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恋愛二極化
僕はいじめる人。彼女はいじめられる人。
彼女は言う。「いじめないで?」と。
でも僕は思う。僕はいじめているわけではない。
この世の中は混沌。グレーで構成されている。最初は白と黒で始まったかもしれない。
そしてまた、白と黒に別離しようとしているのかもしれない。
白と黒。
混沌と静寂。陰と陽。光と闇。男性と女性。戦争と平和。プラスとマイナス。
農耕民族と狩猟民族。SとM。裏と表。過去と未来。創生と終焉。etc…。
この世が、この宇宙が2極の混沌で静寂しているのと同様に、僕らの心も2極存在する。
でも。
でもだ。そこに、その混沌の静寂に一石を投じると、途端に偏りが生じる。
僕は彼女と出会ってしまったから、彼女をいじめなくてはならない。
彼女は僕からいじめられなくてはならない。
彼女を愛しているから、愛するための必然だから、僕は彼女をいじめる。
愛することの表現方法がたまたま「いじめる」ってだけの話だ。
だから、いじめているのではなく、愛しているのだ。
彼女は言う。「いじめないで?」と。
だから僕は答える。「違うよ、僕は君を愛しているだけだよ。」と。