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18話  新人・事情聴取


 メルクス本社


 受付で警察手帳を出すと新人の廣瀬と次席の田澤が一階に降りてきた。

「廣瀬さんですか?」

「はい、今年入社しました。まだ研修中です」

「田澤さんには事情を少しお話ししたんですが訊いていますか?」

「はい、お尋ねの四月十九日の件ですが、その日は榊さんと一日一緒で『いせや』

にも一緒に行きました」

「店の話ですと、廣瀬さんは別の席で一人だったと……」

「そうです、榊さんは加盟店のオーナーと話が有るから別の席で適当にやっていて

くれと」

「それで一人で飲んでいた?」

「どんな話かわかりますか?」

「席が離れていましたのでわかりませんでした」

 新人の広瀬は緊張の為か言葉が堅く途切れ途切れの返事となった。

「それからどうしました」

 三森は静かに次の言葉を促した。

「先にオーナーが帰られました。榊さんは、だいぶ腹を立てていました」

「腹を立てていた?」

「店を出て行くオーナーの後ろ姿を睨み付けるように、糞野郎! と吐き捨てるよ

うに」

「糞野郎か…… 相手を侮辱する言葉だな」

「そのほかに気づいたことは有りませんでしたか?」

「その他には特にありません」

「どうも、忙しいところ有難う」


 捜査本部に戻る車の中で五十嵐が

「榊は何をそんなに怒ったんでしょう?」

 三森は腕組みをしながら一人で呟いていたが、ゆっくりと一つ一つ確認するよう

に喋りだした。

「ある仮説を思いついた。薬師寺が理不尽なことを榊に頼んだ。依頼の内容を

榊は何らかの理由で断れずに押しつけられた。本来で有れば本部の指示で動く

のが加盟店の宿命だが、その関係が逆転していたとしたら……断れなかった鬱憤を

汚い言葉にして吐き捨てた」

「逆転するとはどんな時か? 考えられるのは相手の弱みを掴んだ時は、そんな

関係があるかも知れない」

 五十嵐も口調がゆっくりになった。

「本来で有れば断れた依頼を断れずに押しつけられた。その理由が何らかの弱みを

握られていたとしたならば……この仮説が成立するが、その弱みとは何んだ?」

 捜査本部に着くまで二人はその弱みについて、頭を悩ませただけで、徒労に

終わった。


 定例の捜査会議が始まった。

 主任は、本日から特殊犯捜査第七係の応援を得て、クラブ嬪の莉音の尾行・

張込み捜査が始まった事を報告。

 順次担当の報告が始まったが、目新しい進展は報告されずに終わり散会した。



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