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最強二人の王都生活  作者: 御手洗団子
6/18

第六話冒険者ギルドから依頼

「ここが冒険者ギルドかー」

「流石にこの国のギルドの総本山なだけあって、無駄にでかくて豪華ね」


 無駄ではないだろ。他のギルドに王都のギルドの権威を見せつけるためとかな。


「うぃーっす。しつれいしまーす」


 おお、昼飯時だけど結構な人数がいるし、それにこんな時間に酒を飲んでる奴もいるな。受付カウンターはあっちか。


「冒険者登録しに来たんですけど」

「おいおいそんななよっちい坊主に冒険者が務まんのか?!」

「ぎゃははははは!!ビリー!!そんなに言ったらルーキーが可哀そうだろ!!」


 うるせーよ、酔っ払い共が。俺の声が聞こえねーだろーが。


「すいませーん。冒険者登録しに来たんですけど」

「あ、は、はい。冒険者登録ですね?」

「ええ、こいつもそうなんですけど」

「おいおい、きれーな嬢ちゃんだなー」


 …こいつは誘蛾灯の生まれ変わりなの?何なの?バカホイホイなの?


「えーとこの用紙に記入していただきたいんですけど…」

「こんなひょろっちいガキじゃなくて、俺様のパーティに入らねぇか」

「ちょっと、自分の知能指数を考えてから話しかけてくれる?バカが移ってしまうでしょう?」

「なっ」


 記入事項は種族、性別、名前と後、出身地とスキルか…。


「このスキルって必ず書かないといけないんですか?」

「え?!え、ええとそうですね。いえ、必ずと言う訳ではなくて…」

「よく聞こえなかったから、もう一回言ってくれよ」

「あら、バカなのに耳も悪いのね。もう来世に期待した方がいいんじゃないかしら?」

「ああ?!んだとごら?!」


 ふむ、必ず書く必要はないのか。って言うか。


「うるせーよ。説明がよく聞こえねーじゃねーか。バカはバカらしくバカみたいに大声で怒鳴るんじゃなくて、少しは黙れねーのか?」

「なんだとごらあああああ!!!」


 はい、【不変】っと。


「な、俺様の斧を?!」

「邪魔」

「がああああ!!!!」


ガッシャーン!ガラガラ!


 あらら。俺は何も関係ないぞー。


「…あー、損害賠償はあっちで寝てる奴に請求して下さい」


 あいつが勝手に転んだんだよなー。いやー、酒は飲んでも飲まれるなとはこの事か。


「おいおい、あんちゃんうちの。パーティーリーダーになんて事しでかしてくれたんだ」

「え?あんなバカがパーティーリーダーだったの?」

「って事はこのパーティーはあいつ以下の低能の集まりと言う事になるわね」

「勘弁してくれよー。バカは大人しく人様に迷惑をかけない生き方をしてくれ」

「…完全に俺達を舐めてるようだな」


 え?だって事実じゃないの?さっきのバカがパーティーリーダーだったって事は、こいつらはそれよりも弱いって事だろ?それなのに喧嘩を売ってくるとか、自分で自分の事バカですって言ってるようなもんじゃん。


「そんなに怒るって事は図星って事ね」

「おいおいあんま舐めた態度してると美少女でも殺しちまうぞ」


 へぇ。お前らが?俺達を?


「面白い事言ってくれるわね」

「うおらあああああ!!!」


 いきなり切りかかって来るとは。この国の住人はバーサーカーだらけなのか?


「燃えなさい」

「ぐああああああ?!!!!」


 おいおい。燃やしたい気持ちは分かるが木製の家具が多いのに、火使ったら駄目だろ。


「よっと」


 【不変】で炎上状態から平常状態に戻す。

 おいおい、俺がいてよかったな。俺の消火活動があと少しでも遅かったら多分、生きてなかっただろーな。


「おっ、お前らなんなんだよ!!!」

「女神とその下僕よ」

「おい、外堀を埋めようとするな」


 俺=下僕を公式化させようとすんじゃねーよ。せめて、お前の中だけに留めておいてくれ。

 …いや、別にこの方程式を認めた訳ではない。むしろ今すぐにでも頭の中から消してもらいたいね。


「逃げろおおおお!!!!」


 あ、ちゃんと俺=下僕の方程式は偽って分かってくれたかな。あんまりそれを広められると困るんだけど。


「すみません。損害賠償はあいつらのパーティーから差し引いといて下さい」


 路銀もないらしいし(原因は不明)、王都に来て二日目にして借金持ちは勘弁してほしいからな。


「わ、分かりました。それでは冒険者登録の説明の続きをしてもよろしいでしょうか?」

「お願いします」


 あいつらもいなくなった事だし、やっと真面に冒険者生活ができるな。


「あら、登録用紙に嘘書いたらダメじゃない」

「はぁ?なんの話をしてるんだ?」

「あんたの種族はサハギンでしょ?」

「人間の村からどうやったらサハギンが生まれんだよ?」

「隠し子よ」

「どっちの隠し子だとしても嫌だわ」


 父がサハギンとでも嫌だし、母がサハギンとはもっと嫌だわ。


「もしくは川から流れてきた桃を割ってみたらあんたが出てきたとかね」

「特殊な生まれ過ぎない?」

「竹を割ってみたらあんたが出てきたとか」

「なんで俺は何かに入れられて捨てられてんの?」


 竹に関してはどうあがいても無理だろ。スキルか何かを使ったのか?


「ってか俺は人間だよ」

「…そうね。あなたは人間だわ」

「え?なんで俺の肩に手を置くの?その同情的な目は何?」

「申し訳ないけど、説明の続きをお願いしできないかしら?」


 なんで質問に答えてくれないの?ねぇ。


「あ、そ、そうですね。この登録用紙に」

「スキルの話だけでいいわ」

「そ、そうですか。ええとですね。必ず書かなくてはいけない訳ではなくて、スキルを書くと強いチームらクランに勧誘されやすくなるんですよ」

「ふーん。つまりはアピールポイントって事ね」

「そう言う事です」


 はーん。なるほど。


「じゃあ、書けました」

「私も書けたわ」

「はい、分かりました。…お二方。スキルが空欄になっていますが」

「雑魚に勧誘されてもね。面倒なだけよ」

「まぁ、書いても書かなくても一緒かなって思ったんで」

「そうですか…。はい、これでお二方は冒険者として登録されました」


 結構簡単に登録できるんだな。


「んじゃ依頼でも受けるか?」

「そうね。いい依頼があったらだけど」

「あ、依頼はあちらのボードに貼られてます。依頼を受けたい場合はこちらの受付カウンターまでお持ち下さい」

「あ、あざーす」

「行くわよ、下僕」

「やめて?定着させようとしないで?」


 隙あらば方程式を定着させようとするのまじでやめて?


「ゴブリン討伐か…」

「それいいじゃない」

「そうだな。討伐数に応じて報酬が増加するみたいだし、お金不足も一発で解決できるかもな。……って

言うかなんで路銀あんなに減ってたの?」

「それにしましょうか」

「聞いてます?ねぇ。レイさん?」

「これにするわ」

「はい、ゴブリンの討伐依頼ですね?この依頼は一週間以内に完了できない場合は違約金が発生しますがよろしいですか?」

「構わないわ」


 おーい。聞いてますか?いや、別に依頼はそれで構わないけども。

 村からでる前に言ってたよね?「路銀は女神である私がしっかりと管理しておくから、下僕のあんたは護衛に励みなさい」って。言ってたよね?


「何ボーっと突っ立ってるの?さっさと行くわよ」

「いやまぁいいんですけどね」

「何を一人でブツブツ呟いてるの?気持ち悪いから止めてもらえるかしら?」

「いや、何でもねーよ」

「そう。探知魔法でゴブリンの巣も見つけたしテレポートで向かうわよ」

「あいよー」


 足元から魔法陣が広がる。

 うーん。やっぱり怪しいなぁ。……村から王都に向かう間、俺は馬車の中で揺られてたからな。その間にテレポートで王都に先に行ってたんじゃねーか?

 魔法陣の発光が強くなっていく。発光が収まる頃には、俺達は森の中にいた。


「で、こっからどこに向かうんだ?」


 …あっれー?隣に誰もいないぞ?

 それにこの巨大な影は何だ?


「グルルルル…」

「……こんにちわー。いい天気ですね」



 ……行っちゃった。それにしても凄い子達が入ってきたなぁ。


「ビリーさんはB級冒険者なんだけどなー」


 力だけで言ったらA級冒険者とも肩を並べられるビリーさんの一撃を何事もなかったかのように受け止められるなんて。それにたった一発で気絶に追い込むなんて。地味な子だったけど、人は見た目じゃ分からない物だなぁ。


「それにその隣の子も」


 凄い美少女だったなぁ。レイちゃんって言うらしいけど、顔はアドリア様と同じぐらい綺麗だったし。


「それにあの魔法の腕」


 的確に一人だけを狙って燃やすなんて、そんな普通の魔法使いには到底無理な芸当をしかも無詠唱で。私も魔法がちょっとできるから分かるけど、事前に魔法を唱えるなんて事はしてなかったみたいだし。ほんとに一瞬で魔力を練り上げて燃やしたって事よね。それだけの事を息も切らさずにいとも簡単にやって見せたって事は。…相当凄い実力者ね。テレポートも使えるみたいだし。どんなパーティーにも引っ張りだこね。


「ロウとレイかぁ」


 ふふふっ。忘れないうちにメモしておかないと。


「面白そうな事になりそうだなぁ」


 あの実力でまだ十二歳らしいし、あの二人組の将来が楽しみね。あの二人ならきっとすぐS級の冒険者になれるわ。


「よっと。邪魔するぜ」

「ふぅ、やっとここに帰ってこれたわね」

「あ、ガルフさんとアドリアさん!帰って来たって事は」

「ああ、これがヒュドラの鱗だ」


 流石、深き森の獅子!S級モンスターのヒュドラを討伐してしまわれるなんて!


「ではご討伐されたと言う事で……」

「それなんだけどな。討伐はできなかった」

「え?!」

「途中で逃がしちゃったのよ」

「ええええええええ?!」


 この二人でも討伐できなかったんですか?!!!!


「手傷は結構負わせたんだけどな」

「私が大技で仕留めようとした瞬間に飛んで逃げちゃったのよ」

「しかもこっちの方向にな」

「え?!っと言う事は?!」

「ああ、ここにはヒュドラを追って来たんだ」

「それと戦闘の疲れを癒しにね」


 あわわわわわわ!!!普通のヒュドラに翼は生えていません!と言う事はそのヒュドラは変異種だと言う事です!!しかもさっきの子達はゴブリンの討伐に森に行ってしまいました!!!


「大変です!!」

「どうしたのよミカエラちゃん。そんなに慌てて」

「新人冒険者二人が森の方向に行ってしまったんですよ!!」

「なんだって?!!おい、ミカエラすぐに行くぞ!!!」

「待ちなさいガルフ。ミカエラちゃん、その子達の名前は?」

「はい!ロウくんとレイちゃんです!」

「……ロウ?」「……レイ?」

「はい!」

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