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14話  社長秘書の疑問


 五月十三日 メルクス本社社長室 


 香坂役員が、社長室に入るのを見て社長秘書の生駒はキッチンで珈琲を淹れた。

 この時、胃のあたりから突き上げる吐き気がした。

 慌てて流しに上体を倒し嘔吐しようとしたが嘔吐物は何も無く、

ただ「げえっー」と不愉快な声が出ただけだった。

 食べた物に悪い物が無かったか思い起こしたがわからなかった。

 打ち合せ中の二人の前に珈琲を置くと直ぐに下がった。


 観葉植物の鉢の中にICレコーダーを密かにセットしてあった。

 生駒は小早川瑛介を愛していた。

 その最愛の瑛介が自ら命を絶った。

 瑛介のミス? を許されないミスと断罪し死に至らしめた。

 そのミスに深く関わっていそうな裏帳簿とはなんなのか? 

 ICレコーダーの会話に幾度となく出てくる裏帳簿とはどのような内容なのか

皆目見当が付かない。

 それは瑛介が自ら命を絶ち、責任を取らなければならなかった物だったのか? 

 生駒は自身が納得ゆく確かな証拠が欲しかった。


「東南アジアの方はどうだ?」

藤堂社長が香坂役員に東南アジア出張の様子を聞いた。

「タイのチエンマイは経済の発展が急速です。何処まで伸びるか未知数といった

ところです。まだ日本の同業他社の進出はありません。顧客は年齢層が若く市場

として非常に有望です。早い者勝ちでしょう。当社としては、数店舗出店と日販品

の製造工場を一緒に立ち上げたいと思います。現地の商品を調達していたのでは

商売にならないでしょう。タイへの進出は出店と工場がセットこれは必須と思います」

「そうか……」気のない返事だ。

「出店希望者は結構いますよ、とりあえず法人が対象でしょう。その後軌道に

乗ったら個人の加盟店を募集しても良いと思いますが」

「来年の春ぐらいに工場の建設と店舗の建設を始められるよう段取り中です。

建設の契約の時は社長もお願いしますよ」

「東南アジアはいつ行っても暑いんだ。もう歳だし、あまり暑くない時にして

くれよ」

 一時間ほどで香坂が、社長室から出てきた。



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