第0話 《異世界》
第0話《異世界》
人はみんな平等じゃない、それを誰よりも理解しているのはきっと僕だろう。僕が一番理解している。
「お前見てるとイライラするんだよ!」
今日も僕のクラスメートが僕を殴る、蹴る、罵る。こんなことをして何が楽しいのだろうか、こんなことをして満足するのだろうか…暴力を受けるたびにこの疑問が頭をよぎる。いつまでたっても答えが見つからない答えが…
「聞いてんの?お前」
そんな事を考えていると顔に強烈な蹴りが入る。
「うぐ…」
ここ一年はずっと殴られたりしてきたからほとんど痛みに慣れていたがこの蹴りは相当痛かった。おそらく頭蓋骨にヒビが入ったかもしれない、血も出てきた…
「おいおいやりすぎんなって、こいつにはまだまだ俺達のサンドバッグになってもらうんだからよ」
そんな声が聞こえたと思うと同時に僕の意識は飛んでいく…
「こいつ気絶したんじゃね?」
「お前のケリが強すぎんだよ」
「まぁ今日はこのへんで終わらせてやるよ」
そう言って、僕のクラスメートはその場を去っていく…
「いつまでこんな事されなきゃいけないんだろ…」
そんな事を言って僕は意識を失った…
「誰か助けて…!」
「!?」
僕はそんな声を聞くと同時に目を覚ました
「夢…?」
そんな事を考えていると、
「やっと起きたか〜じゃあ今回の賭けは私の勝ちだな來那」
「今回の賭けは無効…私が賭けたのは一日で起きるか…そして…あなたが賭けたのは夜までに起きるか…この人が落ちてきてから2日たったし、今は朝…どちらも負けている…賭けは無効…わかった?夕」
僕の前で二人の人が口論している…しかもその人達が来ているのが普通の服じゃない…それに僕は学校の体育館裏で倒れていたはず…それなのに今僕がいるのは普通の家の中だった…一体ここはどこなんだ…僕は一体なんでこんな所に…