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最後の約束

タケミカヅチが起動している事に動揺しながらもタケミカヅチに近づき制御盤らしきものにハジメが手を添えてハックする。

「なるほどな」

「何か分かったの?」

「志熊が死んだら強制起動して無差別放電後に自壊するようプログラムされてる。」

「何で?!」

「国にバレたときの保険だろうな。」

頭に流れ込む膨大な情報を読み取り、手をゆっくり放す。ハジメはレイの目を見て言う。

「レイ、上にあがって俺の仲間たちと合流して逃げろ」

「いや、絶対に嫌」

「頼む」

真剣なハジメのまなざしにレイが折れた。

「分かったわ、でも、必ず戻ってきて」

そう言って小指を差し出す。ハジメも小指を差し出し、しっかり絡ませる。

「約束する。」

レイがハジメを引き寄せキスをする。そして、瞳に涙を溜めながら走っていった。


 ハジメはレイが出ていくのを確認した後、ハジメはタケミカヅチの動力部に入りタケミカヅチがため込んでいる電気をジャックし始めた。『タケミカヅチがため込んでる電力をオレが全部ジャックして蓄電する。そのまま空に向けて放電する。これしか手段がない。』ジャックし始めて数秒後体中に裂傷が奔りそこから血と電流が流れる。苦痛に顔を歪めながら、ジャックを続ける。ハジメは鼻から熱いものが流れるのを感じ手で拭うと鼻血だった。『やばい、脳の処理能力が限界に来てる』大量の出血と脳の処理能力低下でもうろうとする意識の中で背中にぬくもりを感じた。振り向くと背中に抱き着くレイがいた。

「な、なんで」

「みんな、ここを離れたわ」

焦るハジメに凛と答えるレイ。

「そういう事じゃなくて」

ハジメの言葉をさえぎってレイが言う。

「お願い、一緒にいさせて」

ハジメはレイの目を見て諦めた。

「分かったよ。お前は相変わらず強情だな。」

軽口をたたくハジメを止めどない苦痛が襲う。

「くそ、あとちょっとなんだ踏ん張れ!」

自らを叱咤し、守るべき者の存在を背中に感じながら叫んだ。

「良し!これであとは上に・・・!」

ジャックを終え上に放電しようと右手を上にあげようとするが、力が入らない。ハジメが舌打ちすると、レイがハジメの右手を持ち上げ支える。ハジメとレイは見つめ合い頷き、ハジメは空へと放電した。

 



フタバ達は避難した場所から本部を見つめる。滝崎によって横たえられていたサンペイが目を覚まし周りを見回し、ハジメがいないことに気づく。

「ハジメは?」

「まだ、あそこで戦っています。」

滝崎が本社を指さす。

「なんだって!助けに行かねえと」

サンペイが立ち上がろうとしたとき本社から轟音が響いた。サンペイ達は、赤黒い稲妻がビルを貫き空に落ちるのを見た。



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