第五話 《能力》
第五話 《能力》
闘拳の将との戦いが終わった後、ライは夕と來那の治療をするため一度來那の家に戻り、一度この家に来て、魔神軍が来たことを報告しこの家に残っていた鈴の協力を得た。鈴は初めは驚いたものの、來那と夕の様子を見るとすぐに協力してくれた。
そして來那たちをベッドに寝かせ治療を始めた時、
「凄い…」
と、鈴が來那たちの治療をしているライの様子を見てそう呟いた。
「あれだけボロボロだったのに1分も経たずにほとんど全快まで…」
「そこまで凄いことでもない。これは元々簡易的な回復の力を魔力で極限まで回復力を上げただけだ。」
「そんなこと普通はできないと思うけど…」
そんな事を話していると、
「…ん…」
「あれ…ここは…」
來那と夕が目を覚ました。
「あ、目が覚めたんですね。良かったです。」
「ライ…あなたが治療を…?」
「はい。なんとか治療できてよかったです。」
「犯人は…?」
來那が少し不安そうな顔をして聞いてきた。
「大丈夫です。しっかり倒しました。」
「倒した?…ライが…?」
「はい、かなりギリギリでしたけど。」
そうライが言うと
’’ほとんど圧勝だったろ’’
という声が聞こえたと同時に辺り一面暗くなり見覚えのある人が姿を表した。
’’君は…力を貸してくれた…えっと、名前なんだっけ?’’
’’そういや名乗ってなかったな。俺の名はレイだ。’’
’’レイか…ありがとね、力を貸してくれて’’
’’何言ってんだ?俺は力を貸してないぞ?俺はあくまでお前の力の少しを目覚めさせただけだ。’’
’’そうなの…?’’
’’あぁ…下手すればお前はこの世界で誰よりも強い’’