第四話 《圧倒》
「私がいつあなたに倒されたいと言ったのですか…最近の若いものはせっかちですね」
そう言って犯人はライの攻撃を躱しカウンターを決めようとする…が、
「せっかちなのはどっちだ」
と言って、ライは犯人のカウンターを避け拳を叩き込む。
「ぐ…何故、たかが人間一人にこれほどの力が…」
「何、言ってんだ爺さん。俺はまだ本気じゃねぇぜ?」
「何…?本気ではない…か、だが…それは私も同じこと…見せてやろう…この、闘拳の将の本気を!」
そう言うと、闘拳の将の体から溢れ出んばかりの闘気が吹き荒れた。
「闘拳の将…か、覚えておいてやる。俺はライだ。お前の名…お前が本気を出すと言うなら…俺も出そう、俺の本気を!」
そう言ってライも同じように体中から溢れんばかりの闘気を吹き荒らす…その様子はほとんど一緒…
「行くぞ!ライ!」
「来い!闘拳の将!」
双方動いたのは完全に同じだった。唯一違うところがあるとすれば…
圧倒的な力の差だろう
「ガハ!…まさか…これでも負けるとは…」
「言っただろう、俺も本気を出すと。」
そう言って闘拳の将は地に崩れた…その亡骸にライは手をかざし、
「お前の志は受け継がねぇが、お前の力は、俺が受け継いでいく。」
そうすると、闘拳の将の体が光りに包まれその光がライの体に取り込まれていった。
「さて、早く來那たちを治療しねぇとな」
そう言ってライは來那たちのもとへ戻っていった