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17話  社長秘書

    

 藤堂社長の秘書・生駒恭子(二十八歳)

 目鼻立ちのきりっとした美しい顔・身長170と長身だ。

 手足が長い、一見モデルと見まがう美人。

 京都の大学を卒業し実家を離れ東京で一人暮らしだ。


 恭子はエリアマネージャー小早川瑛介と不倫関係にある。

 そんな関係になって、かれこれ三年が経つ。

 小早川はイケメンで長身、恭子好みである。

 社長との姻戚をひけらかす所は一つも無く人当たりも優しい。

 又、社長室にも遠慮なく来るので恭子とも自然に打ち解け親しくなった。



 四月九日 

 恭子・二十八歳の誕生日。


 夕方瑛介から恭子の携帯にメールが入った。

「恭子、誕生日おめでとう。今夜少し遅くなるけど待っていて欲しい、

 一緒に誕生日のお祝いしたいから……」

 恭子は、帰宅途中にワインを一本とチーズを数種類少しずつ買った。


 午後十時 下北沢・生駒恭子のマンション

 インターホンが鳴った。

 恭子は小走りで玄関まで急いだ。ドアスコープを覗いた。

 瑛介だ。

 玄関扉をゆっくりと開け瑛介を招き入れた。

 瑛介が苦笑いを浮かべ乍ら薔薇の花束を両手で恭子に差し出した。

 恭子は何も云わずに瑛介に抱きつき唇を合わせた。

 花束が瑛介の手から落ちた。

 二人は抱き合い激しく舌を絡ませ夢中になった。

 嵐のような抱擁が密会出来なかった時間の長さを物語っていた。


 瑛介と恭子は、ゆったりとしたソファーに座りワインを飲んでいる。

 部屋には薔薇の香りが仄かに漂っている。

 誕生日祝いの薔薇は二十八本・恭子の歳の数だけ赤い薔薇を揃えた。

 照明は絞って有る。

 床に置いたガラスの受け皿でイランイランのアロマキャンドルの炎が

 揺れていた。

 炎の揺れが壁と天井に映っている。


「瑛介さん、最近元気が無いのは仕事で何か問題でも……?」

 恭子は気に成っていた事をさり気なく聞いた。

「いや……どうして……?」

「うん、それがね、瑛介さんと同じ階の友達から噂を聞いて……」

「噂……? か、僕にも噂があるんだ」

「そうよ、ここ一ヶ月ほど、デスクで遠くを見ているような……?

 見ていないような……? とにかく気持ちがそこに無いような雰囲気を

 感じると、そんな良く解からない噂」

「雰囲気を感じる……か?」

「何か頭の痛い問題抱えている……?」

 恭子は瑛介の眼を覗き込むように聞いた。

「も…… もんだい……? 問題はないよ」

「そう…… そうだと良いけど」

「心配させて悪いね」

「私に出来る事が有ったら、やらせてください……!」

「ああ、ありがとう」

 恭子は直接聞いて少し安心したのか、瑛介の肩に寄り添うように

軀を預けた。


 瑛介は裏帳簿紛失という、重大問題を抱え切羽詰った状態の日々が

続いている。

 苦悩は霞のように瑛介を覆ってもう一ヶ月になる。

一向に先が見えない。


 瑛介が、ワインでなく、もっと強い酒を望んでいる様に恭子には見えた。

 そんな気持ちを察し、恭子がバランタイン十七年のボトルを持ってきた。

「水割でいいかしら……?」

「いいや、ロックがいいな」

「ロックか…… 私もロックにしよう……」

「改めて 乾杯だ!」

「女は歳を一つ取るだけの誕生日は嬉しくはないけれど、まあいいか。

乾杯!」


 取り留めの無い話しに花が咲いた。

 気が付くとバランタインのボトルが空になっていた。

 二人は縺れ合ってベッドに倒れ込んだ。

 恭子は、今までに無い瑛介の性急で激しい行為に気持ちが付いて行かな

かった。が、軀は反応してしまっていた。

 恭子は戸惑った。

 二度三度と頂点に押し上げられ、四度目の大波が来た時、恭子は我を失った。

 恭子は、いつもの瑛介ではない……! と感じた。

 以前はこんなに激しい行為をする人ではなかった。

 あくまでも優しく、終わった後も静かにいつまでも抱きしめてくれた。

 恭子には物足りないほどであった。


 何かが、彼の廻りで起きている。

 やっぱりおかしい……。

 これは女の勘で説明のしようもないが……。

 今日の瑛介はいつもと違う。恭子は確信に近い何かを感じた。


 瑛介は悩んでいる問題から逃れ忘れる為に、行為に強くのめり込んだのだ。



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