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5話  事情聴取 その一


 事件翌日・四月二十四日・メルクス本社 


 この日の午後、警視庁捜査一課の刑事二人(村上刑事・三森刑事)が

二之宮部長を尋ねてきた。

 受付の社員は、応接に二人の刑事を通し、広報と二之宮部長に連絡

を入れた。

 応接室に、三森刑事・村上刑事と広報担当・二之宮部長の四人が

向き合った。

 三森刑事が質問し広報が答える形でしばらく事情聴取があった。


 会社の組織について、三森刑事が、かなり詳しく訊いた。

 村上刑事がしきりにメモを取っている。

 会社内部の人間関係、特に被害者の同僚と被害者が担当していた加盟店

について二之宮部長に質問が集中した。

 同僚のリストと被害者の担当店リストを要求されたので広報担当が

メモ用紙にリストを作った。

 担当店のリストは販売管理部の事務方がコピーを持ってきた。

 部下全員について被害者との関連を調査している様に見えた。



 「いずれ、今お聞きした各人の当日の行き先と時間について

お尋ねしなくてはなりません」

 三森刑事が捜査上是非、確認しなければならないと念を押した。



 「昨日橋本という刑事さんから、榊君の当日の行動を訊かれています」

広報担当が説明した。

 「捜査会議で訊いております。今日は関係者の方々についてお願いに

来ました」

 「そうですか」

 二之宮は納得した様子だ。

 「その各人の中で被害者と対立関係または、恨みなどを持っていた

者は居ませんか?」

 二之宮は返答しようと口を開きかけ、一つ大きな嚔をした。

慌ててポケットからハンカチを出し鼻水を拭った。

 「すみません、アレルギー性鼻炎で……申し訳ありません」

 「花粉症ですか?」

 「はい……三年ほど前突然来ましてね……この時期は大変です」

 「それは大変ですね」

 「それで……何でしたっけ?」

 「被害者と対立関係または、恨みなどを持っていた者の件ですが?」

 「ああ そうでしたね ……そのような事を見たことも無ければ、聞いた

こともありません、私の部下で被害者と仲たがいしている人間は

居なかったです」

 「いずれ、各人にお会いし直接お話を伺うことになります。出来れば

日を決めていただいて、全員に時間をいただきたいのですが、部長

宜しくお願いします」

 三森刑事が軽く頭を下げた。

 「全員を集めて一人、一人の事情聴取ですか?」

 「殺人事件ですので、一刻も早く事件の糸口を掴み解決の目処を

つけたいと思います」

 「解かりました。なるべく早く調整し連絡を差し上げたいと思います」

 二之宮は、そう云った後、小さな嚔を続けて三つした。

 「宜しくお願いします」



 三森刑事は再度協力を要請し、メルクス本社を後にした。

 新宿駅に向かう地下道を歩きながら三森刑事が

 「関係者全員の事情聴取が終わる迄、かなり時間が掛かりますね」

 「う……ん、ちょっと手間だね。この件にもう少し増員するか」

 村上刑事は三森刑事の心配に答える格好になった。

 「今のところ、事情聴取は加盟店掌握営業部門全員と社内で被害者と

 仕事上ほかの部署で関わりのあった関係者、それから被害者の担当

していた加盟店の関係者、そのほか交友関係が有りますね」

「結構な人数になるね」

 村上刑事が重い口を開いた。

 「そうですね……。 捜査本部に帰ったらリスト作っておきます」

 三森刑事は、事情聴取を行う関係者の人数が、かなりの数になる

事が、何故か嬉しそうだ。

 「いずれにしても我々は本社の関係者を優先して事情聴取開始しよう」

 村上刑事は、いよいよ本格的な捜査が始まると思うと、気が引き

締しまり、語彙に力がこもった。




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