14話 桃色遊戯
櫛笥佳代子は、加盟店店舗掌握部門の部長・二之宮 仁の愛人である。
二之宮の性的嗜好は、少し変わっている。
佳代子の吸い付くような餅肌と釣り鐘のような乳房を舐めまくる「乳フェチ」
と、時には両手を縛りあげ、自由を奪ってから、透明感のある皮膚と、どこま
でも柔らかい臀部を舐めまくる。時には佳代子の要望から、白い餅の様な
臀部を平手でパンチングなどを織り交ぜ、戯れる。
「パンチング&尻舐めフェチ」と、まさしく変態フェチ爺に変身する。
そうすることは、佳代子の望みでも有る。
この女、正業は翻訳家、上智大学外国語学部を卒業している。
血筋も子爵に繋がる良血だ。才女・インテリ愛人というところか。
古風な瓜実顔で品がある。
中背・ややポチャリ型・透明感のある肌は肌理が細かくエロ臭を放っている。
背中からヒップへのくびれラインも素晴らしいが、
絶品なのは釣鐘のように突き出している乳房だ。二之宮の大好物である。
「きゅっと締まった足首」は二宮の欲情をかき立てやまない。
贅沢品の買い物が趣味。
二之宮は裏から入ってくる金で、マンションを借り、ポルシエを買い与えた上、
毎月のカード決済が二之宮の月給とほぼ同額。
金はいくら有っても足りない。
二之宮は神楽坂の料亭から佳代子の為に借りている多摩川沿いに建つ高層
マンションに寄った。
ソファーに深々と座り静かに眼を閉じ、今日料亭で小早川から受けた報告を
思い起こした。
下手をすると会社ぐるみで不正を働いていることが明るみに出てしまう。
裏帳簿には個人名は出ていないが、アルファベットの頭文字を使っていた。
内部事情に詳しい者であれば、頭文字と当該者を結び付けるのは容易い。
小早川を帰した後、女将を相手に日本酒をかなり飲んだ。
いくら呑んでも、喉に小骨が引っ掛かっているような違和感が払拭できな
かった。
自分が示した方針に誤りは無かったか……?
今一度考えようとしていた。
佳代子が、素肌に纏った薄い絹のナイトガウン越しに釣鐘の様な乳房を
二之宮の背中に押し付けて来た。
お誘いだ!
甘い香りが鼻に纏わり付いた。
フェチ部長の思考が停止した。
この日、フェチ部長は、どぎつい桃色遊戯で佳代子を責めるつもりになった。
両手を縛り上げ、たっぷりと時間を掛け、蕩けるような柔肌を舐め回し、
ぴちぴちの女体を弄んだ。
蛇の生殺しのようになった佳代子は、熱い溜息を幾つも吐き、息も
絶え絶えに一糸纏わぬ姿でよろけるにバスルームに消えた。
フェチ部長は冷蔵庫から冷えたバドワイザーを出し瓶ごと飲み干した。
二之宮は、乾いた喉を潤し一息入れ目を閉じた。
すると何故か、佳代子と桃色遊戯を楽しめる日は、残りが少なくなって
来ていると感じた。
同時に切迫感が二之宮の脳みそを過ぎった。