表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRMMOの世界で怖いお兄さんをしています〜本当はVRでお茶会エンジョイしたかっただけなのに〜  作者: 春咲 イブキ
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/92

第13話 服に刺繍をしよう!

【空腹度】→【満腹度】の変更に伴い、満腹に関する文言を追加しました。



 起きました。そして脱げました。

 何がって旅人シリーズの服たちが。もちろん、服を脱いだら全身裸になっちゃった! ……なんてことはなく、体のラインすら分からない謎素材インナーを着ていました。これで安心だねっ!

 装備欄から『外す』『付ける』で着脱が可能なんだけど、気になって手動で脱いでみたらこれまた脱げましたーやったね!

 そしたらなんと、『旅人のシャツ』ってシャツとベスト一体型、みたいなデザインだったんだけど、手動で脱ぐとシャツとベストも別々になりました。すごくない?

 


 因みに、起きたらまた満腹度が減っていたので、りんごを食べちゃいました。これで全部食べきっちゃった。でも満腹度の値が90を超えたから長く生産しても大丈夫だろう………ってあれ!? 満腹のバッドステータスがついてる……。

 バッドステータスは『移動速度減少』だって。……ヘルプを読んでみたら、81以上で満腹になるらしい。腹八分目までに抑えろ、ってこと?


 ……確かにお腹いっぱい感ある……。


 まぁでも、生産するくらいならなんとかなるかな、って思うので、そう信じて旅人のシャツに刺繍をしようと思います。

 あ、『旅人のシャツ』を分解したシャツだけね。ベストはまた今度。


 図案はまた蔓草にしようと思ってる。襟と袖口に蔓草の刺繍があったらオシャレで可愛いかなって。あと、裁縫セットに初めから入っている刺繍糸の色数が少なくて、あまり派手なのは出来なさそうだった。……顔に似合わない気がするから、派手なのはしないだろうけどね。


 それで、入っている刺繍糸に落ち着いた緑色があったから、蔓草モチーフを刺繍する後押しになったんだよね。あと、髪色ぽいネイビー色の刺繍糸もあったから、緑から紺色のグラデーション蔓草もオシャレかなーって考えていて、頑張る予定。

 綺麗にグラデーションできたらいいな!



 よーし、刺繍するぞーっと思ったら、ぴこんと通知の音が。なんだろうと思ったら、ヨツバくんからだった。


『今何してますか?』

『刺繍中です』


 まだだけど。でももう刺繍枠にシャツを嵌めたあとだし、あとは刺繍糸を刺繍針に通すだけ。刺繍糸は好みの長さに切ってから、1本ずつ引き抜いて使う。うーん今回は、2本取りでやろう。

 因みに私は、何度も変えるのが面倒だから長めに糸を切っています。


 そして、糸を通すのはめちゃくちゃ簡単だった!

 流石ゲーム、糸を通すっていう機能が『裁縫』スキルについていて、それを選択するだけで秒で糸を通すことができた。……やばい、リアルで刺繍やるときイライラするようになるかも!

 なんて考えていたら、また、ぴこんと通知の音。


『刺繍してるとこみてみたいです。行ってもいいですか』

『いいよ』


「……アッ素で返しちゃった」


 やらかしたやらかした。余所事を考えていると、ロールプレイとかやっていられないよね。…………正直、ヨツバくんも僕っ娘になっちゃってるし、私も素でもいいかなーーとか考え始めてるよ。初志貫徹できる人間になりたかったよね。


『今から行きます!』


「…………触れないでくれるの有り難すぎる。あ、」


『椅子持ってきたほうがいいと思います』


 よしよし、これで、ヨツバくんを立たせて私だけ座ってるのを回避できる。


『わ、天才ですか! 持っていきますね!』




 ◇ ◇ ◇ 


 

 テーブルを挟んで椅子で向かい合わせ。

 ヨツバくんのお話をBGMに、刺繍を刺していく。落ち着いた一定のトーンで続く話は、BGMとしてとても優秀だ。

 そう、BGMとして優秀なので、全てを聞き流してしまっている。その代わり、刺繍の進みはとても良い。カーブとかも綺麗に刺せたし、クオリティもかなり高くて自慢できそうだ。

 

「……あの聞いてます?」

「あんまり聞いてない」

「…………そうですか。というか、お兄さんロールプレイはどうしたんですか?」

「…………アッ。……でも、僕っ娘には言われたくない」

「………………それはそうなんですけど」

「…………」

「…………。……あっ、もちろんネイビーさんの素も好きですからね。文句を言ってるわけじゃないですからねっ?!」


 フォローが入るけど、そんなことは気にしてない。

  

 ごめんね、ヨツバくん。集中すると他のことって入ってこなくなるから、ステータスについてとか、今の攻略の進み具合とか、たくさん教えてくれても聞いていられないんだよね。

 ほんとごめん。


 あ、『マジックマジゴリラ』がマジ強い、だけは覚えてる。魔法が使えて、勝負に真剣なゴリラ型モンスターなんだって。インパクトが強すぎて、刺繍中でもばっちり聞こえてきたし、「え?」って反応もしちゃった。


 因みに、今のこの会話も刺繍を刺しながら行っているから、顔を上げてない。一度始めたら一気に終わらせちゃいたから、途中で止まるとか嫌なんだよね。

 私の生産作業を見せるのは構わないんだけど、それは覚悟して来てほしいなって思う。……今更だね。


「ごめんね、ヨツバくん」

「……大丈夫ですけど、『くん』付けなんですね……」

「…………ヨツバさん、すみません」

「いやなんか、凄い他人行儀っ……! もう『くん』付けで大丈夫ですからっ」

「ありがとう」


 やったー! ヨツバくん呼びゲットだぜ。


「……っいて」


 そんなことで集中力を乱していたら、手元が狂ってぶすりと針を指に刺していた。痛い。こういう痛みはリアルなんだね。でも、血までは出て来なかった。ゲームだからかな?


「だ、大丈夫ですかっ……!?」


 慌ててる。それはもう、飼い主の周りをくるくる周って、僕はどうしたらいいですか、って荒ぶる犬みたいになってる。可愛い。


「大丈夫。少し刺しただけ」

「刺しただけ!? や、やばいですよ……」

「手芸してたら、たまに良くあることだよ」

「たまになんですかっ? 良くなんですかっ!?」

「……たまに良く、だよ」


 大丈夫だよーって手をひらひらさせてアピールする。

 

 それにしても、私は結構な頻度で使っちゃうんだけど『たまに良く』って言うよね?

 使っている感覚としては、殆ど起きないんだけど、その物事が起きるとまた起きた!って思うから、良く起きてるなーみたいな。実際にはたまになんだけど、自分の感覚としては良くあることなので、『たまに良くあること』って感じ?

 今回で言うなら、ほぼ刺さないんだけど毎回一度、二度はあることだよ、って意味で使った感じ! ……こんなのどうでも良いか。




 

「できたー」

  

 〈旅人レベルが5に上がりました〉

 〈スキルポイントが2付与されます〉

 〈裁縫レベルが2に上がりました〉

 

 指に針を刺すっていう事故も乗り越えて、ついに完成。

 襟元と袖口に刺繍が煌めいていて、初期からはかなり見違えた。刺繍糸が、角度を変えるたびに光を帯びて輝く姿は、まるで森の木漏れ日のよう…………なんちゃって。

 でも、そんな感じにキラキラしていて、オシャレだ。初期生産セットなのに、かなり良い刺繍糸だったから大満足。


 刺している時も、絡みやすいとかもない刺しやすい糸だったからね。刺繍糸ももっと種類が欲しいし、買えるお店を発掘したいなあ。


「わぁ……凄い…………初期服じゃないみたいですね!!」


 そうだろうそうだろう。もっと褒めたまえよヨツバくん。装備欄から『付ける』を選択して、着る。……今までインナー姿だったのは突っ込んではいけない。ゲームだし、体のラインすら分からない謎素材インナーだからセーフだってことで。


「わぁっ、格好良いです!!」

「ありがとう」


 ふふっ、いっぱい褒められて嬉しい。絶対ドヤ顔してる。人間誰しも称賛の声に弱いもの、仕方ない。

 そして、時間を見て驚いた。3時間も経ってる。……まぁ、刺繍をしてたら仕方ないんだけどね。刺繍するところが狭い範囲だったおかげで、これでもかなり早く済んだ方だし。

 

「…………3時間も刺繍見てるだけでつまらなくなかったですか?」

「いえ! 楽しかったです!! 僕、不器用なので自分では出来ないので、こういうの見るの大好きなんです」


 ヨツバくんは、普段もハンドメイドの作業動画をよく見ているらしい。だから、ゲーム内とはいえ、生で見れて凄く嬉しかったそうだ。……そんなこと言われたら、私まで嬉しいよ。


「また暇なときは見においで」

「! 良いんですかっ僕来ちゃいますよっ……!」

「いつでもおいで」


 ……それにしても、イケメン声の『おいで』って破壊力高いなあ。自分で、喋ってるのに声音が違うの脳みそがバグる。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ