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第0話
俺に友達はいらない。
ひねくれているとか、天の邪鬼だとは思わないで欲しい。ただ俺にとって、友達を作るメリットとか必要性がないのだ。
いなくても困らない存在。なくてもいいもの。
友達という存在を否定しているわけではない。互いを助け合ったり思いやったりすることができる関係は素晴らしいと思う。
でも、そこまでに到達する過程はどうだろうか。互いに気を使い、話を合わせて愛想笑いを浮かべ、時には探り合うこともある。
少なくとも俺はそうだった。そして、そういうのにはもう疲れてしまった。
愛想笑いを顔に張り付け、話を合わせ、気の利いた言葉を何とか絞り出す。そんなことをしてまで友達を手に入れたいとは、俺は思わない。
だから、俺に友達はいらない。