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鉄と真鍮でできた指環 《3》 ~災厄の首飾り~  作者: とり
 第3幕 ホープ・ダイヤ
32/59

32.宿題、いやや。




   ・前回のあらすじです。

   『和泉いずみが【災厄さいやくの首飾り】についてしらべるため、【病棟びょうとう】をぬけだす』







   〇



 和泉(いずみ)は【転移の(じゅつ)】を唱え、【宿舎(しゅくしゃ)】に飛んだ。

 エントランスから男子棟に()れ、階段を駆けあがる。研究室(けんきゅうしつ)内蔵(ないぞう)する、自分の部屋へと急ぐ。


「クロ!」

 ばん!

 扉を()けるなり、和泉は使(つか)()少年(しょうねん)()んだ。


「あ、せんせー」

永城(ながしろ)!?」

「やっと帰ってきたなー」

 返事をしたのは、『弟子』の永城 壮馬(そうま)だった。


 【学院】には、担任の下で(まな)ぶ『教室(クラス)』と、それとはべつに、『認可にんか』を受けた学内(がくない)の【魔術師(まじゅつし)】に師事し、その監督のもと教育(きょういく)を受けられる、『師弟してい』というシステムがある。

 この、『師弟』においては、学院長(がくいんちょう)から「分相応(ぶんそうおう)」の判断(はんだん)を受けた魔術師であれば、師匠になるのに『(くらい)』や『年齢(ねんれい)』は関係ない。講師でも、なんなら、生徒でもなれる。

 教員(きょういん)を上まわるちからと知識を持つ魔術師は、【学院】(ない)においては、めずらしくないのだから。


「なんでウチに?」

 和泉(いずみ)()のまえの(おとこ)に訊いた。(ちゃ)色に染めた短髪(たんぱつ)の、のっぽの青年(せいねん)に。

(なつ)やすみの宿題」

 永城(ながしろ)は、勝手に出したのであろうスツールから立ちあがった。手にした(かみ)(たば)を、パンと叩いて。

「オレ、ぜんっぜんやってへんねん。せやから(いま)、あっちこっち先生に頼んでまわって、免除(めんじょ)してもろてんの」

「あほか! ちゃんとやれ!」

「失礼やな。やった(ぶん)もあるよ」

「ああ……」和泉(いずみ)は痛む(あたま)をかかえて言った。「じゃあ、まだマシなほうか」


かね出してな。代行してもろてん」

「やりなおせ!」

 肩を怒らせて、ずんずん和泉は()っていった。永城(ながしろ)に、ずいっと(ゆび)を突きつける。

「オレは(みと)めんぞ! そんなもん!」

「えー?」

「てゆーか、クロは!?」

「しらん」

 和泉(いずみ)は部屋を()まわした。

「オレが来たときから、おーへんかったで」

「……。まだ帰ってきてないのかな」

 自分の使(つか)()を探しに、別の部屋へ行く。




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