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第2話 夜の戦闘


 お仕事頑張ってきましたー!

 

 午後もやっぱり眠かった。仕事中に眠らなかったし、ミスもしなかったから良いんだけど、こんな状況が続くのは駄目だろうから、明日からの朝30分は半分遊んで半分眠ることに決めました。えらい。

 …………朝からゲームをしない、っていう選択肢はない。


 だって、折角の4倍加速システムなんだから、活用しなきゃ、ね!

 


 みおちゃんとの約束は20時からになったので、急いでご飯やお風呂などを終えていく。私の場合、18時前には家に帰ってこれるから余裕はあるんだけど、遅れたら嫌なので急ぐ。

 …………でも運動までしている余裕はないので、運動は土日のみ、って決めた。いま決めました。会社に行くのだって、最寄り駅まで歩くしそれも運動だよね! ……たった5分だけど。


 そんなこんなで、19時半には準備を終えられた。

 よーしログインだー!



 ◇ ◇ ◇



 ログインしました。

 現実で30分あるってことは、ゲーム内では2時間あるってことなんだよねー。生産でもしようかな? それとも、一日頑張ってきたから睡眠でも取ろうかな?


「あ」


 そうだ、プラムさんにお茶会お誘いメッセージを送ろう!

 なんて送ろうかな……。ヨツバくんをお誘いしたときは勢いで、って感じだったから参考にはならないし……。こういうのって悩んじゃうよ。うんうん頭を悩ませて、なんとか打ち込んだ。


『プラムさんへ。無事にお茶会の準備ができましたので、一緒にお茶会をしたいと思うのですがいかがでしょう? もし宜しければ、ご都合の良い日をお聞きしたいです。俺は、平日でしたら20時から22時、土日でしたら何時でも大丈夫です』


 …………一瞬、『私は』って打ちかけてたので危なかった。

 ……ううん、こんな感じの文面でいいのかなぁ、こういうの考えるの苦手だよー。そう言えば他ゲームだとお誘いに乗るだけで、主催なんてほぼしなかったもんね。主催の人たち、すごいなあ。


「あ、返ってきた……!」


『ネイビーくんお誘いありがとう! 水曜日の21時からってどうかな? 楽しみだから早くやりたいなぁ……って思うんだけど、急すぎて準備が大変? 大変だったら他の曜日でも大丈夫!』


 水曜日! 明後日だね。プラムさんも楽しみにしててくれたみたいで嬉しいなあ。私も早くやりたいから大丈夫、と送ろう。


『大丈夫です。それでは、水曜日の21時からお茶会をしましょう』

『良かった〜! 水曜日楽しみにしてるね!』

『こちらこそ、楽しみにしています』


 嬉しい気持ちを抱えたままベッドに横になる。

 今はゲーム内で0時10分だから……、2時間後は2時だね。20時は2時なのか〜!

 

 …………えっ、真っ暗の中、戦うのかなぁ怖いなぁ……。

 

 取り敢えず1時55分にタイマーをセットして睡眠をする。すやぁだよ。



 ピピッ。

 ぐっすり寝たぁ。1時間とちょっとだけど、疲れが少しは取れたような気がする。気の所為かもしれないけど、気の所為も、時には大事。

 

 そう言えば、みおちゃんのプレイヤーネームってなんていうんだろう。フレンドリストを確認してみたところ、見覚えのない『リタ』という名前があった。多分これだろう、と思っていたらその『リタ』からメッセージが届いた。


『みおだよ〜。ネイビーよろしくね!』


 …………。メッセージ欄とは言え本名出しちゃっていいのかな? 危なくないのかな。でもみおちゃんの方がゲームに詳しいだろうし、まぁいっか。


『こちらこそよろしくね』


 ……少し悩んでから、素で送った。本当は『ネイビーくん』らしく送りたかったんだけど、いきなり敬語で送られてきたら「他人!?」ってびっくりさせちゃうだろうしなぁ、って泣く泣く素で返しました。

 リアルの友達に言うのは恥ずかしいけど、後で事情を説明して、次からは敬語にしたいなぁって思ってる。それが『ネイビーくん』なので。


『マイルーム飛んでいい?』

『いいよ』

『ありがとー今行く』


 そうメッセージが返ってきた、と思ったら、ガチャっと扉が開く。

 

「やっほーネイビー!」


 来るのが速いし遠慮がない。そんな性格だって、とっくに知っていたけど。

 

「……こんばんは、リタ……さん? くん?」

「くんって呼んでほしいな!」

「分かった、……んんっ、分かりましたリタくん」

「あ、敬語キャラ?」

「そう、なんだけど…………リタくんの前だと難しい……」


 恥ずかしさが勝ってしまって上手く喋れない。ちゃんと、演じたいんだけどなあ。

 

 リタくんは、明るい黄緑の髪がふわふわ跳ねた天使みたいな美少年、って感じで可愛い。声も中性的で、女の子にも男の子にも聴こえる、可愛い声をしている。


「良いんじゃない? 僕の前はタメ口でもさ。タメ口でも格好良いよ」


 ぱちっとウインクをしてくれるリタくん。……みおちゃんってばロールプレイが上手すぎるよ。


「じゃあ戦いに行こう!」

「……真っ暗じゃ、ない、のか?」


 ……わーもうッタメ口も難しい……!

 やっぱり、私は敬語でがんばるよ! 私の出来る範囲で『ネイビーくん』には格好良くいてほしいからね!


「真っ暗だよー? ……あ、もしかして『夜目』持ってない?」

「持ってないです」

「……よし、取ろう」

「えっ」


 この後の事は思い出したくもない。

 怖い、帰りたいと半泣きの私を連れ回して、ひたすらみおちゃんはモンスターを狩っていた。パーティを組んでいるから、経験値も素材も入ってくるのがホラーじみている。私にはモンスターもみおちゃんも見えていないというのに……!!

 私の周り戦闘狂ばっかだよ……!


 

 〈『夜目』のスキルが解放されました〉


「! リタくん! 解放された!」

「おめでとう〜」


 急いで取得。消費するスキルポイントは1と少ない。


「おぉ……! すごい……!」


 取った途端に視界が良くなった。街灯も月明かりも何もない場所にいたのに、『夜目』スキルを得たら、街灯もあれば月明かりもある明るい夜、って感じになった。まだ、木が密集しているところとかは見えにくいけど、草原だけなら困らないかな、って感じ。


「やっと怖くなくなった……」

「それじゃ、今度こそ一緒に戦っていこう!」

「うん」


 …………あ、素じゃん! でも、もういっか。

 諦めも大事です。


「あ、『ダークタイガー』って倒したことある?」

「ない」

「まぁそうだよね、夜初めてだもんねー。『ダークタイガー』は夜の小ボスみたいな扱いのモンスターで、夜闇に隠れて襲ってくるんだけど、夜目さえ手に入れてれば手こずることはない相手だよ! それを倒しに行こう」

「……いきなり小ボスで大丈夫?」

「大丈夫大丈夫。8レベこえてれば6パ、10レベこえてれば3パ、15こえてればソロ、って感じでいけるから、ネイビー1人でも行ける。……行ってくる?」

「……!? それは無理だけど!?」


 な、何を言ってるのみおちゃん!

 そんな無謀な挑戦をさせようとしないでよ。面白がってるでしょ。

 因みに、6パとは6人パーティ、3パは3人パーティの略称だと思う。みおちゃんは良くそういう略称を使う。……前に、人数じゃなくてパーティが6つだと勘違いされた、と怒っていたのを思い出す。


「ごめんごめん。じゃあ一緒に行こっか」


 にかっと少年顔で笑ったみおちゃん──リタくんと『ダークタイガー』討伐に向かうことになった。




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