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13話  事情聴取 その三


 四月三十日・メルクス本社店舗開発本部


 三森刑事と所轄の坂爪刑事はメルクス本社の中で榊と関連の強そうな

人物に事情を聴く為に、被害者と同期入社した社員リストを広報担当から

入手していた。


 店舗開発本部の倉科圭吾を訪ねた。

 ベリーショートの髪型、細面に縁なしのメガネ、眉が濃い、

 眼は細いが唇は意外と厚い。紺ブレザーに細身のパンツ姿で現れた。


「倉科さんは、榊さんと同期入社と訊いていますが?」

 三森刑事が尋ねた。

「はい、そうです」

 倉科がバリトンで応えた。

「付合いは、どの程度でしたか?」

「飯、一緒にするぐらいですが?」

「そうですか? 社内ではどんな感じです? 特にその榊さんから

相談があったとか?」

「そういえば、もう一ヶ月ほど前になりますが、担当店の吉祥寺東町店の

件で相談が……」

「どういった内容ですか?」三森は質した。

「何でも、店の前の工場が撤退するとかで?」

「で……?」

 三森は続きを促した。

 坂爪は手帳にペンを走らせている。


「地主は誰かわからないか……?と……」

「地主を…… それは、どういう関係で……?」

「現在はバロック電子という会社があるんですが、そこが撤退するらしいと

云う話が広まっているらしく、担当店の目の前なので心配で地主に直接確認

したかったと…… 思うのですが?」

「それで地主はわかったんですか?」

「私の所ではわかりません。なので、法務局の土地登記簿謄本を確認

したら……と」

「榊さんはなんと?」

「わかった。早速行ってくるよ……と」

「そうですか」 


 誰の指示でそこまで調べたのか? 

 榊は地主に直接接触出来たのか?

 三森は小骨が喉に刺さった様な気分だったが、事件と関連が薄いと思った。

 倉科の今の話は、胸の片隅に追いやった。

 それよりも、まだ事件当日の行動を確認出来ない役員のスケジュールが

知りたかった。

「ちょっと伺いたいんですが……? 香坂役員の秘書とちょっと話を

したいんですが」

「ああーそれだったら…… 広報の担当を通したら良いですよ。

呼びましょうか?」

「すみません…… お願い出来ますか」


 広報担当に案内され香坂役員の部屋に着くと、

長身で細身・髪はロングで艶々の蠱惑的な美貌の秘書が微笑で

待っていた。


「突然すみません。 先日電話をした捜査一課の三森です」

「役員の秘書・星乃絵里香です。刑事さんに何か聞かれると思うと、

なんだか緊張します」

「大丈夫ですよ。香坂役員の行動は、ある程度わかりますか?」

「ある程度は……、役員の行動で何かお聞きになりたいことが」

「実は皆さんにお伺いしている事なので…… 特別役員に容疑が掛かって

いる訳ではありませんので……」

「わかりました。それでどのような事でしょうか?」

「四月二十二日ですが役員の行動はどのようになっていましたか?」

「ちょっとお待ちください、スケジュールを確認します」

 星乃秘書は、デスクからスケジュールノートを取り出し四月二十二日を繰った。

「社長と十一時からお昼まで打ち合せをしています。

その後は役員室で通常勤務をされ定時に退社されています」

 所轄の坂爪刑事がしきりにメモる。

 三森に目配せし一つ軽く頷いた。

「出張は確か二十三日出発で帰国は五月十一日と伺いましたが?」

「その予定に間違い有りません」

「帰国されたら、連絡をいただけますか?」

「わかりました 連絡させていただきます」



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