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VRMMOの世界で怖いお兄さんをしています〜本当はVRでお茶会エンジョイしたかっただけなのに〜  作者: 春咲 イブキ
第1章

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第10話 床ドン


「……ごめんなさい……本当…………」

「いえ、こちらこそすみませんでした……」

「いえっ、あれは僕が悪いんですっ……ごめんなさい………。あぁ、恥ずかしい……」


 只今、ヨツバくんは真っ赤な顔を両手で覆って、蹲っている。その状態で、ごめんなさいbot(だけを繰り返す状態)になってしまった。もちろん、床ドン状態は脱しました。

 うん、私も気まずいし恥ずかしい。助けようとして共倒れ、って一番駄目だと思うんだよね。あそこで私が助けに入らなければ、ヨツバくん一人で倒れちゃっただけで済んだのに。

 …………そしたら、あんな、床ドンみたいなことにはならなかったのにね。


「…………頭は打ちませんでした?」

「っ、は、はいっ、打ちませんでした!! 助けて下さってありがとうございます!!」


 ヨツバくんは、両手で顔を覆ったままばっと顔を上げて大きな声で応えてくれる。……まだ顔は赤そうだけど、一応、元気そうで良かった。


「それなら、良かったです。……えっと、取り敢えず、セーフガードオンにしときますね」

「そッ、そうですねっ……! 僕も、変更しますッ……!」


 よし、これで、もうああいう事故は起こらないね。……起こらない、よね……?

 正しい(?)床ドンや壁ドンって体に触れないから、あの状態はまた起きる可能性があるな、とか考えちゃった。

  

 ………………それはそうと、ヨツバくんの中身、男の子だと思ってたけど、実はリアル女の子の僕っ娘だったりする? 私は、リアルでは生物学的女性をやらせてもらってますけど、私以上に女の子の反応をしているなって。つまり、可愛いすぎるんですけど。ちょっと可愛すぎて、キレそう。


 困ってる子を見て可愛いなんて思っちゃいけないんだけど、でも、めちゃくちゃ可愛いんだもん……。


 たまに、うぅって呻きながら首を振るから、その度おさげがふりふり揺れるのもとても可愛い。おさげにお花とか飾っても可愛いだろうなぁ、飾りたいなぁ。またヘアアレンジさせてもらいたい。


 ……既に先のこと考えちゃってるや。この気まずいのを乗り越えて、これからも仲良くできたらいいなぁって、考えてる。



 ヨツバくんはどうだろう。

 もう顔は合わせたくないかな?


 ちらりと確認したら目があった。ぴゃっと飛び跳ねて目を逸らしたヨツバくんに少し傷付いたけど、またすぐに目が合って、窺うように見られる。ヨツバくんの顔は、先程までは顔全部が真っ赤だったのが、目元だけほんのり赤く色付くくらいに落ち着いている。


「あの、……あの、騒ぎすぎましたっ。落ち着きました、たぶんっ!」


 多分なんだ。


「えぇっと、えぇっと、……もし良かったら、普通のフレンドとしても遊んでくださいッ! 一緒にモンスター討伐とかもネイビーさんと行きたいですっ」


 えっ、以心伝心? 嬉しい。

 

「! 俺もぜひ行きたいです。……あ、俺、かなりのエンジョイ勢なんですが大丈夫ですか? その、弱いと思います」

「大丈夫ですっ、攻略よりかは、一緒に遊ぶのを目的に遊びましょう……!」


 嬉しいっ。実際に戦闘をしてみるまでは油断出来ないけど、可愛い髪型に全力投球しちゃう子がエンジョイ勢じゃない訳ない、はず! わちゃわちゃ楽しめたら嬉しいな。


 

「あぁ……まだ、顔が熱い気がします……」


 ……パタパタと顔を手で仰ぐヨツバくんの美少女具合が凄まじすぎて、無言で写真を撮って、無言で送りつける。


「……? なんですか……って、わっ、めっちゃ可愛いですねっ僕!?」


 自画自賛もしたくなるくらいの美少女具合だよね〜〜。わかるわかる、私も自分の顔見て凄まじいイケメン具合に格好良っ、ってなるもん〜。

 ヨツバくんは、水色のおめめをキラキラさせて写真を食い入る様に見ていて、それだけで素晴らしく可愛い。天使ってこういう子のことを言うんだろうなあ。


 

 そう思っていたら、パッと顔を上げたヨツバくんが、次の瞬間びっくりした顔をする。


「わっ……!? あれってもしかして『初めての生産道具』ですかっ!?」

 

 急に勢いが凄くて、圧に押されながら、コクリと、頷く。

 

「すごいっ、ネイビーさん器用なの分かってましたけど本当器用ですねー!! エッ効果は何か聞いてもいいですか?」

「…………効果?」

「エッ、……えっと、あんまりワーチャ、……ワールドチャットとか掲示板見てないですか? ネタバレとか嫌なタイプですか? そしたらごめんなさい」


 早い早い。喋るのも謝るまでも早すぎる。


「今日は見てる時間がなかっただけで、他のゲームではよく見てますよ。ネタバレもストーリーじゃなければ気にしません」

「あぁ、良かったですっ……」

「それで、効果、というのは……?」

「えっとですね、『初めての生産道具』の箱に彫刻をするとランダムでステータスアップが付くらしいんですよね。僕は試して見てないので分からないんですが、魔力アップと運アップが確認されていたはずです。…………あっ、アップは『初めての生産道具』を使った生産のみにしか効果はないらしいです……」


 だから、魔力アップしても効果はあるのかよく分かってないらしいですね、と続けられた言葉に、なるほどと頷く。

 

「詳しくありがとうございます」

「いえいえっ。あのっもし良かったら、一度持ち物にしまって、効果の確認をしてくれませんかっ!? 何の効果か気になりますっ」

「分かりました」

 

 私もどんな効果が付いているか気になるしね。

 出来れば生産に使い勝手のいいパラメータが出てほしい、と願いながら確認してみた。


「…………お、器用アップだそうです」


 やった! かなり良くない??

 絶対、一番生産に関わるのは器用だろうし、これはでかい。嬉しいな。


「すごいっ、器用アップですか……! めちゃくちゃ良いじゃないですかっ!」

「やっぱりそうですよね」

 

 えへへ。どやぁ。

 

「β版の話では……。あっ、β版の話って大丈夫ですか? 聞きたくなかったら話しません」

「器用さについてですか? それなら聞きたいです」

「わ、良かったです」

 

 そう言って笑顔を浮かべた美少女は、詳しく教えてくれた。

 教えてくれたことを要約すれば、器用が上がることによって、細かい作業が得意になるし緊張での手ブレも減るらしい。ヨツバくんではなく、どこかの生産職の誰かさんの経験則らしいが、器用が上がれば上がるほどミスも減るらしいし、どう手を動かせば上手く出来るか、とかも判断がつくようになるらしい。……慣れたからじゃない?と言われたらそれはそれだけど、だって。

 あと、他のステータスも細かく入り組んでいそうで、検証はしきれていない、とのこと。体感では、敏捷を上げると生産スピードが上がる、とかもあるらしい。

 攻撃力を上げていた戦闘職メインの人が生産をしたときは、力作業のスピードが他の人よりも速かった、とかもあるらしく、器用だけを上げるのじゃ駄目なんじゃないか、ってのが今のところの予想が立っているらしい。


 ほぇぇ、って感じ。


 そのままステータスについての説明も始まった。

 なんか、取るスキルによってレベルアップでのステータスの上がり幅が変わってくるらしい。FJOだと、ステータスに割り振るポイントがないので、上手く調整出来なくて困る、とかそういう話。何もスキルを取っていなかったら、ステータスは均等に上がっていくらしい。

 上げたいステータスを、他のゲームよりも装備を使ってしっかり上げていかないといけないゲーム、みたいな締めだった。


 ……私、正直、ステータスとかよくわかんないから、ステータスにポイントを割り振るシステムなくてよかったーって呑気に安心してたんだよね。他のゲームだと、オススメで割り振る、とかあったらオススメを選んじゃってたタイプ。

 そう言うノリじゃ難しいのかな?

 上げたいステータスのことを考えてスキル取ったりとかも必要みたいだし、難しいなぁ。

 

「……あ」

「どうしました?」

「そう言えばスキルポイントを使ってないのを思い出しました」

「…………もしかして、一度もスキルを取得していないってことですか?」

「そうです。あと、さっきのヘアセットでもスキル解放と旅人レベルが上がって増えました」

「…………」


 私の答えを聞いたヨツバくんは、吃驚仰天を正しく体現したかのような姿になってしまった。何から言って、何から話せばいいんだ、って顔に書いてある。……なんかごめんね、ヨツバくん。あと、内心ではずっと『ヨツバくん』呼びなのもごめんね。

 実際に呼ぶときは『ヨツバさん』って呼ぶように気を付けるから許してください。



 

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