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「超高層ホテル52階バスルーム・謎の完全犯罪」  作者: 嘉宮 慶
第五章  特殊犯捜査第七係の凄腕
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8話  所轄が掴んだ証拠


 五月二十六日十四時 


 三森刑事が捜査本部に戻ると主任のデスクに橋本刑事が手にDVDケースを

持って早足で近づいて行く所だった。


「橋本さん、何か出ましたか?」

 慌てている橋本刑事を呼び止めて三森が訊くと

「ちょうど良い、これから主任に報告するところだったんですよ。一緒に訊いて

ください」

 手にしたDVDケースをかざした。

 三森は五十嵐を探した。

 部屋の隅でコピーをしていた。

 手を挙げ五十嵐を呼んだ。

「実は聞き込みを飲食店関係から範囲を広げたところ、吉祥寺駅前の東急ホテルで

有力な聞き込みがありました。グレーの品の良いスーツを着た男が、事件当日の

午後七時頃チエックインして十一時頃精算している映像がフロントの防犯カメラに

残っていました。顔は不鮮明ですが、メルクスの香坂役員によく似ています。

フロントで精算を担当したベルボーイに香坂の写真を見せたところ、似ているが

確信が持てないと話しています。これが映像の入っているDVDです」

 橋本刑事は主任のデスクに置いた。

「鑑識の部屋で見よう。五十嵐君セットしておいてくれるか」

 五十嵐が小走りに鑑識の部屋に入っていった。

「何か話さなかったんですかね」

 ベルボーイと香坂は、言葉を交わさなかったのか?

 歩きながら訊くと

「泊らずに帰られるので変だなとは思ったが時々そういうお客さんもいるので

特別な会話はなかったと……」

 橋本刑事は素っ気なく、そう答えた。

 鑑識のモニターにホテルのカウンターが映し出された。

 時刻が画面の下で動いている。

 四月二十二日十九時十二分を表示したときにグレーのスーツの男がフロントに

やってきた。

 カメラはフロントの右上部にセットされていて顔は上から見下げるアングルに

なっているが識別は出来る。

「おお―ちょっとストップ! これは、香坂本人だな」

 主任がそう云って頷いている。

「確かに香坂ですね。十九時十二分か……」

 三森が、本人で有る事と時間を確認した。

 主任が所轄の橋本刑事の肩をポンと叩いて労っていた。

 村上刑事の頬が緩んだ。

「精算の場面まで飛ばしてくれ」

 主任が鑑識の担当に云った。

 画面が早送りされた。

 画面は二十二時五十三分を表示して画面が停まった。

 その画面は香坂がカウンターの上に部屋の鍵を置いた状態で停まっていた。

「画面には一人だけですね。榊はどこにいるんでしょう?」

 五十嵐が振り返って主任を見た。

「一人だな……先を見よう」

 再び画面が動きだした。

 香坂はカードで精算を終えカウンターから去った。

 画面はベルボーイが一人になって客は映っていない画面になった。

「やっぱり一人か?」

 主任が首を傾げた。

「先に駐車場の車に乗せたか?」三森が呟くと

「そうか!」

 五十嵐が突拍子もない声で叫んだ。

 主任・三森刑事・橋本刑事は思わず首を竦めた。

 主任が五十嵐を一瞥してから橋本刑事に

「橋本刑事、ホテルに電話して当日香坂は車で来たのか? 訊いてくれ」

 


 橋本刑事は、携帯を出しホテルと話し始めた。

 暫くホテルとやりとりし電話を切ると

「車で来たそうです。何でも『駐車場は大丈夫か?』と何度も念を押されたので

覚えていたそうです」

「主任 香坂の車を押収しましょう」

「よし!三森・五十嵐はメルクスの本社に行って本人に事情を聴いてくれ。

橋本君は、西刑事と香坂の自宅から車を押収して所轄に運んでくれ。

俺は、小松管理官に押収の了解を貰っておく」



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