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VRMMOの世界で怖いお兄さんをしています〜本当はVRでお茶会エンジョイしたかっただけなのに〜  作者: 春咲 イブキ
第1章

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第38話 来襲ヨツバくん

 

「ネイビーさん! あのメッセージどういう意味ですか!?」

「ヒッ……!?」


 いつもノックをして、私が開けるまで待ってくれるヨツバくんが、ノックもなくマイルームの扉を開け放ったので、私はビクリと肩を弾ませた。


「あ……、ごめんなさい急ぎすぎました! 勝手に開けてごめんなさいっ」

「いえ、大丈夫です」


 またもや、ごめんなさいbotになってしまったヨツバくんに、私も大丈夫と繰り返す。

 うん、大丈夫だよ……、私の心臓はヨツバくんに音が聞こえてしまうんじゃないかってくらいにバクバク飛び跳ねていて煩いけど、多分、大丈夫。……たぶんね。


「……それで、何から聞きたいですか?」

「全部聞きたいです」

「全部、ですか?」


 ええっと、全部……どこから話すのが分かりやすいだろう。私は頭を悩ませながらも、先程のことをかいつまんで話し始めた。



 ◇ ◇ ◇



「そんなことが…………」

 

 ヨツバくんはどの話をしても凄く驚いていて、何度も途中で口をはさみたいって雰囲気をだしていたけど、堪えるような顔をして静かに聞いていてくれた。

 ひたすら聞き役に徹してくれたヨツバくんのおかげで、私はなんとか話し終えることができました。


「凄さと驚きで、頭がパンクしそうです。……あっ、まずは、聖女職があることを知れて嬉しいです! ありがとうございます」

「いえ。…………その、言ったあとになんですが、見つけ出すことが目標と聞いていたのに、ネタバレ?みたく言ってしまってすみません……」

「エッ、気にしないでください! 本当に聖女があるんだーってわくわくしてますし、まだ聖女へのなり方は分からないので、ここからは僕の努力次第です……! がんばりますっ」

「ヨツバくん……ありがとうございます」

「──それで、ネイビーさんは悪魔なんですか……?」

「っステータス的にはちゃんと人間です!」


 間髪入れずに言い返した。え、人間だよね? 怖くなって、もう一度ステータスを確認してみたけど、やっぱり『【種族】人間』と書かれていて安心した。


「でも、住民からは悪魔扱いされると…………。実際、青肌や緑肌などの異色肌にした人達が、住民から悪魔として迫害される、という情報は知ってはいました。ただ、ネイビーさんはそこまで派手な肌じゃないので当てはまるとは思ってなかったんです……。僕の認識では派手な肌が駄目なのかなぁと思ってまして」

「なるほど……」

「…………ネイビーさん、もしかして住民から嫌な目にあっていましたか?」


 ヨツバくんは心配げに顔を覗いてくる。元気のない飼い主を心配するわんこのように、くーんとしょんぼりげで可愛い。……じゃなかった。


「嫌な目、ってほどのことはなかったですね。警戒されることはそれなりに慣れましたし……、ただ、怯えられると悲しかったので、原因が判明して嬉しいです。目付きの悪さが原因じゃなかったんですね」

「…………ネイビーさんは、目付きの悪さもありそうですけどね。勿論良いイケメンさんですが! それにしても、嫌な目にあわれていなくてよかったですっ」


 心配してくれてありがたい。…………だけどヨツバくんって気を遣えるのに、ズバッと言い切るときがあるよね。トゥエの町をこじんまりしてる、と言い切ったときみたいにさ。


「あと、聖女と悪魔の話もびっくりしましたが、警戒されているネイビーさんが隠された道にあるお店を紹介してもらえたのも不思議なんですよね。あれって、住民からの好感度が高くないと無理な現象らしいんですよ」

「そうなんですか?」

「そうなんです! 何か、特別なこととかしませんでした?」


 特別なこと……?


「…………特別なことかは分かりませんが、お店の商品に刺繍をして露店で売っていいかは聞きました」

「なるほど! 服屋ですから裁縫系の話は好感度が上がる可能性高そうですね!」


 それを言われて、ふと思い出した。トゥエの町で布を買ったときのことだ。あの時、服に刺してある刺繍をお店の人に褒められたんだよね。

 その後、買った布──『水のゆらめき』と『木々のゆらめき』のことだ──を、ヨツバくんに驚かれたはずだ。そんな布、ワールドチャットや、掲示板で見掛けていないって言われた。

 もしかして、自分の服に刺繍をしている状態で買いに行く、が条件だったりした?

 

「ネイビーさん?」


 考え込んだ私をヨツバくんが訝しげに見やる。

 

「あの、ヨツバくんのそのワンピースの布も見たことないものだ、って言ってたじゃないですか? あの時、お店の人に服の刺繍を褒められたんです。それが条件だったんじゃないか、って考えてました」

「! 可能性ありそうですね……!!」


 ヨツバくんは水色の瞳をキラキラと輝かせながら、ぶつぶつと何かを呟いている。楽しそうに考えてるなぁ。ふと視線を横に動かしたら、ヨツバくんの少し尖った耳が目に入った。そう言えば──。

 

「ヨツバくんの種族はなんですか?」

「僕はエルフです! 魔法が得意そうなイメージがあるので選びましたっ! …………でも、悪魔の血が流れている方が魔法得意そうですけどね……、実際ネイビーさんすぐ覚えましたし」

「…………なんか、すみません」

「あ、責めているわけじゃないですからね?! ……少し、羨ましいだけです」


 ほんとごめんねヨツバくん。聖女のことも、魔法取得も良いとこどりしすぎてて申し訳ないや。


 

「あ! そういえば、言うの忘れてました……! ネイビーさん、念願のティーカップとティーポットおめでとうございます!」

「ありがとうございます」

「どんな物を買われたんですか?」

「それは…………、お茶会当日までの秘密、ということで」

「秘密! 楽しみですね〜、僕が手伝えることがあったら何でも言ってくださいね!」

 

 そう言われて、聞きたいことがあったことを思い出す。前に、ヨツバくんが持参してくれたお菓子のことだ。あれ美味しかったなぁ。どこで買ったのか気になっていたのに、つい聞きそびれていたんだよね。

 

「…………早速質問なんですが、前に持参してくれたお菓子はどこのものか聞いてもいいですか?」

「あぁ、あのお菓子! 露店で見付けたプレイヤーメイドなんです。もし良かったら、今から案内しますよ! ……って、あぁ、長話しちゃいましたがお時間は大丈夫ですか?」

「今は……現実で14時くらいですね、はい、まだ大丈夫です。……そういう、ヨツバくんも大丈夫ですか? 突然呼び出しちゃったじゃないですか」

「大丈夫ですよー! というか、僕が押し掛けたんじゃないですかっ! …………ネイビーさんは毎回良い、って言ってくれますが、本当に駄目なときはちゃんと断るんですよ!? 人が良いので、都合が悪くても良いって言ってそうで怖いです……」

「……そんなことは、ないですよ。それに、ヨツバくんと遊ぶのは楽しいのでいつでも大歓迎です」


 やばい。断れない性格なのバレてる。ナンパや客引き、あとは宗教勧誘断るの苦手なんだよねー。でもヨツバくんと遊ぶのが楽しいのは本音! もっと遊びたいと思ってるよ!

 …………というかあれ、気が付けば殆どの時間、ヨツバくんと行動してない? 生産時間もほぼ一緒だから、多分一人の時間よりヨツバくんと一緒のほうが長い気がする。

 

「僕もネイビーさんと遊ぶの楽しいです。驚くことがいっぱいでわくわくが詰まっているので、凄く楽しいんですっ」

「……ありがとう、ございます?」


 これは、褒められているんだよね?

 まぁ、いいや、褒められた。ということで、そろそろ露店に向かいましょう。


 ヨツバくんにパーティに加入してもらってから、自分の露店へとワープする。


 いざ、美味しいお菓子を求めて……!!




いつもお読みくださりありがとうございます。

ブクマ、評価、いいね、感想、誤字報告ありがとうございます!


皆さまのおかげでブクマ300こえました!ありがとうございます!

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