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鉄と真鍮でできた指環 《3》 ~災厄の首飾り~  作者: とり
 第3幕 ホープ・ダイヤ
30/59

30.医療(いりょう)について




    ・前回のあらすじです。

    『和泉いずみが【病棟びょうとう】で目覚める』


    (今回は、ほぼ説明だけの回です)






 ――【魔術(まじゅつ)】の世界である【裏】には、(おお)きく分けて、ふた(とお)りの医療(いりょう)がある。


 ひとつは、科学的な――近代以降に発展(はってん)した、『細菌学』や『解剖(かいぼう)学』に重点(じゅうてん)をおく、いわゆる『臨床(りんしょう)医学』にもとづく治療(ちりょう)である。

 『投薬』や『手術(しゅじゅつ)』を(おも)治療(ちりょう)行為とし、これの行使には【(おもて)】の日本(にほん)同様(どうよう)に、『医師免許(めんきょ)』がいる。また、手術は『外科(げか)医』以外にはみとめられない。薬をあつかうにしても、『薬剤師(やくざいし)資格』が必要(ひつよう)である。

 【裏】で単に『医者(いしゃ)』または『医師』と言うとき、特別な場合(ばあい)をのぞいて、医師免許をもつ――いわゆる、『お医者さん』を差す。先ほどのガレノスは、『医者』である。


 ――もうひとつは、【魔術(まじゅつ)】による治癒(ちゆ)行為である。【魔術師(まじゅつし)】が呪文(じゅもん)(とな)え、傷痕(しょうこん)やかるい病毒(びょうどく)を完治させるのがそれにあたる。また、【魔法薬(まほうやく)】を用いて、ケガや病気(びょうき)を治すこともふくまれる。

 これらは単に【医術(いじゅつ)】と()ばれ、免許はいらない。その理屈は、魔法(まほう)のない世界であるところの【(おもて)(りゅう)にいえば、『民間療法(みんかんりょうほう)』をほどこすのに、専門的な資格がいらないというのに近い。

 「いたいのいたいのとんでけ」や、「ネギを首にまく」などが有名(ゆうめい)だが、これらが無免(むめん)でやっても問題がないのと(おな)じように、【魔術】における治療(ちりょう)は、法的(ほうてき)看過(かんか)されている。

 【表】の〈おまじない〉とはちがって、【魔法薬】にも【呪文】にも、たしかな効果があると認められているにもかかわらず、だ。


 理由(りゆう)としては、【魔法薬】と料理(りょうり)の境目が、あいまいであること(あくまで【裏】の基準(きじゅん)である)。呪文による治療は、影響(えいきょう)範囲(はんい)がたかが知れており、また被験者に対する『リスク』も低く、試験をおこなうほどの専門知識や技術(ぎじゅつ)必要(ひつよう)としないなどが()げられる。


 (ぎゃく)に、科学的……。臨床(りんしょう)的な医療は、治療できるカテゴリがひろい(ぶん)精密(せいみつ)な検査や設備、それらを使いこなす『知識』。なにより『技術』が求められる。


 ちょっとしたのどの痛みは『しょうがシロップ』で緩和(かんわ)できても、肺炎(はいえん)クラスになると『医薬品』に頼らざるを得ない。というのが、【裏】の医療の実情(じつじょう)だ。

 ――(おお)ケガもしかり。




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