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「超高層ホテル52階バスルーム・謎の完全犯罪」  作者: 嘉宮 慶
第五章  特殊犯捜査第七係の凄腕
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5話  暗中模索 その参


 恭子は、バックから別のUSBを取り出し、慶子の前に翳した。

「慶子さん、このUSBには、少しショックな会話が録音されています。真実を

知るためには、辛くても聴いて欲しい」きっぱりと言い切った。

慶子は、小さく頷くと、恐る恐るUSBを受け取りPCに差した。

意外にクリアーに聴き取れる会話がいきなり始まった。

「社長、今宜しいでしょうか?」

「ああ、香坂君か、構わないよ」

「香坂君! 急にどうした? ナンカ怖い顔をしているな!」



「ええ…… 娘さんの事故当日に、居酒屋で娘さんと一緒に飲んでいた男

を突き止めました」

「おお! 探し出したか? で……? 何処の誰だ?」

「それが、私も耳を疑ったんですが、我が社のSV榊のようです」

「なっ! なにいっ――! な、なんで榊なんだ!」

「調査した奈良銀次の話しですと、娘さんが救急車で運び込まれた病院を訪ね。

娘さんの付き添いで救急車に一緒に乗った男について聴いたところ、その男が

榊とわかったという事のようです」

「奈良は次の日、榊の写真を持って居酒屋を何軒か廻ったところ、三軒目の店で

写真の男・榊が娘さんと一緒に飲んでいたと、板前が証言しました」

「そうか? 病院の人は、その男と一緒だったと覚えていたのか?」

「ええ、その男が、差し出した名刺が娘さんの医療記録のファイルに、有った

そうです」

「じゃあ、間違い無いな」

「私もびっくりしました。当時、榊は未だ独身で荻窪に棲んでいました。人事記録

を確認しました」

「もう、間違いない! それにしても何故、榊は梅美と一緒に酒を飲んでいた?」

「榊にその辺の事情を聴いてくれるか? テープを廻して、私に聴かせてくれ」

「社長ご自身で事情を聴かれるつもりは無いですか?」

「私が聴いても、有りの儘を喋るはずは無いだろう。香坂君は榊の仲人だし、

それとなく聞いて貰えれば、本当のところが解ると思うが……」

「解りました。近いうちに事情を聴きます」

「そうだね。そうしてくれ」

 録音はここまでだった。

 慶子と恭子はPCを凝視し社長と香坂の会話を聴き終えた。


「榊は、結婚前、社長の娘さんと付き合っていた様ね」

 慶子が、あっさりと云い、続けた。

「交通事故に遭った娘さんは、どうなったのかしら?」

 慶子は怪訝な眼を恭子に向けた。

「ええ、亡くなられたと思います。それとなく知っていました」

「――と言う事は、交通事故で娘さんが亡くなられた原因は、榊に有ると……?

社長は思っている? …… 恭子さん、そういうことね!」

 慶子は、断定的な言い方だ。

「榊さんが直接の原因とは思いませんが、何かしらの関係があったと……」

 恭子は、語尾を濁した。と言うより確かなことは、恭子にも解らない。

「そうね、会話の最後は榊に事情を聴いてくれと社長が云っていたわ」

 慶子の声に若干の安堵感があった。



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