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8話  最後の電話の相手

8話  最後の電話の相手? 1,415


五月十一日(捜査九日目)


所轄の橋本刑事を中心に被害者の車を発見したコインパーキング周辺の聞き込みが続

行されていた。

これといった情報が無く遅々として被害者の足取りが掴めない。

一方、二之宮への取り調べも続いていた。

殺害現場で発見されたハンカチがその焦点になっていた。

「二之宮さん、このハンカチはどうして現場に落ちていたんですか?」

主任は訊いた。

もう何回この質問をしたのか覚えていないくらいだが……。

「弁護士と話をさせてもらえませんか?」

二之宮は掠れた声で口を開いた。

「そうか……このままではどうにもならないから弁護士と話した方が良いだろう」

主任は玉野刑事に弁護士へ連絡するよう指示をした。

     


三森刑事と五十嵐刑事はメルクス本社の秘書課を訪れていた。

「生駒恭子さんですか?」聞きながら三森刑事と五十嵐刑事は名刺を出して

「榊さんの事件を捜査しています。少しお話を伺いたいんですが?」

「はい」

返事をした後、確認する様に聞き返した。

「榊さんの事件で何か……?」

「同じ会社の上司と部下両方の方が亡くなられていますので、その関連を捜査してい

ます。で……今日お伺いしたのは、小早川さんの方です」いうと、

三森は恭子の眼の動きを見た。

「小早川さんですか?」

恭子は不意を突かれたように瞳をおおきく見開き三森から顔を逸らせた。

その仕草で三森はこの女! 何か知っているな。思った。

「実は小早川さんが自宅で自殺された当日、最後に電話を受けたのが生駒さんだった

ものですから……」

事情を説明した。

「――私が最後の電話に……ですか」

「そうです。そのときの様子をお伺いしたいんですが……」

「はい…… その日は、社長からの指示で確か十六時に呼び出されたはずですが……

二之宮部長と二人が呼び出されたんです。十六時少し過ぎてから会議が始まり約一時

間で終わりましたが、社長室から出てきた時の小早川さんの顔色が、すごく悪かった

ので声を掛けましたが返事が無くて心配になったものですから、少しして様子を聞き

たくて電話しました」

「そのとき小早川さん何か言っていましたか?」

「電話では様子が良くわからなかったものですから、直接会って様子を聞きたかった

ので近くの公園で少し話をしました」

「そのときは、どんな話を?」

「仕事でミスをして、財務担当役員に叱責されたと……かなり落ち込んでいました」

「財務担当役員が…… ですか?」

「はい、そう言っていましたが……」

「自殺はその辺が原因と?」三森は訊いた。

「私にはわかりませんが、小早川さんは社長の姻戚という事も有って一般の社員より

強い責任を感じていたのかもしれません」

「責任を強く感じていた…… 仕事上のミスというのは何かご存じですか?」

「いいえ その辺の事情は、私にはちょっとわかりません」

「話は変りますが皆さんに訊いています。榊さんが殺害された四月二十二日の行動を

教えていただけますか?」 

恭子は、携帯を指先で繰ってスケジュールを見た。

指を止めた。

「四月二十二日は通常勤務で定時に退社して帰宅しました」

「深夜零時から午前二時頃まではどうされていました?」

「夜は十一時頃から朝まで自宅で寝ていましたが?」記憶を辿りながら応えた。

「どなたか一緒でしたか?」

「いいえ、一人です」

「わかりました。ところで社長はいますか? 出来たら少しお話を伺いたいのです

が」

「はい、本日予定は有りませんので大丈夫かと思いますが…… 少々お待ちくださ

い。確認して参ります」

「お願いします」




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