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VRMMOの世界で怖いお兄さんをしています〜本当はVRでお茶会エンジョイしたかっただけなのに〜  作者: 春咲 イブキ
第1章

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第45話 お茶会の準備


『すみません、お茶会に1人というか1匹追加しても大丈夫ですか!?』


 そのメッセージが届いたのは5時──現実時間で20時45分──だった。睡眠を終えてログアウトをした後は、お夕飯と運動とお風呂を済ませて、丁度ゲームに帰ってきたときのことだった。


 1匹、とな? なにか、生き物でも捕まえたのかな。

 捕まえられるようなスキル、あったのかなあ。もふもふだったら、私も欲しいなあ。


「取りあえず『大丈夫ですよ』と……」


 ちゃんとしたお茶会に生き物同伴は無理だろうけど、これは身内の緩いお茶会だからね!

 ケーキスタンドだって、ケーキスタンド、といいながらクッキーしか乗せるものないし。ラインナップを豊富にするのは2回目以降に頑張ろう。…………ふふ、プラムさんとのお茶会もあるし、ヨツバくんとも2回目を開催する気満々です。


「あ、」


 ケーキスタンドで思い出したけど、取り皿がないや!

 あのお店『ティー』に売っているかな? 急いで見に行ってみよう。……あれ、なにか『ティー』で他にも買いたいものがあったはずなんだけど思い出せない。

 と頭を悩ませていたら、メッセージの通知音。ヨツバくんから返信が返ってきた。


『ありがとうございます! 説明は行ったときにしますね。お茶会まであと1時間ですね〜楽しみです!』

『俺もです』


 ね、楽しみだよね! もう1時間しかないような、まだまだ1時間もあるような、難しい気持ちだよ。



 ◇ ◇ ◇



「あら、また来たのね。小さいのに早起きなんてえらいわ」

「……おはようございます。小さくはありません」

「ふふ」


 取り皿を買いに『ティー』に来たところ、小さい子扱いをされ、微笑ましげに見られる。解せない。子どもじゃない、という気持ちと確かに生後6日目……の気持ちに挟まれて、微妙な気持ちになった。


「今日は、お茶会用の取り皿を買いに来ました。売っていますか?」

「売ってるわ。リンゴ柄に合うものなら……この辺りはどう?」


 白いお皿に赤いラインが入っていて金の縁取りがされているものと、リンゴみたいに真っ赤なお皿に装飾が施されている物を勧められる。

 悩んで、白地に赤いラインと金の縁取りの物に決めた。


「渡したアップルティーはもう飲んだ?」

「いえ。これから飲もうと思っています」

「そう良かったわ。……あなた、茶こしも持っていないんじゃなくて? 心配していたの」

「…………あ、そうですね」


 そうだった! ログアウトしたときに、紅茶の入れ方を調べたときに茶こしも必要そうだったから買おうと思ってたのに、ログインしたら忘れちゃってた。思い出せなかった買いたいものを、教えてくれて凄く助かった。


「茶こしも買います」

「分かったわ」


 取り皿6客と、茶こしのお値段合わせて8000Gでした。



 ◇ ◇ ◇



 戻ってきましたマイルーム。

 ヨツバくんが連れてくるらしき生き物に思いを馳せる。


 どんな生き物なんだろう。

 もふもふふわふわかなぁ。ちょっと楽しみだ。

 嘘。かなり楽しみだ。


 クッションとか用意しといたら喜んでくれるかな。 

 あと……40分あるから作っちゃおう。でも綿として代用している『ラビットベア』の毛皮が少なくなってきてるなぁ。今度狩りに行きたい。……というか、ヨツバくんなら持っていそうだから買い取らせてもらえないかな? ……既にギルドに売っちゃってるかな。


「……良いこと思い付いた」


 『ラビットベア』の毛皮が少ないと話したばかりだけど、『ラビットベア』の毛皮でクッションを作って、『ラビットベア』の毛皮を綿として詰めたら絶対可愛くない?

 それに乗るもふもふ(願望)も絶対可愛いと思うんだよねー。


 よし作ろう。

 サイズは……45センチくらいの正方形にしようと決めた。『直線』機能を使いながらチャコペンで線を引いたら、『裁断』機能を使って布を裁つ。長方形の形に切って、半分に折ったら正方形になるようにした。

 そしたらあとは中表にして縫っていくだけ。綿、もとい『ラビットベア』の毛皮を入れる隙間は残しておいて……と。


 よし縫えた。


 裏返して、中に毛皮を詰めていく。ぼこぼこしないように気を付けながら、もふもふになるように詰める。いい感じに詰められたらコの字縫いでとじていく。


「完成!」


 ふわふわもふもふ『ラビットベア』クッションの完成です。ヨツバくんが連れてくる生き物が喜んでくれたらいいなぁ。


 時間を見たら、5時50分だった。

 約束の時間まであと10分。私は大慌てで、準備に取り掛かる。


「テーブルクロスどっちにしようかな……」


 ヨツバくんとのお茶会だから、オシャレさより可愛らしさを優先しようかな。……うん、そうしよう。じゃあ、正方形でレース付きのテーブルクロスを使おう。


 椅子の位置を調整して、テーブルクロスをかけたテーブルの上にカップとポット、ケーキスタンドも設置して……、と。

 よし、ケーキスタンドにクッキーも置いちゃおう。一番上にノーマルな『クッキー』を、二段目に『チョコクッキー』と『紅茶クッキー』を、そして最後の三段目には『リンゴジャムクッキー』と『イチゴジャムクッキー』を置いた。


 準備を終えたら、そわそわしながら待つこと数分。ついにヨツバくんからメッセージの通知音が。

 

『行っても大丈夫ですか?』

『大丈夫です』


 すぐにノック音が響いたので、私は扉を開けた。


「ラビィッ……!」

「あ、こら……!」


 開けた途端、私の横を通り過ぎていく何かと、ヨツバくんの焦った声。よく見るとそれはもふもふしていて、楽しそうにマイルームの中を走り回っていた。


「ごめんなさいごめんなさい、ずっと大人しかったから大丈夫だと思ったのに……!」

「…………わぁもふもふ……可愛いですね……」

「…………そう言ってもらえると助かります」


 私はヨツバくんの謝罪もそっちのけで、走り回るもふもふを見詰めていた。


「……あ、ヨツバくんもどうぞ」

「お邪魔します!」


 もふもふに夢中で、玄関先に立たせたままでした。

 ヨツバくんがマイルームに入ったら、それに気が付いたかのようにもふもふが走って帰ってくる。かわいい〜。


「ラビッ、ラッビィ!」

「……この子ってウサギ、ですか?」

「そうです! ……こいつ、こう見えて『ホーンラビット』なんですよねー」

「え、全然見た目違くありません?」

「そうなんですよ。『洗浄魔法』をモンスターに使ってみたらどうなるのかなぁって気になって試してみたら、綺麗になって可愛くなりました」

「『洗浄魔法』で、綺麗に可愛く……」

「しかも懐かれて、『テイム』が解放されたので取得して捕まえました」

「…………『テイム』って前からありました?」

「初です! やばいですよね」

「やばいですね」


 やばすぎるよヨツバくん! どこから聞けば良いかわからない!

 …………でも、私が悪魔とかの話をしたときにめちゃくちゃ驚いていたヨツバくんの気持ちが少しは分かりました。これは驚くし戸惑うしどうしたらいいかわかんないね。


 

 取り敢えずだよ。まずは───。


「写真撮っても良いですか?」

「良いですよ!」


 もふもふのお写真を撮らせてもらいます!


 

 


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