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鉄と真鍮でできた指環 《3》 ~災厄の首飾り~  作者: とり
 第2幕 災厄(さいやく)の首飾り
23/59

23.恨み



   ・前回のあらすじです。

   『カリオストロが【首飾り】を自慢じまんする』






「まあ。たしかに、いまの我がカリオストロ()状況(じょきょう)をみれば、祖先のはなしを持ち出すのは、ナン・センス。それはみとめます。ですから、最近のはなしをしましょう、ウォーリック。貴女(あなた)がこのわたくしにしでかした、(むご)い仕打ちの数々(かずかず)を!」

「と、いわれましても」

 どおん!!!

 ウォーリックが言い()えるまえに、彼女(かのじょ)耳元(みみもと)爆音(ばくおん)がした。

 となりに立っていた植木が、(けむり)をふいてたおれる。

 近くで(あそ)んでいた子どもたちが、()きだす。


 家々から大人(おとな)たちが飛びだしてきて、わが子をかばって、さっさと屋内(おくない)避難(ひなん)させた。

 カリオストロの手のなかで、首飾(くびかざ)りのダイヤが黒くまたたく。


「すっとぼけたってむだですわ。わたくしが(よっ)つのとき。あなたはわたくしが必死にあつめていた、『猟奇殺人鬼(りょうきさつじんき)カード』をさらっていった」

「おまえ、なにやってんだよ……」

 和泉(いずみ)はたまらずつっこんだ。もちろん、ウォーリックに。

 ウォーリックは肩をすくめて弁解する。

「戦利品ですわ。カード・ゲームで勝ったから、ほしいものをもらっていっただけです」

「だからって、きらきらの『スペシャル・カード』をぜんぶ取っていくことないでしょう!」

 きーっ! とカリオストロはじだんだ踏む。その手のなかでまた【ブリーシンガメン】が反応(はんのう)した。今度は和泉のそばで、爆発(ばくはつ)()こる。

「どわっち!」

 ベンチがこっぱみじんに吹き飛んだ。

 カリオストロのうらみごとはまだつづく。爆発をともなって。


「六才のとき、わたくしの初恋(はつこい)のあいてのサリーを()った!」

「むこうが勝手に(あそ)びにさそってきただけです」

 (あたま)をねらう爆撃(ばくげき)を、すんでのところで(よこ)()をたおしてよけて、ウォーリック。かかえていたカステラが、ばらばらと地面(じめん)にこぼれる。

(やっ)つのとき! わたくしがたのしみに取っておいたショート・ケーキのいちごを食べた!」

「……いらないのかと(おも)って」

「そんなものにも()して……。なにより……、」ぶるぶる。カリオストロは全身をわななかせた。「なんより、このわたくしが……っ! ゆるせないのが……!!」


 彼女(かのじょ)のかなしみに(子どもじみているが、この少女(しょうじょ)にとっては、とてもつらい(おも)ひ出なのだ。)呼応(こおう)するように、【災厄の首飾り(ブリーシンガメン)】から、凶禍(きょうか)の閃光がほとばしる。

「わたくしが……。十才(じゅっさい)のとき!」

「つまり、わたくしが、十二(じゅうに)才のときですわね」

「ええいっ! どっちもおじょうさま口調(くちょう)でややこしい!!」

 ウォーリックの注釈(ちゅうしゃく)に、和泉(いずみ)が歯噛みした。そのとき!

 ――ぼごおおお!!!!

 広場(ひろば)全体を、カリオストロの熱衝撃波(ねつしょうげきは)が吹きとばした。



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