです」

「いいね! 楽しく、なら得意だよー!」


 にこっと、しながらイチゴを食べる姿が可愛い。

 ……と、会話と食事を楽しんでいたら3分経っていた。


「3分経ったので紅茶淹れますね」

「何か手伝うことある?」

「大丈夫です」


 慎重に、茶こしを使いながら紅茶を注いでいく。こぼさないように、ゆっくり……ゆっくり…………。ふぅ、できたー!

 少しだけ思っちゃうんだけど、この紅茶の淹れ方本格的ではあるものの、毎回茶こしでこしながら淹れるの面倒……って思っちゃうよね。ティーパックの偉大さを感じる。まぁでも、こんな本格的なことをするのってゲームだけだからね、楽しんじゃおう!



 …………えっまって。

 茶こしを持ち物にしまいながら思ったんだけど……、そう言えば、茶こし洗ったことないな!?


 茶ガラは一体どこに、もしかして持ち物に……? と視線操作で持ち物を確認したら茶ガラが複数入っていた。持ち物にしまえば自動で綺麗になる便利仕様なの……? すっご…………。


 えぇっと、今まで紅茶を出したみんなへ。

 洗ったこともなく『洗浄魔法』を使ったこともない茶こしでお茶を出してごめんなさい。


 げ、ゲームだから大丈夫、なはずっ……!

 ちゃんと綺麗になってるし……!!!


 …………他のものは、ちゃんと『洗浄魔法』かけてたのに、私のばか……。





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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます!!! いつ読んでもこのゲームのおやすみルール?良いなと思います、タイマーセットしたら確実にその時間に起きれるのリアルにも欲しい!! プラムさんをモフモフしたです!続き楽しみに…
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