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第一話 女子高生とおじさんと狩猟ゲー

もし少しでも面白い、続きが早く読みたいと思っていただけましたら、評価、ブックマーク、レビューをお願い致します。


作者の別作品、異世界救った帰還勇者だけど魔法少女の使い魔始めました。もよろしくお願いします。


https://ncode.syosetu.com/n2603hm/

202X/07/24


サイズが合わずブカブカのTシャツとハーフパンツに着替えたナミが寝室から出てきた。何故か手には枕元に置いてあった携帯ゲーム機が握られている。


「ねぇねぇおじさん、これモン○ン?やっていい?」


携帯ゲーム機本体と一緒に持ってきたのは封すら切っていない某モンスターハンティングゲーム。買ったはいいが手を付けずに半年程寝かせていたシリーズ最新作だ。


「なんだ、今時の女子高生はモン○ンなんてやるんだな」

「小学生の頃にクロスやってたからね。その後はゲームどころじゃなくて全然触ってなかったけど…」


言葉を濁すナミ、パパ活してまで頑なに家に帰らず、身体を差し出してでもこの部屋に居座ろうとするくらいだ、恐らく家庭環境は複雑なんだろう。


クロスのシリーズからやっていないって事は約六年ぶりのモン○ンって訳か。


「んじゃ俺もやるか、結局買ったはいいけどやる時間なくてな。誰かと一緒に始めた方がクエスト進めるのも飽きなくていいし」


そう言ってテレビの電源を入れ、Sw○tch本体をテレビに接続する。いつもはこちらのテレビと接続できる機種を使い、携帯用の一回り小さい本体、通称ライトは寝ながらプレイする為に枕元に置いていた。


「おじさんゲーム好きなん?Sw○tch二台持ちとか、もしかしてお金持ち?部屋も綺麗で一人暮らしにしては広いし」

「おいおい、俺の年収とかゲーム好きだって事はマッチングアプリのプロフィール欄に書いてあっただろ、見てないのか?」

「あはは、ちゃんと見てる訳ないじゃん。エリアが近くていいねくれた人には殆どいいね返すし。それで場所と条件伝えたら会ってご飯食べに行ってお小遣い貰ってバイバイだよ」


俺とナミが利用していたマッチングアプリは、男性側はポイントを使って気になった女性にいいねを送る。女性側からもいいねが貰えればマッチング成立となり、二人で会話できるメッセージ機能が使えるようになる。ちなみにメッセージ送信にもポイントがかかる。


あ、女性はいいねもメッセージ機能も無料どころかアプリの基本料金も無料ね。マジおかしいよな、このシステム。男ナメてんのか。


無料なのをいい事に手当たり次第でいいねして、連れたおっさんとパパ活交渉、確かに効率も良いし、マッチングアプリは男性側は厳しい本人確認があるからヤバい客が少なくていいとナミは笑いながら言っていた。


「おじさんに声かけてラッキーだったかも。お金持ちだし、ゲーム一緒にやってくれるみたいだし、私の事助けてくれたもんね、池袋駅で」


ナミに生返事をしながらネットワーク上でモン○ンのソフトを購入、支払いは登録してあるクレジットカードで決済。ダウンロード完了まで十分とテレビ画面に表示されているのを確認してから席を立ってキッチンカウンターの換気扇下に移動する。


「ちょっと一服する。本体は好きな方使っていいぞ。テレビ画面でやるか?ライトでやる?」

「寝転がってプレイしたいからライトでいいよ。」


Sw○tchライトを選んだ理由が全く俺と同じでちょっと親近感が湧いてしまった。ただでさえ一緒にゲームしようと言われて、それなりにゲーマーだった俺はかなりテンションが上がってナミにすっかり気を許してしまっている。何より自宅で可愛い女の子と協力プレイでゲームとかゲーマーの夢じゃないか?パパ活女子だけどさ…


「んじゃダウンロード終わったらやるか。俺は前作やってるから大丈夫だけど、クロスのシリーズ以降やってないなら操作感だいぶ違うと思うぞ?今回狩技も無いし」

「もう六年以上前だしすっかり忘れてるから大丈夫。最初かなり足引っ張ると思うけど許してね」


そう言って笑うナミはフォローよろしく!と言ってソファに腰掛ける。


俺もキッチンカウンターに置いていたガラスの灰皿でタバコを揉み消すとテレビ前のソファに戻った。


二人掛けのソファに並んで座る俺とナミの間には隙間は十センチ程度しかない。多分少しでも動いたら肘が当たる距離だ。


近い、近いよ。

でも女の子っていい匂いするよなあ、ウチのシャンプーとボディソープ使ってるんだから俺と同じ匂いになるはずなんだけど全然違う気がするよ。


ナミは大剣を、俺は片手剣を使ってプレイを開始した。過去作では野良参加の際はヘビィボウガンでサポートに徹する俺だが、序盤はガンナーはあまり使える装備がない為、ストーリーを進めるまでは俺も大剣を使うのが常だった。だけど初心者のナミが大剣を使うと言う事で片手剣を持って幾許かでもサポートしてやる事にした。


チュートリアルを終えて、最初に戦う事になった鳥の化け物を罠で拘束し、動けなくなったところで大きく振りかぶったナミの溜め攻撃が決まりフィニッシュ。


「やった、やった!」

「ちょ、おい、急に抱きつくな」


オーバーサイズのTシャツにブカブカのハーフパンツのまま抱きついてきたもんだから色々と身体に当たっている。しかも中に下着は着けていない状態で、だ。童貞って訳じゃないが十年以上彼女がいない俺には少々刺激が強すぎた。


「わかったからとりあえず離れてくれ」

「あっ、ゴメンね。意識しちゃった?今からでもエッチする?」

「しねーよ!ほら、次のクエスト行くぞ」

「へーい。」


勘弁してくれよ。

部屋に女の子がいるってだけでも十年以上ぶりなのに、そんな誘うような事言われたら自分の理性に自信が持てないわ。


そんな俺を嘲笑うかのように、高校生にしては艶っぽい笑みを浮かべて、ナミは言った。


「これからよろしくね。お・じ・さ・ん」


本日も閲覧ありがとうございました。

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