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啖呵吐十ニ歌
紫に染まる 空に下弦の 月に鳴く
傍らの星 女神の雫
自らを 水に見ずして 交わりの
故意に声なき 鯉の行く末
春風の 張り付く寒さ 背に追いて
手にする日差し 口へと迎えど
誰が為に 鐘は鳴るかと 問うけれど
「知らんがにゃあ」と 猫が鳴くなり
便り無き 君の便りに 頼り切り
僕とて出さぬ 倒れぬ便り
頬撫でる 夏風の色 我置いて
日に日に育つ 青唐辛子
雲詩も 詠みて読み手の 心情を
流れる空に 掴むこと無し
愈々と 今宵も良きに 酔い巻かせ
人生納戸の 開くことなど
秋雨の 穿つ強さに 紅き葉の
揺れに任せて 琴が鳴り往き
誰が為に 黄昏の空 ただ追いて
鬼神の如く 今日も吠ゆる也
独り鳴き 未だ 星界など見えず
雨夜風余と 猫の足跡
一歩ずつ 雪の鳴くをば 聴き占めて
今宵の詩を 口ずさむなり




