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この作品には 〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

何処かにあるかもしれないヒトと機械の軌跡

笑って死に逝く愚か者

「笑って死ぬなんて、馬鹿なのかな──?」
 生に意味などなく、死に価値などなく、生者は無慈悲に切り捨てられ、死者は無残に打ち捨てられる。当然彼らに墓など存在せず、ただ転がるだけの骸に、墓を造る『墓守』がいた。とある大穴の底の、死体が無残に打ち捨てられる『ゴミ捨て場』で墓を造り、それを守る墓守は、満足げに笑って『死ぬ』死者に遭遇し、ひどく困惑する。
 無念ではないのか。悔しくはないのか。
 多くが生に縋りついて死ぬことを拒むのに、どうして笑って『死ねた』のか――?

     幸せな少女がいた。誰よりも幸福を享受していた。

 この『ゴミ捨て場』には、様々な者が落ちてくる。既に虫の息の生者、怪我の少ない無事な死体、ひどく損壊した死体、そして、死んでるはずなのに『生きている』死者。そんな彼らを屠り、看取り、埋めてやるのが墓守の役目だ。無人の『ゴミ捨て場』で、誰もそこに棄てられる死体の存在など知らず、ましてや、墓があることや墓守がいることを知っている者は誰一人いない。そんな中で、墓守は誰に課せられるでもなく、墓を造り続けていた。

     少女は何を奪われても幸せを想い続けた。

「わたしの名前は、サクラっていうの!よろしくねっ!」
 そんなある日、死体の代わりにサクラという一人の少女が落ちてきた。弱っていた彼女を介抱し、ともに暮らす中で墓守の中の何かが変わっていく。
 生活を共にし、時に彼女の睡眠を見守り、時に大人げなく一緒に遊び、そして時に──。

     だから少女は、笑っていられた。 
 
 彼女たちの出会いは偶然だったのか、必然だったのか。腐敗に塗れたその場所で至る結末は、果たして無念で終わるのか、それとも満たされて終わるのか。
 答えなんて最初から決まっている。最後がどうなろうと、笑って終わりを迎えるのだ。
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