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6話  コインパーキング

6話  コインパーキング 1,686



三森・五十嵐刑事が捜査本部に戻ると、主任は橋本刑事がパーキング運営会社

から借りてきた監視カメラの映像を見ていた。

「おお…… 今コインパーキングの映像を見ているところだ。一緒に見てくれ」

主任は云うと、再びモニターに顔を戻した。既に映像は始まっていた。

モニターにコインパーキング全体を見渡せる角度からの映像が映っていた。

薄暗く車が何台か映っているが、人の気配はない。

モニターの右下に日付と時間が映し出されている。

四月二十二日十九時十一分と刻まれていた。

暫く画面で動く物はなかった。

「被害者は吉祥寺南町店を夕方の六時半に出ているから、その後このパーキング

に車を入れたはずだが……」

主任はそう呟くと、静止画の様な映像に眼をやった。

「おお…… 来た! 榊の車ですよ。ボデイにメルクスのロゴが見えます」

五十嵐が叫んだ。

「おおー、これだ!」

主任と三森が同時に声を出した。 

この後、榊が車を止め、駐車場出口に向かい歩いて行くところが写され画面

から消えた。

画面の時刻は、十九時時二十五分を刻んでいた。

「さて、これからどこかで食事をしたか……? 誰かと待ち合わせか?」

三森は呟いた。

この先の展開が事件の核心のはず、と推察した。

十九時二十五分という時間から夕飯を食べるはずだ。

榊の足取りを早急に掴みたい。

じりじりした思いを胸に押し込めた。

「今、所轄が聞き込みをやっている。ちょっと様子を見よう……」

主任が状況を説明した。

「話は変るけど世田谷署はどうだった? 何でも署長の小泉さんと、小松管理官

は同期だと言って、電話の話が弾んでいたけど……」主任が訊いた。

「そうなんです。自殺案件の問い合わせに署長が対応され恐縮しました。

小松管理官によろしくと言っていました」

「そう…… そりゃ、良かった…… で……何か出た?」主任が先を促した。

「小早川は当時、榊の直属の上司で社長の姻戚だそうです」

「ほう! どんな関係?」

主任は興味深げだ。

「奥さんが社長の妻の妹と云う関係だから社長は義父に成りますか?」

「そうだな…… そんなに近いの?」

主任は意外な面持ちだ。

「次期社長と噂もあったようです」

五十嵐が横から口を出した。

「奥さんも自殺の原因がさっぱり解らないと」

小早川夫人の哀しげな横顔が三森の頭を過ぎった。

「次期社長なら、先は明るかったはずなのに……」

「主任何を言っているんですか? 死んじまったらどうしようもありませんよ」

五十嵐が話しを混ぜ返した。

「そうだな……で、その原因は世田谷署では何か言っているの?」

「そこまでは訊いていませんが……榊のパソコンと携帯電話借りてきました」

「ちょっと待てよ……借りてきたって簡単に言うなよ!」

主任の言葉が尖った。

「小泉署長の特段の計らいです。ああ! そうだ関係資料のファイルも貸してくれま

したよ。小松管理官に感謝ですね」

「たくー、しょうがねえなー」

二人の会話を訊いていた五十嵐刑事が笑いをこらえた。



この日の捜査会議は、所轄の捜査員の帰りを待たずに始められた。

「本日、被疑者二之宮に対し正式に逮捕状を執行した。その後の取り調べでアリバイ

を再度確認したところ以前の供述を翻し別のアリバイを主張したため、急遽その裏付

け捜査を行ったところ、新しく主張したアリバイの裏がとれた。だが被疑者に残る嫌

疑がまだ晴れない状態である。これは確たる物証である為、かかる嫌疑が晴れるまで

拘置を続ける。又、被害者の社用車が井の頭公園近くのコインパーキングで発見され

た。被害者の足取りがコインパーキングを後にした十九時二十五分まで裏がとれた。

その後の足取りの聞き込みを現在続行中である。私の所に報告が来ているのは以上で

ある。このほかに報告は……? 無ければ、本日は以上」


村上主任が現在の捜査状況を報告して捜査会議は終わった。

所轄の橋本刑事他何班かが被害者の足取りを追って聞き込みを続行していた。

この時間だと飲食店中心の聞き込みになっていると思われる。

被疑者逮捕の捜査段階を考えると被害者の足取りを所轄の面子を掛けて一刻も早く解

明しないと、どうしようも無い程、所轄は窮地に立っていた。



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