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鉄と真鍮でできた指環 《3》 ~災厄の首飾り~  作者: とり
 第2幕 災厄(さいやく)の首飾り
25/59

25.不幸(ふこう)



   ・前回のあらすじです。

   『カリオストロの魔法まほうによって、広場ひろばになる』





「ブリーシンガメンか。こんなバカみたいなちからをぽんぽん使えるようになるなんて……。危険だな」

「ええ。ですが、あの首飾りのほんとうの恐ろしさは、こんなものではありません」

「マジか」

 和泉(いずみ)屋根(やね)のうえで()がまえた。

 持ち(ぬし)である【魔術師(まじゅつし)】に、膨大(ぼうだい)魔力(まりょく)をあたえるアクセサリー、【ブリーシンガメン】。しかし和泉たちが()にしたのは、まだその恐怖(きょうふ)の一端でしかないと、ウォーリックは言う。


(これ以上(いじょう)にめんどうな能力(のうりょく)を、あのネックレスが発揮できるっていうなら……。ウォーリックだってどうなるか、わかったもんじゃないぞ)

 いま、カリオストロにねらわれているのはウォーリックだ。いくら『ひばりの技法(ぎほう)』が使える彼女(かのじょ)でも、【増幅器】を持った魔術師(まじゅつし)があいてでは()がわるい。

 だが、ねらわれている当人たるウォーリック自身はすずしいものだ。

 すっ。

 ウォーリックの指先(ゆびさき)が動く。

 地上(ちじょう)()いているカリオストロを、民家(みんか)つま屋根(やね)から差し(しめ)す。


「クラリスを、よく()ていてください」

「えっ?」

 和泉(いずみ)はカリオストロの身を(あん)じた。

(まさか、怪物にでもなっちまうのか!?)

 そして変化は、あまりにも唐突におとずれた。


 ぼこん。


「きゃああああ――!」

 (あし)もと。

「――ああああ!! ああああああ………………」


 カリオストロの足もとに、あっというまにひびがはいり、そのちいさな身体を地下へとぽかりとあいた『穴(あな)』にのみこんだのだ!


「つまり……、」

 和泉(いずみ)は、あっさりと広場(ひろば)から地面(じめん)のしたへと退場(たいじょう)した少女(しょうじょ)を、意味(いみ)もなく建物(たてもの)のうえからのぞきこんだ。ウォーリックに()で問う。

 ウォーリックはどこふく風……というより、薄情(はくじょう)横顔(よこがお)のまま。

「そう、ブリーシンガメンは、『術者(じゅつしゃ)の不幸』を(かて)に、魔力(まりょく)強化(きょうか)させる【マジック・アイテム】。だからわたくしも、オークションにでているのは知っていましたが、『だれが買うのかしら?』と(おも)って、手をだすことはしなかった」

(おし)えてやれよ。もっとまえに」

「いやですわ」

 きっぱり。ウォーリックは和泉をみつめかえした。


 広場のクレーターにできた、ひとつの(おお)きなおとしあな。そのはるかしたのほうから、「たすけて―。たすけてー」と聞こえてくる。


「もう安全(あんぜん)かな?」

「まったく、毎日(まいにち)毎日、めいわくよねえ」

「へいわがほしい」


 あっちこっちのストリートからぼやきながら、のろのろと人がもどってくる。

(まあ、つめたい下水道(げすいどう)で、すこし(あたま)をひやすのもよさそうだ)

 和泉(いずみ)はしばらく、カリオストロをたすけに行くべきかまよった。が、そのままにしておくことにした。

 それがだめだった。






   ・以上で、『鉄と真鍮しんちゅうでできた指環ゆびわ《3》 ~災厄さいやくの首飾り~』の、今年(2022年)の投稿とうこうは終わりです。


       んでいただき、ありがとうございました。



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