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VRMMOの世界で怖いお兄さんをしています〜本当はVRでお茶会エンジョイしたかっただけなのに〜  作者: 春咲 イブキ
第2章

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第14話 クローバーの刺繍

更新再開!お待たせしました!

今日は、普段(約3000文字)より倍(6000超え)の長さです!


 刺繍をします!

 今は、一息つくために紅茶を淹れていたところ。何度飲んでもこのアップルティーは美味しいね!

 それで、時間を確認したらまだ2時間しか経っていなかったから、遊べる時間はまだまだ6時間もある。やったね!


 もちろん、ヨツバくんとラビも一緒です。


 私としてはつまらなくないかなぁと心配なんだけど、楽しいらしいので見ていってもらいます。……これから作るのは、ヨツバくんに渡すクローバーのハンカチなんだけどね。何故か、渡したい本人の目の前でばっか作ってる。


 それにしても、ちゃんとイベント特効にはなってるのかなあ?

 プラムのハンカチもそうだけど、ちゃんとイベント特効の花装備になってるかは、イベントが始まるまで分からないんだよね。……というか、「プラムの花」より「プラム」がメインだし花装備と言えるのか…………でも、お知らせを読む感じ花がちょっとでもあれば良さそうなんだよね。

 

 ヨツバくんへのハンカチも、「白詰草」より「クローバー」がメインになりそうだし……花より葉っぱがメインだけど許してください。


 と言っても、葉っぱメインかはまだわかんないよ!

 これからデザインするからね!



 メモ機能を開いて、付属のペンを構える。

 ハンカチの形は『プラムのハンカチ』と同じく正方形だ。布の色は何色にしようかなあ。


「あ、ボールペン型なんですね」

「はい。……ヨツバくんはどんなペンなんですか?」

「僕はこれです!」


 ヨツバくんがメモ機能を開いて、ペンを見せてくれる。それは透明でキラキラしていて青いグラデーションが綺麗な…………。


「ガラスペンですか?」

「そうです!」

「綺麗ですね」

「ありがとうございます!」


 ヨツバくんは自慢げだ。ふふん、って感じでとても可愛い。

 …………でも、ガラスペンってメモしやすいのかな?

 確か、この付属のペンって『使いやすい形状』になるんじゃなかったっけ。そんなに使い慣れているのかな?

 

「──あっ」

「えっ」


 ────ヨツバくんが自慢げに持っていたガラスペンが、しゅんっとボールペンに変わる。


「あぁ……結構頑張ったのに…………」

「…………ええっと?」

「うぅ……恥ずかしいです……。その、『ガラスペンが使いやすい』って自分を思い込ませることによって、変化させてたんです。聖女っぽい筆記具が持ちたかったので……、でも、気を抜くと戻っちゃうんですよね」


 聖女っぽい筆記具……!? 凄い拘りようだ。……私も、『ネイビーくん』らしい筆記具にしたほうが良かったかな? と言っても、『ネイビーくん』らしいものってなんだろう……何も浮かばない…………。うーんファンタジーらしく羽根ペンとか?

 ……それにしても、ヨツバくんも使いやすいペンはボールペンなんだ。お揃いだね。


「凄い努力ですね。考えたこともなかったです」

「えへへ……慣れるために現実でもガラスペン買いました!」

「…………凄いですね!?」


 ガチすぎる。


「ただ、FJOでガラスペンを使う程、現実で使うのがつらくなるんですよね……」

「……?」

「あの、ほら、FJOだと無限インクなので……。色も変えたい放題ですし。でも、現実のガラスペンって適宜インクを吸わせないといけないので辛いです」


 そこも楽しいんですけどね、と言いながらヨツバくんはしょぼんとしてる。


「…………なるほど。少し気持ちわかります。俺もFJOの裁縫になれたら現実じゃ楽しめないんじゃないかって不安です。型紙の転写や裁断が便利すぎるので……」

「ネイビーさんもそういうこと思ったりするんですね!」


 そんな話をしながら、ヨツバくんがまたペンをガラスペンに変えている。ふぅと、額の汗を拳で拭う姿は、少しわざとらしく演技じみていて、可愛い。

 

 ……見てたら私もペンを変化させたくなっちゃった。

 試してみよう。羽根ペン以外に良さそうな物が特に思い付かないので、羽根ペンに変えられるか試してみよう。羽根ペン……羽根ペン……出来るかな……。


 私の、使いやすいペンは、羽根ペン。うん、羽根ペン使いやすいよ、多分。オシャレだし。きっと使いやすい。


 うぅん……。羽根ペン……。


 

「……っできた!!」

「わぁ!?」


 持っていたボールペンが羽根ペンへと音もなく変化する。羽根ペンの見た目は、ネイビーからグリーンのグラデーションが美しい羽根に、銀のペン先がついています。『ネイビーくん』に似合いそうな物をよくイメージして、ひたすら「これが使いやすい!」と心の中で唱えまくった。


「羽根ペンですか! 格好良いですね」

「ありがとうございます。……って、あぁ……もう戻りました……」


 戻るのが早い! 頑張ったのに……。


「ドンマイです。僕も戻っちゃいました」

「……お揃いですね」

「! ですね!」


 ヨツバくんと仲良くボールペンを見せ合う。……よーく見れば、ボールペンと言ってもメーカーが違うようで、雰囲気は異なる。流石にメーカー名まで再現はされてないけど、ボールペンに詳しい人だったら、現実で愛用してるのが何かすぐバレちゃうんだろうな……。


 って、ついついペンに夢中になっちゃった。デザイン描かなきゃね! ……でも話してたのが良かったのか、良いデザインが浮かんできた。だから、無駄な時間じゃなかったと思う。


「じゃあデザイン描いていきます」

「楽しみです!」


 ふふふ、どんどん描いていくよ。

 ハンカチの布は……うん、『水のゆらめき』にしよう。色を『水のゆらめき』から吸い取って…………、うーん、グラデーションだから水色のところにするか青色のところにするか悩むね。白詰草が映えるデザインにしたいから……色が濃いほうが可愛いかな……?

 よし、青にしよう! ……場合によっては白詰草とクローバーを描き終えたあとに、もっと合う色に変えてもいいんだし、余り悩まず行こう。私は早く思い浮かんだデザインが描きたい。


 ……でもその前に、一応外部サイトも立ち上げて、白詰草の画像を出しておこう。あ、ウィンドウ2個出しとかもできるんだ。じゃあ、クローバーをアップした物も出しておこう。


「使いこなしてますね」

「ありがとうございます」


 …………ウィンドウに囲まれた姿って異様かな。でもしょうがないよね、うん。

 早く描きたいと気が急いているから、一番近くにあった白い刺繍糸から色を吸い取って、白詰草を描いていく。……わ、適当に選んじゃったけど、ほんのり黄緑がかった白色で完璧に白詰草の色じゃん。天才かな私。


 その色を使ってざかざか描いていく。勿論、ペンは羽根ペンではなくボールペン。やっぱりボールペンって使いやすいし書き心地が好き。…………次は茎の色を、と思ったけど今は色を選ぶよりも浮かんだデザインを忘れる前に描ききっちゃいたい。

 だから、このまま白色で全体図を描いちゃおう!


 …………よし、できた。どんどん描いていくこと数分、色はないけど可愛く描けた。

 

 じゃあ、色を付けていこう。……と思ったら、クリッピング機能まであった。本気でお絵描きアプリじゃんこれ。新規レイヤーを作成して、クリッピングを選択。こうすることによって、さっき描いた部分からはみ出さずに色を塗ることができる。メモ機能なのに便利すぎる〜!

 ……でも、人によっては機能が多すぎて不便かもしれない。まぁ私にはとても便利なので運営に大感謝しておこう!


 そうして、悩む色もあったけど無事に塗り終わった!

 

 描き上げたものをじっと見ているだけで勝手に口角が上がる。やっぱりめちゃくちゃかわいい。肝心のデザインは、──白詰草を花束にしてリボンで結んで、その花束の周りにクローバーを配置したもの。これなら、葉っぱより花がメインだしとてもいいと思う!

 クローバーの大きさと位置にはかなり悩んだ。あと、特別感出したくて、四つ葉のクローバーは一つにしたよ。そして、クローバーはリアル重視よりデザイン重視にして、深緑色と黄緑色の2種類で塗った。ポップで可愛い。

 悩んだのは花束を結ぶリボンなんだけど、色んな色に変えて吟味した結果、初期の白詰草色の白色リボンが可愛かったから白色にした。白って茎の緑にも映えるもんね!

 

 それと、ハンカチの色も青のままです。一応、『水のゆらめき』の水色の部分からも色を取ってみて試してみたんだけど、青の方が白詰草やクローバーと調和が取れていて可愛い気がしたので、青に決定しました!


 できたー! と、思って顔をあげたら、少し顔を赤くしてそわそわしてるような……落ち着かない雰囲気のヨツバくんがいた。


「ヨツバくん?」

「エッ、……あ、あの、……その、自惚れかもしれないんですけど、クローバーのデザイン……って僕へのプレゼントですか……!?」


 そういったヨツバくんはカーッと顔を真っ赤に染めて、俯いてしまった。……可愛い。


「そうです、ヨツバくんへのお礼に作ってます。……あ、ハンカチの色とか選びたかったですか?」

「いえっいえっ……! こんなに可愛い物が僕の物だなんて……! あ、勿論お金は払わせてください」

「…………さっき言っていたケーキ屋の紹介とラビの写真のお礼に作っているので、お金は受け取りません。あと先に言っておきますが、どんな効果がついたとしても、です」

「えぇ……困ります」

「存分に困ってください」


 ヨツバくんは、困っちゃうくらい私に貢がれていればいいんだよ。……まぁ全然貢がせてもらえないし、支払いもフレンド価格にさせてもらえないから、寧ろ貢がれているのは私なんだけどね。私の方が困ってしまう。


「むぅ……お金払いたいのに…………」


 あざといかな? でも。


「今回は駄目です、諦めてください」


 それにしても、喜んでもらえそうで良かった!

 これから刺繍をしていこう。……あ、布にチャコペンでデザインを写さないと刺繍に入れないや。まずハンカチの大きさを布に描いて……って、一度ハンカチ作ったから『型紙』に登録されてるや。『型紙』から転写して……、と言ってもただの正方形の線だけどね。

 場所は勿論『水のゆらめき』のグラデーションが濃い青の部分。ハンカチの正方形が出来たら、チャコペンでデザインをかきかきしていきましょう。


 ……よし描けた! やっと作業に入れるー!


 白色の部分からやろうかな。『糸通し』機能でほんのり黄緑がかった白い刺繍糸を針に通して、針を構える。

 いざ参らん……!


  

 ◇ ◇ ◇



 ヨツバくんのお話をBGMにしながら刺していく。プラムの時はガン無視してしまったけど、あの時よりは余裕があるようで半分くらいは頭に入ってくる。……それでも半分だけど。

 今は、ついに『旅人』から転職した人が現れたらしい、という話を教えてくれている。私も転職は気になっていたから耳を傾けて聞いている。


「その人はレベルが60になったらギルドで教えてもらえたらしくって…………、あ、しかも旅人は60までしか職業レベルが上げられないらしいんですよね。その人はカンストしたのもあって、転職が急務だとやっと転職の仕方を探し始めたらしくって、『もしかしたらもっと早く教えてもらえたかもしれない』とも言ってたらしいです。その、会話が面倒だったとかなんとか。…………なんというか最前線目指して、と言うよりレベル上げが大好きでこのままレベルが上がるなら転職しなくても良いくらい、だったらしいです」


 ほぇ~……って、60レベル!?

 私まだ18レベルだよ……。でも、日曜日にヨツバくんが30レベルに近かったから、戦闘しかしてない人達は火曜日の今日にはもっと上がってるものなのかな?


「60レベル良いですよねぇ……40レベルこえてから中々レベルが上がりにくいので、まだまだ遠い気がします。……あ、話が逸れました。それで、ギルドで話を聞くと今までなかった道が出現して教会に行けるようになったそうです。そうしたら教会の神官さんが道を示してくれて『旅芸人』『剣使い』『杖使い』『杖剣(じょうけん)使い』が選択肢に現れたそうです。そして、面白そうだからって『杖剣使い』を選んだら詰んだらしいです」

「……詰んだ?」

「はい。そもそも『杖剣』って武器自体が見付かってないのに、『杖剣』しか装備できない尖った職業だったらしくって…………。でも、ゲーム内で次の日になればまた転職が可能だったみたいでなんとかなったらしいです。それに、ちゃんと見たら装備可能武器種も書かれていたから愛用していた『片手剣』と『杖』が使える『旅芸人』に転職したそうです」


 なるほど…………。というか、色々びっくりでスルーしたけど、ヨツバくんも40レベこえてるんだね!? すごい。

 

「あと、レベルは1からになったらしくって、その人は大歓喜だったらしいです。またレベリングが楽しめる! って……。確かにレベルが上がるの楽しいですけどね。

 ──それでステータスですよ。ステータスはほぼ変わらないらしい…………んですけど、その人は転職前と転職後でスクショを取ってたわけじゃないので、『ほぼ変わんなかった気がする』って言っていたのを信じるしかない状況です」

「なるほど。……えっと転職楽しみですね」

「ですよね!」


 ──その後は、平日の昼間ログイン出来ないからどんどん置いていかれる、と嘆く愚痴が始まったので聞き流しながら作業に集中した。気持ちはわかる。毎日一日中遊べるの羨ましいよね。

 ヨツバくんは、ゲーム内は現実より時間の流れが早いからワールドチャットは追いきれないし、有志がまとめた掲示板情報でしか知れないとも嘆いていた。そして、掲示板にまとめてくれる人に感謝したり……と忙しい。


 

 ちくちく。プラムはグラデーションが多かったから大変だったけど、こっちはグラデーションがプラムより少ないから刺しやすい。

 ただ、白詰草の花弁を糸の方向の変化で表現しているからそれがかなり難しい。角度を少しでもミスると、白詰草らしさを表現できなくて、納得いかずやり直したりとかもした。

 ……と言っても、白詰草の花束は7本のデザインにしたので、数も多くなくあっという間に刺し終えることができた。


 次は周りに散らしたクローバーを刺繍していこう。まずは黄緑色にしたクローバーから刺繍して、次は深緑色のクローバーの刺繍。白詰草より数が多いから大変だったけど、私と器用ステータスにかかればなんてことはない。

 

 あっという間に出来ちゃいました!

 

 クローバーの白い線の様な模様を入れるか悩んだんだけど、試しに一つ入れてみたらなんか違和感というか…………私の刺繍の腕がいまいちなのかな?

 どうにも可愛く入れられなかったのでやめました。クローバーの緑の糸を引っ張って台無しにしないように、慎重に模様の白糸を抜くのが結構大変で、なんで試してみちゃったんだろう〜と嘆いた。次はメモ機能の上で吟味しよう…………。

 


 勿論、プラムのハンカチと同じく、角の対角側の角にも同じ刺繍をする。一度刺したから『図案』登録が出来るので、登録して、『転写』。よし、もう一度だ。


 ちくちく、ちくちく。


 何度もやり直して頑張ったおかげか、2度目の白詰草の花束はスイスイ進んだ。うんうん、可愛いね。

 そんなこんなであっという間に完成しました。……あ、裁断してないし四辺を三つ折り縫いするのはこれからだけどね。それもサクサク行きましょう。

 


 〈裁縫レベルが14に上がりました〉


「できたー!」

「おめでとうございます」

「ありがとうございます」

「ラビッビィ!」

「……ラビもお祝いしてくれるんですか? ありがとうございます」


 ぱちぱちと拍手をするヨツバくんをじっと見たラビが真似するように、前脚をもふもふと拍手してくれる。……天使かな?


 裁縫レベルも上がったし嬉しいなあ。しかももうすぐ裁縫レベルが15だって!

 確か15レベルになったら、『製作』が解放されて手作業じゃない生産ができるようになるらしいから楽しみ。……と言っても、この機能が使えるのは一度作ったものだけらしいけどね。それでも楽しみ!



 

 


 

いいね機能が新しくなったみたいなのでもし良ければリアクションください!

今日の分が長くなったのは、「刺繍します」から始めたなら刺繍させたいな……と思ったら長くなりました。

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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます! 途中でお話がペンの形の事に脱線しちゃったり、刺繍で少し失敗しちゃう描写があるのが、彼らの生活をのぞき見てる感じがして好きです。 ヨツバ君がボールペンをガラスペンにしてる描写…
仕上がっていく過程に、ヨツバくんではありませんが、わくわくしました。ラヴィさんの拍手もかわいらしいですね。ヨツバくんの筆記具のこだわりからして、すごいロールプレイだ、と感心しました。聖女の職業、解放さ…
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