第17話 探検!トゥエの町!
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因みに夕飯は、お昼とほぼ変わらないラインナップに、焼いた厚切りベーコンをプラスしました。ベーコンって、美味しいよねぇ……普通のお肉よりもベーコンを買いがちです。あと、洗濯物もしまって、畳んできた。えらい!
よーし! それではトゥエの町の探検と行こう!
ヨツバくんが言っていた特産も気になるし!
……ヨツバくんも誘おうかなぁ、って思ったんだけど、フレンド欄から確認してみたところ、まだログアウト中の表示だった。なので、一人で決行することにしました。
約束してるわけではないし、ヨツバくん、トゥエの町について詳しそうだったからまぁいっか! それに、たまにはソロプレイを楽しむのもいいよね。
◇ ◇ ◇
「わぁ…………!」
すごい! すごいよっ!
オシャレな模様の布も、綺麗な色で染められた糸もたくさん売ってる!
買い。これは買いです。
「! レースも売ってる!」
買おう。今の私は小金持ちです。
布は北欧柄みたいな……あ、この町、北欧じゃないし、北欧柄は雪の結晶の模様とかだったはずだから、そうは言わないか。なんか、民族的な柄…………えーっと、あ、エスニック! エスニック柄だよ思い出した。
……うーんどうせならトゥエ柄、って呼んじゃおうかな。ちゃんとしたこの土地特有の呼び方があるなら知りたいんだけどなあ。住民に聞いてみたいんだけど、ほら、私って警戒される見た目なので世間話とか向いてなくてですね……。うわーん、求むヨツバくん。
あと、今現在ゲーム内でも夜なので、昼間より警戒されている気がします。でも夜って言っても、ゲーム的にかお店はガンガンやってるので気にせず買い物ができる。やったね。
そう、それでトゥエ柄がオシャレに織ってある布や、華やかな色に染めてある布も多くって、The☆異国、The☆ファンタジーって感じでテンションが上がる!
これで民族風衣装を作って着ようかな。多分、みんなファンタジー衣装大好きだろうから売るのもありかも。…………へへ、私って型紙ないと作れないし、みんな考えることは同じかも。
でも、ただのシャツでも、オシャレで素敵だし欲しいなあ! 考えているだけでテンション上がる!
「あ……この布可愛い……ヨツバくんに似合いそう……」
爽やかな水色から深い青のグラデーションに染め上げられている無地の布はヨツバくんの瞳の色を想起させる。その布を見て、ヨツバくんが着ている姿を想像する。うん、絶対似合うね。
これでワンピースを作って、麦わら帽子と一緒に装備してもらうんだ……! 麦わら帽子はどこに売ってるかな?
あ、この生成りの布も買おう。先程の布と材質は同じで、だけど染められていない布だ。この布を、裾からフリルみたいに見せても可愛いな、って思い付いちゃった。
この布で、ウエストラインにリボンを作ってもいいなあ。
…………そんなワンピースを着たヨツバくんとお茶会がしたい。
本当にお茶会ができるかは分からないけど、もし出来るなら、お茶会に相応しい自分の分の服も欲しい。
着るならロリィタの王子系……とか、着てみたい気持ちはあるんだけど、『ネイビーくん』に似合うかなあ。うーん、執事系を目指して、お嬢様と執事とか?
それも萌える…………けど、それじゃあ対等にお茶会はできないし、どうしようかな。
うーん……、うんやっぱり、でかくて怖いお兄さんがつけてるでかリボンって良くない? 可愛くない??
うんうん、ロリィタ王子系のデザインをお手本に作ってみたいな。余りにも似合わなかったら売ろう。うん、そうしよう。
…………まぁ、まだ身長デカくないんだけどねっ。シークレットブーツってどうやって作るんだろう。型紙はよ。あ、インソールでもありなんだよね。……あ、ちょっと思い付いたから、マイルームに帰ったら試作してみよう。
取りあえず、このお店はこの布たちだけで良いかな?
よーし、お会計だー!
「お、兄ちゃん。そのシャツ、自分で刺繍したんか?」
「! そうです」
「良いじゃねぇか! よし、サービスしてやるよ」
「え」
奥から深い青から緑色のグラデーションに染められた布が出てきた。その色は正しく『ネイビーくん』の髪色!って感じのグラデーションで、食い入るように見詰める。
「あんたにはこれだな、……ほら、あんたの為に作られたような布じゃねえか。良かったな」
「……ありがとうございます。いくらになりますか?」
「サービスだって言ってんだろ! お代なんていらねぇよ!」
「ありがとうございます……!」
もう感謝の言葉しか出ない。あ、この布に瞳の色で刺繍施すのもありだなー! それじゃあ、新緑っぽい黄緑色の刺繍糸も買わないと。
ほくほく。それはもう、大量に買いました。
詳しく言えば、10000G分使い切っちゃいました。お馬鹿だね。残りは、食料を買うためにギリギリの理性でなんとか残しました。
えらい! ……褒められることではないんだけど。
「素敵な町だなぁ…………」
既にお分かりの通り、このトゥエの町は紡織が有名だ。裁縫をする私にとって凄く楽しい町だったから、ヨツバくんの言った通りだった。最初から紡織の町だって聞いていてもわくわく楽しかっただろうけど、事前情報なく沢山の鮮やかな布や糸が視界に飛び込んできたから更にびっくりわくわくした。
ヨツバくんに対しても感謝の念が絶えない。
それに、ここの町って、私一人じゃまだ来れなかったと思う。ヨツバくんがいたから、楽々な道中だったけど、私だったら苦戦したと思うんだよね。ワイルドウルフとか、まだ一人で討伐したこともないし。
何かお礼がしたい。手作りワンピースでお礼になるのかなあ。でも、ヨツバくんはお礼とか求めてないだろうし、こういうのは気持ちよね。贈りたい物を用意しよう。
よし、それじゃあまずはマイルームに戻って裁縫のレベル上げだ!
早く5になって、型紙機能を解放するぞ。
◇ ◇ ◇
やって参りましたマイルーム。
特に変わり映えはしない。当たり前だけど。
あ、簡素なテーブルに買った布をテーブルクロスみたいに引きたい。うーん、悩む。悩んで、青、緑、黄色の三色で織られた布にした。三角の山の向きが交互に変わる模様が特徴的な布だ。
簡素なテーブルの上に置いて、大きさを合わせていく。良い感じにテーブルから垂らしたい……! ……よし、こんなものかな?
大まかにサイズを決められたので、印を付けるためにチャコペンを準備。ふっふっふっ、私は凄い技を覚えたんだよ。
『裁縫』スキルから『直線』っていう項目を選択して、チャコペンで書きたい場所に調整したら思いっきり手を動かす。あら不思議、それだけで真っ直ぐブレずに線が引ける。
……まぁ、技とかでも何でもなく、初めから『裁縫』スキルに内包されていた機能なんだけどね。私は気が付いていなかった。この機能は技欄にはなくて、『裁縫』を詳しく表示すると現れる。罠だ。これも、型紙機能について教えてもらった時に、ワールドチャットで教えてもらった。
よし、作業を進めていこう。
チャコペンで書いた線に沿って、布切りばさみで布を裁つ。これも、直線機能を付けたままなので、真っ直ぐ切ることができる。べんっり〜!
よしよし、綺麗に切り出せたね。次はほつれないように縫っていきます。4辺の端を5ミリくらいで折って、更に1センチくらいで折って縫う、三つ折り縫いがしたいんだけど……うーん。
「アイロンが欲しい……、って、アッ!?」
待って、待って。
「あるじゃんアイロン……」
機能の項目を良く見進めていたら、『アイロン』もしっかりあった。どう使うんだろう……。取り敢えず選択して、……っと、お?
〈アイロンをしたいところに手を押し当てましょう〉
「ふむ……。っ、おおっすごい」
すごい、すごいよっこれ!!
私の手がアイロンになっちゃった!
布を折って手を押し当てる。ただそれだけで、ピシッとリアルでアイロンをしたかのように綺麗な折り目がついた。ううん、寧ろ現実よりも綺麗で、楽。えーん、流石ゲームだよぉ、便利すぎていい。
しっかり端を折って、アイロンになった手で押し当てていく。熱くもないのに、綺麗に折り目が付くの面白いなー。
そんなこんなで4辺に折り目を付けられました。
あとは、縫うだけ!
針に糸を通して本返し縫いをしていきましょう。本返し縫いは、名前の通り進行方向とは逆に返りながら縫う縫い方だ。手縫いで丈夫に縫うならこれかな、っていうのが私の認識。
テーブルクロスだから、それなりに大きいから手縫いは大変そうだ。でもそんなこと言っていたら、服なんて作れないよね。頑張ろうー!
…………なんて、思ってたんだけど、縫うのが早い。現実よりめちゃくちゃ早いよ。ほぼミシンみたいな感じ。レベルが上がってステータスが上がった影響もあるのか、こないだのウサギを作ったときとは比べ物にならないくらい、縫うのが早いし、何も考えず無意識にでも縫い進めていける。これが、器用補正だったりする?
流石ゲームだね、べんっり〜!
〈裁縫レベルが3に上がりました〉
「かんせーいっ」
やった、レベルが上がった。
ステータスのおかげもあって、あっという間に縫い上げることができました。まぁただの直線縫いだったしね。しかも、最初の方は気付かずやってたんだけど、直線機能を使えば、簡単に直線で縫うことが出来たので、とても楽でした。
…………現実だと気が付くとふにゃふにゃ曲がった線で格好悪かったりするんだよね。出来上がったテーブルクロスはそんな縫い目が見当たらないくらい真っ直ぐで綺麗だ。
はぁ、この機能現実でも欲しすぎる……。
「あ……角にタッセル付けても良くない……?」
うん、ありだな。
よし次は、刺繍糸でタッセルを作ろう。
テーブルクロスは青、緑、黄色の三色が使われている。これに似合うのは何色だろう。あ、アイボリー……うん、良いねアイボリーにしよう。
現実でタッセルを作るときは厚紙に巻き付けて作ってるんだけど、良いものがない。まぁ、長さをしっかり決めてないなら、なんとかなる。
なので、椅子の手すりを代用。手すりにアイボリー色の刺繍糸を20回くらい巻き付ける。そしたら、同じ色の糸を長めに用意して、巻き付けた輪をくぐるように通したら固く結ぶ。この糸で、テーブルクロスに付けていくので外れないようにしないといけない。
出来たら手すりから外して……っと。さっきよりは短いけど、それなりに長い糸を用意。今度はタッセルの上部の丸っこい部分を作っていくよ。なんというか、てるてる坊主の頭みたいな部分。
たわまない様にぎゅっとしながら巻き付けて、取れないようによく結んだら丸っこい部分の完成。
次は、下部のループしている部分にハサミを通してひらひらさせていく。うん、かわいい〜!
これをあと3回繰り返して、四角分用意した。
あとは、縫い付けていくだけ。……正直、どう縫い付ければ良いのか分かっていないんだよね。
取れなきゃ良いよね、という私の適当な部分が顔を出したので、テーブルクロスに付けるために長めに残していた糸を針に通して、布の角にぶっ刺す。
きゅっと引っ張って、布からタッセルがすぐ垂れる様に調整したら、布の角を一周回る様にしてもう一度ぶっ刺す。これを何度か繰り返したらタッセルが緩んだりもしなくなったので裏で玉留め。
よし、完成!! もし取れちゃったら、その時はちゃんと、調べて縫い付けよう。
〈裁縫レベルが4に上がりました〉
また上がった! タッセル作って付けるだけでも経験値入るんだね。嬉しい。
もう、次で5だよ。本当に5レベルまではあっという間なんだね。今日中に5レベルになりたいなぁ。
取り敢えず、満腹度が限界で食料もないので調達に行って来ます。




