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16話  再聞き込み


 五月十六日・「いせや」


 三森は店主に警察手帳を見せ、事件の被害者と一緒に飲んでいた男について証言

してくれた店員を呼んで貰った。

 店員はTシャツと汚れたエプロン姿で現れた。

 まだ二十台前半、髭面であった。

 暇な時間帯なのか客は三組ほどで店員は時間の余裕が有りそうだった。

「事件のあった日に一緒に飲んでいた男の印象をもう一度訊かせて欲しい」

「前にも話しましたが、その席に背中を向けて座っていたんです。グレーの

スーツで普通のサラリーマンに見えましたが、背の高さは、百七十五センチから

百八十センチ位でした」

 三森は何枚か写真を出し、

「この中に似た人はいませんか?」

 訊くと、いつの間にか脇から話を聞き、写真を覗き込んだ店員がいた。

 話を訊いていた店員の同僚のようだ。

 三森はその同僚にも写真を見せた。

「前にも見せてもらいましたが、記憶が曖昧で良く覚えていないんです。

すいません」

「謝らなくても良いですよ。沢山のお客さんの顔をいちいち覚えていない

でしょうから」

 すると脇から覗き込んだ同僚が、この人見たことが有ると、一枚の写真を

抜き出した。

「やっぱり……そうだ!この人事件の人と一緒に、そのテーブルで飲んで

いましたよ」

 指さしたテーブルは店の一番奥まったコーナーのテーブルであった。

「待ってください。それはいつですか?」

 

 三森は耳を疑った。

 その写真は、吉祥寺東町店のオーナー薬師寺だった。

 確か薬師寺のアリバイを証明するのは家族だけの筈だが…… 

「事件のあった日の二日ほど前だったと思ったけどな……? 三日前

だったかな……?」

「正確にわかりませんか?」

 三森の言葉が思わず強くなった。

「ちょっと待ってください」

 すると同僚の男はポケットからスマホを出し予定表を繰った。

「わかりました。四月十九日です。この日、自分は夕方から閉店までシフトに

入っていました。次の日は月曜日でここのバイトは休みでしたから」


 犯行日の三日前の目撃情報とわかると三森は自分の早とちりに苦笑した。

「確か遅れて来た人は、もう一人連れがいましたけど、入り口の近くの

テーブルで飲んでいましたよ」

 三森は榊に連れがいた事に戸惑った。

「連れの人は、年格好はどのくらいでしたか?」

「結構若かったですね、まだビジネススーツがしっくりこない社会人に

成り立てのように感じましたが……」




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