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鉄と真鍮でできた指環 《3》 ~災厄の首飾り~  作者: とり
 第2幕 災厄(さいやく)の首飾り
14/59

14.破壊魔(はかいま)



   ・前回のあらすじです。

   『まちで【賢者】が、【自衛団じえいだん】とすれちがう』





   〇



騒々(そうぞう)しい)

 【トリス】の(まち)広場(ひろば)で、ウォーリックもまた、天をあおいでいた。

 【自衛団(じえいだん)】のがなり声。せわしなく立つ砂ぼこり。

 どおん! と断続的にうなる、【魔術(まじゅつ)】の爆撃(ばくげき)


「わー!」

「きゃー!」

「かいじゅうだー!」

 とはしゃぐ、こどもたちの声。


 ――『立ち食いははしたないからやめなさい』と、敬愛(けいあい)する(はは)にはよく言われるものの、なかなか()()なので、やめられない――。近所(きんじょ)の屋台で購入(こうにゅう)したミニ・カステラを、(かみ)袋からつまんでくちにほうりこんで、ウォーリックはひきつづき煙を見あげた。


「おーほほほほ!!」

 と、(とお)くから下品な声がする。【飛行魔術(まじゅつ)】は使っていないようで、珍妙(ちんみょう)な影(爆撃犯(ばくげきはん)である)は、民家(みんか)屋根(やね)忍者(にんじゃ)みたいに跳んでわたっていく。

 おたずねもののビラは、遠出(とおで)から【学院(がくいん)】に帰ってきてすぐ、【トリス】にでかけたさいに、ウォーリックは手にいれていた。その『おたずねもの』――背中に(おお)きな『太陽(たいよう)』をせおった人影が、したっ! したっ! と、屋根から屋根へと、飛びうつる。


 こちらへ。

 ――広場(ひろば)へ。

 もっとも、本人(ほんにん)はねらってわざわざこちらに接近しているわけではないだろうけれど。


 ウォーリックは、()のうえに片手でひさしをつくっていた。手首のブレスレットに陽光(ようこう)反射(はんしゃ)して、けわしく光る。

 長い黒髪(くろかみ)が背中をなでた。風がふいたのだ。


 太陽の直射(ちょくしゃ)をよけた、むらさきがかった黒い(ひとみ)。あかぬけた、薄紅(うすべに)基調(きちょう)とした、タイトなドレスの魔女(まじょ)――メイ・ウォーリックは一瞬(いっしゅん)、日のもとにあらわになった『破壊魔(はかいま)』の()をつぶやいた。

 若干(じゃっかん)のあきれをともなって。


「クラリス……」



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