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鉄と真鍮でできた指環 《3》 ~災厄の首飾り~  作者: とり
 第2幕 災厄(さいやく)の首飾り
21/59

21.ひいおじいさま



   ・前回のあらすじです。

   『和泉いずみがカリオストロにほめられる。やったあ!』







「そう。わたくしたち一族(いちぞく)は、たしかに有能(ゆうのう)でした」

 カリオストロが、ふたりのまえで(おお)きくうなずく。腕組みをして。

「それが、そこにいる『ウォーリック』のひいおじいさまによって、人望をうばわれ、権力(けんりょく)の座をうばわれ、すべての領地(りょうち)を、かすめ取られてしまったのです!」

「そうなのか?」

 和泉(いずみ)はうろんな()つきでウォーリックをにらんだ。ウォーリックは頭痛(ずつう)をこらえるしぐさである。

「ええ。カリオストロ()は、魔術(まじゅつ)の才はあっても、領地(りょうち)の経営がへただった。そこでわたくしのひいおじいさまがてつだいを買ってでたのですが、あれよあれよという間に領民(りょうみん)をてなずけ、尖兵化(せんぺいか)し、カリオストロの領地(りょうち)を切り取りにかかったのです。外堀(そとぼり)からうめていくかたちになりましたが、最終(さいしゅう)的には、当主(とうしゅ)のカリオストロ本人(ほんにん)と壮絶な魔術(まじゅつ)合戦(がっせん)をくりひろげ――」


 (あたま)をかかえて、ため息をつく。


素養(そよう)()。とでもいいましょうか。わたくしの曽祖父(そうそふ)勝利(しょうり)をおさめました。そして、そこのクラリスが言ったとおり、彼女(かのじょ)の先祖の土地も、権限も、すべて『ウォーリック()』のものとなったというわけです。もっとも、【貴族同盟(きぞくどうめい)】をはさんで土地は分配(ぶんぱい)されたため、わたくしどものほうにのこったのは、ごくわずかにすぎませんが」

(ふーん。……って、)

 ――クラリス?

 ウォーリックの呼称(こしょう)が気になったものの、和泉(いずみ)はスルーした。

 ウォーリックがつづける。世間話(せけんばなし)でもするみたいに。


「でも、カリオストロ家はいま、商家(しょうか)としてなかなか()のとおっていたはず。財産だって、以前よりはるかにうるおっていると聞きますわ」

「ほほほ! よくごぞんじですのね! もっと言ってちょうだい!」

(なんだこいつ?)

 くちに手をあてて得意気とくいげに笑うカリオストロに、和泉(いずみ)


「だから、うらまれるいわれはないのですが」

 とウォーリックは言っているが、カリオストロは聞いていない。

 カリオストロに、和泉(いずみ)はこまった(かお)をした。とてもこまった顔をした。

「なので、クラリス。わたくしがあなたのままごとにつきあう道理はありません。あばれたいのなら、あなたのお兄さまがたにでも言って、専用(せんよう)のお人形(にんぎょう)でも買っていただきなさい」

「そういうわけにも、まいりませんわ」


 ――ぎらっ。


 カリオストロの胸元(むなもと)で、強烈(きょうれつ)魔法(まほう)の光が輝いた。和泉(いずみ)はサングラスの(おく)で、義眼のはまった()をほそめる。ウォーリックが、はっと息をのむ。



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