一話
Have Fun!
魔物って存在するのかな?
N0。
では、神様は?
これもNO。
では、死後の世界は?
これもNOだ。
つまらない。
さておき、本章の主人公は、ゲンタだ。彼は今年の7月に誕生日を迎え、25歳になったばかり。ゲンタはサラリーマンだ。そして2ちゃんねらーである。
2ちゃんねらーというのは、簡単にいうとインターネット上にある2ちゃんねるを自らの居場所と考え、そこに住み込む事を言う。住むというのは当然、メタファーで、実際の意味は毎日、掲示板を見て、レスを書くことだ。
ゲンタは夕方、会社から帰宅した。部屋の明かりを付け、テレビを付ける。
そして、パソコンを立ち上げる。音がないと寂しいからテレビは必ずつける。
そして、眺める。
そして、眺めながら思うのだ。
僕の人生に意味はあるのだろうかと。
人前では言えないが、僕は彼女居ない歴=年齢だ。
今までの人生を振り返って見ると何もない。
何も無かった。全くの空白で、生きてきた価値なんて一つもない。
考える度に胸が苦しくなる。
時々、考え過ぎて心臓の鼓動がやたら激しく動き出す事がある。そうなるといっそ飛び降り自殺でもしてしまおうかとすら考える。
そんな僕にとって唯一の趣味が妄想に耽る事である。就寝する前に目を瞑り、世界を一つ一つ作り上げていくのだ。まず初めに舞台を考える。
そうだな、FF9の舞台を設定にしよう。
次に自分をそこに登場させる。そうやって設定を一つ一つ丁寧に作り上げていくのだ。
そこでは自分は強くて、かっこいい、そしてモテモテなのだ。
そうするといつの間に寝てしまう。そして時折その夢を見るのだ。
25歳にもなって何をやっているのだろうか。
でも、考えないようにしている。考えると胸が苦しくなるから。
僕は非現実的な事が好きである。だからアニメが大好きだ。そしてアニメが現実にならないかと、毎日のように望んでいる。しかし、自分には皆目そのような出会いがない。幼年期時代に見た女の幽霊を除いてだけど。
それはさておき、今日も2ちゃんねるでスレをチェックする。ふむふむ。
(おまいら、加藤はネ申だからな。加藤を思い大地に接吻をするのだ!)
僕はパソコンにレスをしてニヤける。自分のレスを見て、笑うであろう人々を思い描く。
続いてUFOスレに移行する。
一時間ぐらい、読み書きを続け、終える。
一服しよう。
フィリップモリスをポケットから取り出し火を付ける。
ふぅ。
そして再び思い耽る。
日々が繰り返しでしかない。自らの将来ははっきりと見える。
自分は将来、このまま、生きれる程度のお金を稼ぎ、死んでいくのだろう。
単調で平凡な日々。僕はこの為に生を受けたのかと思うと、体中の臓器を取り出して投げたくなる。
コンビニで買ってきた唐揚げ弁当で夕食を済まして、僕は決意した。
週末、非現実を求めて旅に出よう。
評価お願いします。(m´・ω・`)m