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4話  アリバイ


 五十嵐刑事は、所轄の警察車両で二之宮がビールを買ったと、証言した

調布のコンビニ店に向かった。

 鶴川街道から住宅街に少し入った所にそのコンビニがあった。

 店の店員に警察手帳を見せると店主が事務所から出てきた。

 五十絡みのゴマ塩頭にキャップを被ってニコニコしながら五十嵐の前で

頭を下げた。

「店長の大島です。警察の方が何か……?」

「いや、たいしたことでは無いですから……」

 そう云って店の天井を見渡した。

 防犯カメラが何台も設置されていた。

「カメラ沢山付いていますね……? 四月二十三日の午前零時半から

一時半頃までのカメラの映像有りますか……?」

「DVDにコピーしたものが有ります。十日毎にハードデスクからコピー

して保存していますから……」

 店主は自慢げに話す。


「ちょっと見せていただいて良いですか……?」

 レジカウンターを抜け、事務所に入ると壁際にモニターが設置されている。

 モニターは画面が六分割されて、それぞれのカメラの現在の映像が

映っていた。

「ええと……四月二十三日ですか……?」DVDの棚を探して……

「あーこれだ……四月二十一日から四月三十日と……」

 日付が記入されているDVDを五十嵐刑事に見せて

「映してみますか……?」

「お願いできますか……?」

 店主がビデオデッキにDVDをセットしてリモコンのスタート押すと

 四月二十一日の映像が映った。

 店主が日付を早送りした。

 二十三日の映像が映し出された。

「レジカウンターを撮っている画面だけ再生できますか?」訊くと

「出来ますよ。レジは三番のカメラだ」


 一人で喋りながら、デッキを操作した。

十分ほど経つとレジのカウンターにビールをのせる二之宮の姿が映し出された。

「店長、もうその辺でもう良いです。これ借りて良いですか……?」

「かまいませんよ。どうぞ」


 五十嵐刑事は店の外で、村上主任にコンビニのビデオに二之宮が映っている

事を確認したと報告を入れた。


 一方、所轄の橋本刑事は、捜査本部に戻ると、小走りで村上主任のデスクに

向かった。

「主任、被害者の社用車を井の頭公園近くのコインパーキングで発見しました」

「おお! そうか、見つかったか。いつから止まっていたか判るか?」

「パーキングの精算機上部に設置されている監視カメラのデータはパーキング

運営会社のサーバーに保存されている事を確認しました。

捜査員が向かっております」

「そのデータを見ればいつから止まっていたか解るね」

「はい…… データの確認ができましたら報告いたします」 

「車両は、所轄に運びました。現在車両と車内の遺留品の捜査を鑑識が

行っております」

「事件に関係のありそうな遺留品は?」

「現在の所、見当たりませんが、本庁の西刑事が遺留品取り調べに立ち会って

おります」

「ご苦労さん、カメラのデータ確認出来るようになったら、声を掛けてくれ……」

「はい」橋本刑事は踵を返した。

「ああ! それから……」主任は橋本刑事を呼び止めた。

「なんでしょうか?」

「コインパーキング周辺の聞き込みを続けて頼むよ」

主任は榊のその後の、足取りを掴みたかったのだろう。

「わかりました」

返事は一段と気合いが込められていた。



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