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VRMMOの世界で怖いお兄さんをしています〜本当はVRでお茶会エンジョイしたかっただけなのに〜  作者: 春咲 イブキ
第2章

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第5話 イベントについて


「エッ」

「ネイビー……」


 イベント、の言葉に首を傾げた私に、ヨツバくんは驚きの声をあげて、リタくんは呆れたように私の名前を呼んだ。

 

「……イベントがあるんですか?」

「あ、はい! えっと、土曜日から『花祭り』というイベントが開催されるそうで────」


 ヨツバくんは戸惑いながらもイベントの説明をしてくれた。ヨツバくんが言うには、ログインしたときにイベント通知のウィンドウが出現したらしいんだけど、覚えが…………。


 って、あ。


 ……そう言えば、朝はまだ眠かったから文章読むのが面倒で、後でいいや、と読まずに生産したんだった……。えへへ、やらかしました。



 それでイベントです。

 期間は今週の土曜日から来週の日曜日まで。現実時間で9日間やるそうだ。その期間は、イベントに合わせて、花系のイベントモンスターが出現する。それを倒すとポイントが手に入ってアイテムと交換ができるらしい。


 しかも、モンスターを倒すだけじゃなくて、お花を育てたり、お花に関わる生産物を作ったり売ったり、……そういったことでもポイントが貰えるみたい。私ができることで言えば、お花の刺繍入りの何かを作る、とかね。

 そういうのでもポイントがもらえて、アイテム交換が出来るそうだ。

 

 イベントポイント特効として、お花に関わる装備を付けたり、お花に関わる食べ物を食べたり……、そういったことを行ってからモンスターを倒すと、更にポイントアップされるらしい。


「あっ戦闘だけじゃなく、生産もアップされたはずです! ……自分には関係なくて流し読みしちゃったんですが……」

 

 ふむふむ、なるほど。……お花の刺繍入りアクセサリーとかめっちゃ売れそうだなぁ。

 

 …………というか、『ネイビーくん』の服ってリボンタイに薔薇の刺繍が入っているから、既にお花装備になってそう。

 ヨツバくんの方はクローバーだけだから、駄目かな? こんなことなら、白詰草も刺繍しといてあげたら、特効になっただろうに……。


 あ、この機会に、新しいワンピースを作ってもいいよね! あとは、……自信ないけどカーディガンを編んで作るとか。そのカーディガンに刺繍をして着てもらったら可愛いと思うんだ。

 ……でもやっぱり作れる自信がないし何装備になるか分かんない。着ることは可能でも、装備欄空いてないだろうし、装備欄からの着脱は出来ないだろうしなぁ。

 装備から着脱したら、ワンピースは脱げて謎インナーにカーディガン羽織る、とかになりそう。怖いね。


 それとさっき『料理』スキルも取ったから、料理もしたいなぁ。お花に関わる料理かぁ……今は薔薇ジャムしか思い浮かばない。

 

「あとは……。最後の土日はファルシュトで実際に花祭りが開催されるそうです。名目としては、花祭りの準備を手伝って盛り上げよう……みたいな感じらしいですね」

「へぇ、お祭りまで開催されるんですか……楽しみです。ヨツバくん、詳しくありがとうございます」

「いえ! お祭り楽しみですよね」

「そうですね」


 お祭りだって! 最後の土日ってことは、ゲーム内だと8日間かぁ。もちろん、食事や睡眠があるからずっとは楽しめないけど、出来るだけたくさん楽しみたいな。


「それで……。僕は花系モンスターの討伐を頑張ろうと思ってるんですが、皆さんはどう参加されますか?」

「はーい、僕も戦闘頑張るよ! 生産はからっきしだからね」

「リタさん……一緒ですね。ネイビーさんはどうですか?」

「俺は……両方、頑張りたいです」

「! 生産はぜひ見たいですし、戦闘もご一緒したいです」

「良いですね、ぜひ一緒にやりましょう」


 この会話を聞いたリタくんがぷくぅと頬を膨らませている。寂しそうな顔に声を掛ける。


「リタくんも一緒に……」 

「…………ううん。僕も一緒に行きたーいっ、とは言いたいんだけどね、イベント中は固定組んでやる約束しちゃったから無理だと思うんだ。……タイミングが合えば、お願い」

「固定……」


 みおちゃんが思ってた以上にガチ勢だ。固定、ってことは、決まったメンバーとパーティを組んでイベントに挑むってこと。すごいなぁ。

  

「固定ですか! 元々お知り合いとですか?」

「ううん、FJOで出来たフレンド」

「わ、凄いですね!」

「ヨツバさんは固定組んでないの?」

「僕は殆どソロですね! 小ボス倒しに行くときに野良と組むくらいで……あとは、リア友に誘われたらって感じです!」


 わぁ……FJOで出来たフレンドとってすごいし、ヨツバくんも野良と組んで遊んだりもしてるんだ。……私は、ヨツバくんとリタくんとしか組んだことないよ。


「ソロも気楽でいいよね。パーティ組むと経験値が人数で割られるし……。でも、僕は弓が使いたかったから前衛が欲しくってさ、パーティ探し頑張ったよー」

「確かに……後衛職だと前衛なしはきついですよね」

「あとは、回復魔法が使える人さえいれば完璧なんだけど……! ほんっと、魔法ってどう使うんだろうね……矢と回復薬の補充で懐が痛いよ」

「ソッ、そうですね……。僕も本当は回復魔法を使う後衛目指してたんですが、今じゃ杖使いの前衛です」

「あーあるあるじゃん。魔法使い志望、みんなそうなっちゃったよね」


 ……魔法の使い方を聞かれたときに、ヨツバくんの声が裏返っていて笑いそうになった。気持ちは分かるけどね。

 回復魔法ではないけど、『洗浄魔法』秘匿中だもんねぇ。……というか、『洗浄魔法』で思い出したけど今日はラビいないけどどうしたんだろう。


 マイルームにお留守番、とかもできたのかな?


 

「……と、噂をすればなんとやら。固定メンバーからお誘い来たから、僕は行くねー。ヨツバさん、今日はお話聞かせてくれてありがとうございました。ネイビーも楽しかったよ、また遊ぼうね!」

「こちらこそありがとうございました!」

「リタくん、ぜひまた…………、って行っちゃった」

「……嵐みたいでしたね!」

「……そうですね」


 普段嵐みたいなヨツバくんに言われてるよみおちゃん。……多分、私が手を振り返した時点で満足したんだろうなあ。


「ヨツバくん」

「なんですか?」

「ラビはお留守番なんですか?」

「あぁ……。ラビは、ネイビーさんから頂いたクッションを気に入ってて、今日はそこから離れてくれなかったので置いてきました……」

「そんなに気に入ってくれてるんですか」

「めちゃくちゃ気に入ってますね! 戦闘にも持っていきたがるんですけど、フィールドでここに置け〜って示してくるので地面に置くと満足げに座るんです。……でも、当たり前ですが地面に置くと土で汚れるので、その度怒ってて、毎回僕が『洗浄魔法』をかけてます。……まぁ、魔法の練習にもなるし可愛いので良いんですが」


 戦闘に持ち込むほど!

 そんなに気に入ってもらえるなんて、作り手冥利に尽きる。怒ってるラビも可愛いだろうなぁ。


「ネイビーさん、あのクッションって『ラビットベア』の毛皮ですか?」

「そうです。…………あ、『ラビットベア』の毛皮が余ってたら買い取りたいんですが、ありますか?」

「ありますよ! でも、買い取りじゃなくて大丈夫です。ラビのクッション代として受け取ってください!」


 ヨツバくんはそう言いながら大量に毛皮を送り付けてきた。本当にたくさんだ……暫く毛皮に困らないだろう。

 

「……『ラビットベア』はレアなんじゃないですか? タダでもらうなんて」

「タダじゃありません。クッション代です」

「…………」

「…………」


 私は「もう一度買い取ります」って言ったけど、ヨツバくんは「じゃあ僕もクッション代払います」と言ってきたので、また睨み合う。あれは、ラビにプレゼントとしてあげたから、お金は受け取りたくない。

 暫く睨み合いが続いたけど、ヨツバくんに勝てる気がしなくて、負けを認めました。毎回ヨツバくんに負けてる気がする……。

 

 私は諦めて、ヨツバくんに丁重にお礼を告げて大量の毛皮をいただきました。……よし、これで何か作ってヨツバくんに押し付けよう。そうしよう。

 

 

 それにしても土曜日から『花祭り』か〜!

 今一番やりたいのは、ハンカチに刺繍。アクセサリー枠になるといいんだけど…………、ヨツバくんにはクローバーと白詰草を、プラムさんにはプラムとその花を刺繍したい。リタくんには……何がいいかな。今度好きな花でも聞いてみよう。

  

 それに、花祭りで思ったんだけど、お花が咲き乱れる庭園でのお茶会、っていうのも素敵じゃない?

 次はそんな感じのガーデンパーティーを目指したいなー!

 

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― 新着の感想 ―
 見える……見えるぞ……花の刺しゅうを日がな一日ずーっとしているゴツイにーちゃんの姿が……っ。  ネイビーさん、戦闘も一応、視野に入れてるんですね。戦闘まるっとスルーして、町の花飾りとかで観光ばっかり…
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